開業費用で今期赤字見通しでも、先高観あり
┗藤田観光(9722)
昨年、日本を訪れた訪日外国人は前年比 29.4%増の 1341万3600人(推計)と過去最高を更新しました。
今年1月からは、中国人に対するビザ発給要件が緩和されたこともあり、昨年を上回るペースで訪日観光客は増加しており、年間では1500万人突破も現実味を帯びています。
市場では、訪日外国人の観光需要を取り込める「インバウンド消費」関連銘柄が物色を集めていますが、短期で狙うのであれば、取り組み妙味のある同社がおオススメです。
藤田観光は、「椿山荘」など高級ホテルのほか、「ワシントンホテル」ブランドを全国展開しています。
現在、新宿歌舞伎町の旧コマ劇場跡地に地上130m(30階建て)の大型複合施設「新宿東宝ビル」の建設が進められており、同社の旗艦ホテル「ホテルグレイスリー新宿」が4月24日に開業予定になっています。
訪日外国人観光客が多く訪れる新宿エリアは、外資系ホテルなど多くのホテルが乱立していますが、なかでも客室数で最大規模を誇るのがワシントンホテルです。
4月24日開業予定の「ホテルグレイスリー新宿」は総客室数が970室で、新宿ワシントンホテルと合わせると2604室と圧倒的。
今期はホテルグレイスリー新宿の開業費用や、新宿ワシントンホテルの大規模改修で、最終赤字に転落する見通しですが、先高観は強く、短期資金の流入が引き続き期待できそうです。
小野山 功