冷夏、雨天・曇天を味方につける企業
南米沖太平洋東部の赤道付近の海面温度が上昇、これが気流の流れを変え、世界的な異常気象をもたらす。夏場に発生すると、日本への影響は、曇天や雨天が多くなることから気温は低下する。今年はこのエルニーニョ現象が5年ぶりに発生する可能性が高い。
企業にとって天候要因は決して侮れない。特に個人消費に絡むセクターは気温や天気によって、需要動向に大きな変化を与えるだけに注意が必要だ。ビール業界や、清涼飲料業界にとって夏場の気温低下は明らかにマイナスである。レジャー関連も雨の日が増えれば客足が鈍るのは自明の理だ。
しかし、夏場のエルニーニョが援軍となる企業も少なからず存在する。例えば「猛暑はパンの売り上げが鈍る」というセオリーの逆をついて山崎パン<2212>など製パンメーカーには追い風だ。
また、冷夏は農作物に不作をもたらす。植物工場の老舗であるキユーピー<2809>や光応用分野で植物育成システムを手掛ける岩崎電気<6924>なども商機拡大の思惑につながる。レジャー関連には逆風としたがラウンドワン<4680>など屋内で展開する企業にとって話は別。雨の日が増えれば、アウトドア派を屋根の下に引き込むことができる。