ドル円、膠着感脱せず・・・・・

地政学上のリスクによる円高傾向も限定的で・・・・

　イラク情勢の緊迫化等、地政学上のリスクが高まり、先週末からドル円は上値の重い展開を続けています。しかし、101円台後半に下落すると、ドル売りも続かず、今日の東京市場では、日経平均株価下落にも関わらず、一段とせまいレンジでの揉み合いに終始してしまいました。

　今週は、明日から米ＦＯＭＣが始まりますが、今回は雇用情勢改善等を受けて、ＦＲＢが利上げに対して、多少、前向きな姿勢を強めるとの見方もあり、これがドルの下値を支えている様です。この状況を勘案すると、今夜発表の米ＮＹ連銀製造業景気指数等が予想を上回れば、再び102円台前半までは値を戻す可能性もあります。

　一方、ウクライナとロシアとのガス代金支払い問題は決着せず、今後、ロシアはウクライナ向けのガス供給を更に制限する模様です。又、ウクライナ東部での武装集団とウクライナ軍との衝突も報じられる等、依然として緊迫化した状況も変わらず、此方は、ユーロ円の売り材料となっています。

　このユーロ円の売りがドル円の上値を抑えるはたらきをしている事もあり、ドル円の102円台前半は一段と重くなって来ています。この結果、ドル円はなかなか動意を強める事が出来ず、現在の狭いレンジでの取引を暫くは継続すると考えざるをえません。