今週のポイント
先週(9/15- )はNZドルが軟調に推移し、対豪ドルで22年10月以来、対円で8月29日以来、対米ドルで9月5日以来の安値をつけました。RBNZ(NZ中銀)による大幅な利下げ観測が浮上したことで、NZドルに対して下押し圧力が加わりましたNZドルは引き続き上値が重い展開になる可能性があります。
24日に豪州の8月CPI(消費者物価指数)が発表されます。月次CPIがカバーする品目数は四半期CPIの3分の2程度であり、そのことに留意する必要はあります。それでも8月CPIが市場予想を下回る結果になれば、RBAによる利下げ観測が市場で高まるかもしれません。
25日にはBOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。BOMは前回8月の会合で0.25%の利下げを実施しており、現在の政策金利は7.75%です。メキシコの8月CPI(消費者物価指数)は前年比3.57%となり、BOMのインフレ目標(3%)の許容レンジ(2~4%)内に2カ月連続で収まりました。
市場では、25日の会合で0.25%利下げすると予想されています。注目点は、BOMの声明で11月会合について何らかのヒントが提供されるかどうか(10月は会合なし)。市場では11月会合でも0.25%の利下げが行われるとの観測があります。声明によってその観測が市場で後退する場合、メキシコペソにとってプラス材料になりそうです。
日米など主要国の株価動向にも注目です。主要国の株価が上昇を続ければ、リスクオン(リスク選好)が強まるとともに、対円の追加ペアの下支え要因になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.11500NZドル~1.13000NZドル>
NZの4-6月期GDP(国内総生産)が9月18日に発表されました。結果は前期比マイナス0.9%と、市場予想や8月時点のRBNZ(NZ中銀)の見通しであるマイナス0.3%を下振れました。それを受けて市場ではRBNZは次回10月8日の政策会合で0.50%の利下げを行うとの観測が浮上し、NZドル安が加速。豪ドル/NZドルは18日に一時1.12738NZドルへ上昇して、22年10月以来の高値をつけました。
OIS(翌日物金利スワップ)によると、19日時点で市場が織り込む次回RBNZ会合での利下げ確率は、0.25%幅が8割弱、0.50%幅が2割強です。今週はNZの主要な経済指標の発表はなく、RBNZの利下げ観測が大きく変化する可能性は低いかもしれません。
一方で、市場ではRBA(豪中銀)は次回9月29-30日の政策会合で政策金利を据え置いて、次々回11月3-4日の会合で0.25%利下げするとの見方が有力です。
市場のRBAとRBNZの金融政策見通しの差から考えれば、豪ドル/NZドルは引き続き底堅く推移する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.39500カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は9月17日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定、政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。BOCが利下げしたのは、3月以来4会合ぶりです。マックレム総裁は会合後の会見で、カナダ経済に対するリスクが高まる場合には追加利下げを行う用意があると表明しました。BOCの次回会合は10月29日。OISによると、19日時点で市場が織り込む利下げ確率は約5割です。今週26日発表のカナダの7月GDPの結果を受けて、利下げ観測がどのように変化するか注目です。
仮にBOCによる追加利下げ観測が高まる一方で、8月PCE(個人消費支出)デフレーターなど米経済指標の結果を受けてFRBによる追加利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルは堅調に推移しそうです。
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