ドル高主体から円安主体へと転換?
FOMC声明文が予想以上にタカ派的であったことが直接的なドル買いにつながり、同時に今回のFOMCはQE3の終了とともにタカ派に軍配が上がったことで、米金融政策上の転機になったとも言えます。
そのタカ派とハト派の勢力バランスを象徴する「相当の期間(considerable time)」という文言に変化はなかったものの、新たな修正もあり結果的には骨抜き状態となり、その意味では今後もマーケット参加者が「いいトコ取り」相場を継続できる環境がさらに整ったと言えそう。
ただし、俯瞰的に現在のドル円相場を眺めてみると、そういった“言語解釈”的な要因は些事にすぎず、遅かれ早かれ利上げをせざるを得ないFRBに対して、緩和的な金融政策を継続せざるを得ない日銀との金融政策上のコントラストがより鮮明になったと捉えるべき。
特に、昨今の原油価格の下落もありインフレ率が1%を割り込む可能性も高まっている経済環境を目の当たりにする日銀に対して、追加緩和を巡る市場の憶測が再燃する可能性も。
ただでさえ閣僚の不祥事によって内閣支持率が低下する安倍内閣ですが、政策遂行上の“必要悪”とも言える消費増税決断について年末までのタイムリミットが迫る中、今一番避けたいことこそ日本経済の景気減速。より直接的に言えば、円高・株安は何としてでも避けなければなりません。(少なくともそのタイムリミットである今年年末までは。)
となると、内閣支持率の低下が進めば進むほど、永田町(政府)から本石町(日銀)への追加緩和政策に対する“催促”が強まるのでは・・・と考えるのはやや短絡的過ぎるでしょうか?