商品市況と米国債利回り急低下で・・・・・
一方、リスク回避の流れなのですから、勿論、米国債は買われており、現在、10年債利回りは1.86%台まで下落。30年債利回りは2.46%台まで下落し、2012年7月に記録した過去最低水準・2.44%に迫っています。更に、2年債も0.51%台まで下げていて、0.50%割れとなれば、利上げ開始は今年の年末と云う事になってしまいます。こうなると、ドル円は売り材料に包囲されている形であり、なかなか反発の切っ掛けがつかめない状況なのかもしれません。
今夜は米小売売上高が発表となります。もし、この数字が予想よりも強ければ、多少はドルの反発も見られるでしょうが、その一方で、同時に発表される輸入物価が大幅低下となっていれば、インフレ期待が一段と後退し、長期債利回りを更に押し下げる事になり、結局ドル売りが強まるかもしれません。ちなみに、小売売上高の予想は前月比-0.1%、輸入物価は前月比-2.7%となっています。
それにしても、米FRBの引き締め観測が商品相場の急落を招き、それが、リスク回避の流れを強めた結果、米国債をはじめ、世界的な債券相場高騰、債券利回り急低下につながっています。そして、結果的に、米引き締め開始が後ずれする可能性につながっている訳ですから、何とも皮肉なものですが、このスパイラル的な動きは何時止まるのか、それ次第では、ドル円にも、まだまだ下げ余地が残っているのかもしれません。