遠のく追加緩和
展望リポートでは15年度、16年度ともに物価上昇率が目標の2%前後に達する見通しとしている。異次元緩和の継続期間は、安定的に2%目標を持続するまでであるため、物価が日銀の見通し通りに上昇するならば、緩和縮小など出口への転換時期が焦点となってくるともしている。また、黒田総裁は会見で「日本経済は2%の物価目標を安定的に持続する成長経路に移行していく可能性が高い」としつつ、「現時点の見通しで出口の時期を特定するのは時期尚早」と述べた。
これを受けて市場関係者からは「もし、15年度にインフレ率が2%に届かないという見通しを発信すると、日銀自身の信認低下を招くことから、追加緩和が当面し難い状況になるという想定も可能だ」との見方が出ている。
つまり、2%に届くという強気のアナウンスを続けているあいだは、量的緩和の可能性は遠のくと市場関係者が受け止めても仕方ないことで、株式相場にとってはマイナス要因となりかねない。