ギリシャ問題が波乱要因だが。。
弱気の雇用統計に続いて、マクロ経済指標も冴えない中、地区連銀報告(ベージュブック)では「ドル高、製造業の重荷に」と指摘されるなど、米側からの牽制も目立ってきた。ドル円の修正の一因となった内閣官房参与の浜田宏一氏の「購買力平価からすると120円はかなり円安。105円ぐらいが妥当」との発言も、3年目の上昇相場の上値を抑えている。
ギリシャ問題が波乱要因ではあるものの、ユーロドルも3月安値を維持してダブルボトムのネックラインを試す流れとなっている。ユーロドルと相関の高いNY原油(WTI)は、今週に入ってネックラインを上抜き、ダブルボトム完成から上げ加速となっており、ドライブシーズンの始まりとされるメモリアルデー(5月最終月曜日)に向けて、底固めから押し目買い基調が意識されている。ドル高の一因であったユーロ安が一服・もしくは反転するとなると、、ドル円も一旦は下値を試す可能性もあろう。
一目均衡表の雲の下限と重なる三角保合い下限を明確に割り込むようだと、E=117.0円、V=116.52円などが下値ターゲットとしてカウントできる。200日移動平均線(4/17:113.45円水準)を維持する限りは、長期上昇トレンド継続が意識されそうではあるが、115円台を割り込むと、立ち直りには相当時間がかかりそうなチャート形状となる。
例年、日本のGW前後を始め、4月はチャートの大きな節目を形成するアニバーサリー・デイト(GANN)が集中する時間でもあり注意を払いたい。
米大統領選挙が近づくにつれて、利上げは行い難くなると思われ、早期利上げ観測の後退や、利上げが行われてもごく小幅で連続的なものにはならないと、市場の見方が傾き始めると、これまでの押し目買いが戻り売り基調に転じるだろう。
仮に、ギリシャがEU離脱と言うことになれば、一時的にユーロ売りが加速しそうだが、ユーロの灰汁抜けはこの方が早くなる可能性も秘めている。中東。北アフリカ地区の地政学リスクも、6月のOPEC総会やイラン核開発協議の最終合意期限に向けて高まる可能性には注意したい。