「負の遺産」の処理に目途が立ち、息の長い資金流入期待
┗石原産業(4028)
塗料の白色原料の酸化チタンで国内首位のほか、農薬が稼ぎ頭です。
原油安が業績面を押し上げるほか、円安で輸出採算が改善し、下期の業績は好調に推移することが見込まれます。
また、昨年稼働を停止したシンガポールの工場跡地を売却する交渉を行っており、売却が決まれば、最終利益が会社予想を上回る公算が高いといえます。
同社は酸化チタン製造の廃酸を利用した土壌埋戻材「フェロシルト」で環境汚染を起こし、回収を進めていましたが、昨年10月末時点で、45カ所の埋設地のうち44カ所の回収を完了。残る1カ所についても、98%の回収を終えたとのことです。
「負の遺産」の処理を終えれば、コンプライアンスの観点から、同社株を外していた機関投資家などが買い戻しに動くことも考えられます。
また、2005年3月期の「4円配」を最後に、10期連続で無配を見込んでいますが、16年3月期は繰り越し欠損金の解消の目途が立つため、増配が打ち出される可能性があります。
節目の110円で何度が上値を抑えられている節がありますが、この水準を超えられれば、追随する動きがみられそうです。
小野山 功