【QAあり】オプロ、売上高は前年同期比+30.1%を達成 営業利益は前年同期比+92.7%と大きく増加
INDEX
里見一典氏:株式会社オプロの、2024年11月期通期決算説明会を行います。代表取締役社長の里見です。よろしくお願いします。
本日は、会社概要・事業内容、2024年11月期通期の実績、2025年11月期通期業績見通し、中期経営目標及び成長戦略についてご説明します。
会社概要
会社概要についてご説明します。社名は株式会社オプロ、設立は1997年4月です。代表取締役社長は私、里見一典です。
2024年11月時点で従業員数は104名、資本金は4億8,365万円です。本社は東京都中央区に構えています。事業内容は、法人向けクラウドサービス事業として、データオプティマイズソリューション、セールスマネジメントソリューションを提供しています。
マネジメント体制
マネジメント体制についてご説明します。代表取締役社長は私、里見一典が務めています。常勤取締役は私、カスタマーサクセス本部長の安川貴英、DX推進本部長の吉田順一の3名です。社外取締役は宮澤敏、内田健治、長井利仁です。常勤監査役は澤野敏郎、社外監査役は大塚一郎、澤田静華です。常勤役員が4名、社外役員が5名の体制で行っています。
経営理念
経営理念として「謙虚・誠実・進取」の3つを掲げています。「謙虚」とは人を敬い尊敬することとありますが、当社では相手を認めることと理解しています。「誠実」とは人や仕事に真面目に対応すること、「進取」とは自ら進んで新しいことを取り込むことです。
経営理念
Missionとして「make IT simple」を掲げており、これを実現する製品、サービスを提供しています。「Less is More」「無駄を省くことで、さらにより良いものになる」というポリシーのもと、ソフトウェアの製品開発、サービスの提供を行っています。
事業内容
事業内容についてご説明します。「未だないピースを発明する。」を合言葉に、セールスマネジメントソリューション、データオプティマイズソリューションを提供しています。セールスマネジメントソリューションは、サブスクリプションビジネスに強い販売管理ソリューションです。データオプティマイズソリューションは、帳票ソリューションです。
2軸のソリューションはSaaSで展開
セールスマネジメントソリューション、データオプティマイズソリューションの2つのソリューションは、SaaS(Software as a Service)で展開しています。いずれもサブスクリプション契約を締結し、お客さまにサービスを提供しています。
毎月計上される売上としては、ランニング利用料あるいはサービス導入時に発生する初期費用になります。都度発生する売上としては、帳票開発やコンサルティングなどによる導入・定着化を行うプロフェッショナルサービス売上等になります。
データオプティマイズソリューション
データオプティマイズソリューションについてご説明します。データオプティマイズソリューションは大きく4つの製品で提供しており、アウトプットのソリューションは帳票出力クラウドの「帳票DX」というサービスがメインとなっています。以前は「oproarts」というサービスを提供していましたが、後継品として現在は「帳票DX」を提供しています。
インプットのソリューションとしては、電子申請フォームの「カミレス」、業界特化型タブレット入力の「帳票DX ME」というサービスを展開しています。
帳票出力サービス「帳票DX」:概要
帳票出力サービス「帳票DX」の概要です。「帳票DX」はクラウドサービス、あるいはお客さまがお持ちのシステムのデータを利用し、美しい帳票を出力するサービスです。帳票はPDF、Microsoft Officeの「Word」「Excel」「PowerPoint」などの形式で出力することができます。
特に文字にこだわっており、モリサワのUDフォントを利用できるようになっています。また、帳票を出力するだけでなく、いろいろなサービスと連携する機能も搭載しています。
帳票出力サービス「帳票DX」:詳細 1/2
「帳票DX」の詳細です。帳票とは、見積書や請求書、契約書、管理表、個社特有の申込書など、ビジネスで使用されるあらゆる書類のことをいいます。これらの帳票を自由にデザインして、簡単に出力できることが「帳票DX」というアウトプットのソリューションとなります。
帳票出力サービス「帳票DX」:詳細 2/2
「帳票DX」には「XAデザイナー」というデザインツールが用意されています。PhotoshopやIllustratorなどのドローソフトと似たような操作性で自由にデザインできるのが「XAデザイナー」の特徴です。そのため、Illustratorなどの操作方法をご存じであれば、「XAデザイナー」を使うことへの技術的障壁は低いと思います。
昨年には「帳票AIマッピング」という機能を実装しました。前後の文字を認識し、どこのデータをどこに出力するのかを自動的にマッピングしてくれる機能となります。それにより、技術的に詳しくない方でも、このソフトを使って簡単に帳票がレイアウトできるようになりました。
帳票をアウトプットするだけでなく、さまざまな他社サービスと連携できます。例えば、「CloudSign」や「GMOサイン」などの電子署名と自動的に連携します。連携された後、「Google ドライブ」や「Box」などに保存して、そのURLをSMSで配信します。そのようなことが自動的にできるのが、このサービスの特徴です。
金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」:概要
インプットのソリューション「カミレス」の概要です。金融や行政、公共などの機関をターゲットとしており、さまざまな申請書や申込書を簡単に電子化するソリューションです。単に電子化するだけではなく、それを審査・承認等するワークフロー機能も実装していますので、申請から審査、請求まで一気通貫で対応できます。
金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」:詳細
「カミレス」も簡単にフォームが作成できるように、「フォームAIマッピング」という機能を実装しています。フォームのフォーマットのPDFを読み込むと、AIが自動的に入力フォームを作成してくれるものです。これにより、職員の方が自社内・部門内で自分で申請フォームを作成できるようになりますので、申請や申込みのDX化を進められます。
現場帳票DXサービス「帳票DXモバイルエントリー」:概要
「帳票DX ME」の概要です。帳票ライクな画面をモバイルのデバイスに出力し、従来紙の帳票で運用していたものを簡単に電子化できるというソリューションです。
現場帳票DXサービス「帳票DXモバイルエントリー」:詳細
「帳票DX ME」の特筆すべき点は、インターネットに接続できない環境でも利用できるところです。我々のようなクラウドのサービスは、基本的にネットワークにつなげる必要がありますが、スライドに記載のとおり、現場ではネットワークにつながらない環境も多々あります。
「帳票DX ME」では、インターネットにつながっていなくても、データの入力や写真撮影などができ、ネットワークにつながった段階で登録できる機能を実装しています。こちらの機能は国際特許を取得しています。
セールスマネジメントソリューション
セールスマネジメントソリューションです。基本的には販売管理で、特にサブスクリプションビジネスに強い販売管理です。2つのソリューションを展開しており、1つはソフトウェアなどの無形商材でご利用いただく「ソアスク」です。
もう1つは有形商材でご利用いただく「モノスク」です。HaaS(Hardware as a Service)を提供しているお客さまに使っていただくものです。これらは、「Salesforce」のプラットフォーム上で動作するサービスとなります。
複雑化したサブスクリプションビジネス
サブスクリプションビジネスを2007年から展開していますので、サブスクリプションの課金モデルや管理方法について一定のノウハウを持っています。そのようなものを入れ込んだのがこのサービスとなります。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」:概要
「ソアスク」の概要です。無形商材のサブスクリプションの場合は、従量課金やID課金、ファイル容量、データ容量にもさまざまなプライシングがあります。それらにしっかり対応できる点が「ソアスク」の特徴の1つです。
見積や請求だけでなく、契約そのものをしっかり管理することにより、お客さまの状況をしっかり把握し、カスタマーサクセスに活かしていけます。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」:詳細 1/2
「ソアスク」は「Salesforce」のプラットフォーム上で動いていますので、「Salesforce」と連携することによりCRMと販売管理が連携できる強みを持っています。サービス導入に至った商談の背景から、導入後の契約管理まで一気通貫で管理できます。お客さまの利用を促進するカスタマーサクセス活動に活かし、お客さまとの長いお付き合いに結びつくような機能が搭載されています。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」:詳細 2/2
「ソアスク」は「Salesforce」のプラットフォームを使用していますので、「Salesforce」のAI機能を利用できます。それにより、状況に応じてシステムがサジェスチョンを提示する「AIタイムライン」という機能を実装しています。
有形商材のサブスクビジネス管理サービス「モノスク」:概要
「モノスク」の概要です。有形商材のサブスクリプションビジネスですので、「ソアスク」にはない、在庫状況や設置情報、メンテナンスなどの管理機能が実装されています。
有形商材のサブスクビジネス管理サービス「モノスク」:詳細
有形商材のサブスクリプションビジネスでは、現場でのメンテナンスがありますので、モバイル端末などの対応により、お客さまに寄り添えるような機能も実装しています。
ハイライト
2024年11月期通期の実績についてご説明します。まずはハイライトです。売上高は21億円、営業利益は2億1,000万円となりました。
ARRは前年同期比25.7パーセント増と成長し、18億9,000万円となりました。昨年度と比べて落ちたように見えますが、後ほど説明します。契約社数も順調に増えており、前年同期末比15.8パーセント増の1,403社となっています。
ARPUも順調に増えており、前年同期末比8.6パーセント増の134万円となっています。当社では、社員数が500名以上の企業をエンタープライズ領域と呼び、これからターゲットとしていきます。エンタープライズ領域の顧客数は、前期末比32社増の339社となっています。
また、我々が一番の目標にしている「Rule of 40%(ルール・オブ・フォーティ)」を達成することができました。
主要KPI
主要KPIについてご説明します。ARRは18億9,000万円、ARR成長率は25.7パーセントとなりました。契約社数は1,403社、ARPUは134万円です。月次解約率は0.47パーセント、従業員数は104名となっています。
業績サマリー
業績サマリーについてご説明します。売上高は前年同期比で30.1パーセント増、4億8,600万円増の21億円となり、計画に対して僅かながら届きませんでした。
主な要因としては、プロフェッショナルサービスの売上が計画に満たなかったことです。特に、帳票作成サービスが予定より取れませんでした。こちらですが、製品のエンハンスは順調に進んでおり、機能アップが随時行われています。
特にAI機能を実装していますので、お客さま内での内製化が進んだことが背景にあります。そのような要因から、我々への依頼が減ったことが大きな理由となります。
営業利益は、前期比の増減額が1億300万円、増減率は92.7パーセント、計画比116.4パーセントを達成することができました。経常利益については、前期比の増減額は1億円、増減率は91.7パーセント、計画比114.5パーセントとなりました。
当期純利益は、前期比の増減額が5,500万円、増減率は57.4パーセント、計画比124.5パーセントとなりました。
売上高(四半期推移)
売上高は順調に成長している中、特にストック売上比率が高い水準を維持しています。今期の比率は87.9パーセントとなっています。主な要因はライセンスの売上増ですが、プロフェッショナルサービスの売上が若干落ちたことも関係しています。
ARR(四半期推移)
ARRについてご説明します。前年同期比25.7パーセント増の18億9,000万円となりました。2022年11月期から2023年11月期は約44パーセント増でしたので、成長率が減少したように見えます。主な要因は、前期第4四半期の11月に受注した公共の大型案件です。ARRは約1億円で、月按分で売上計上したことが年度をまたいでしっかりと効きました。
その結果、今期は大きく成長できたのですが、残念ながら前期と比べた場合、どうしてもARR成長率が低く見えてしまいます。なお、5年間平均のARR成長率は30パーセント以上です。特に、直近2年間の成長率は35パーセントですので、非常に順調な成長だと考えています。
契約社数及びARPU(四半期推移)
ARPUも順調に伸びています。契約社数は1,403社、前年同期比15.8パーセントの伸びです。第4四半期のARPUは134万7,000円となっています。
セールスマネジメントソリューション契約社数及びARPU(四半期推移)
ソリューション別にご説明します。セールスマネジメントソリューションの契約社数は150社となりました。ARPUも順調に伸びており、328万6,000円です。お客さまのID数も増加していますので、このような成長となっています。今後とも、ID数はお客さまの成長に伴い増えていきますので、ARPUも順調に伸びていくと考えています。
データオプティマイズソリューション契約社数及びARPU(四半期推移)
データオプティマイズソリューションの契約社数は1,380社となりました。ARPUはセールスマネジメントソリューションに比べて低く、101万2,000円です。背景には、過去に販売していたARPU約5万円のサービス「oproarts」のお客さまが非常に多いことがあります。
OEMで安価なサービスを提供しているお客さまも社数に含めますので、ARPUはセールスマネジメントソリューションに比べて低くなります。ただし「帳票DX」はARPU100万円以上のお客さまを中心に展開していますので、今後は徐々にこちらのほうが伸びていくと考えています。
月次解約率(四半期推移)
月次解約率は、低位安定の0.47パーセントで推移しています。今後も、しっかりとカスタマーサクセス活動を続け、月次解約率は低い状態で抑えていきたいと考えています。
営業費用(四半期推移)
営業費用です。成長コストの増加に伴い、営業費用も引き続き増加傾向です。着実な成長に伴うコストですので問題視せず、成長コストをしっかりと使いながら、トップラインを伸ばしていきたいと考えています。
IPO後の第3四半期は、IPO費用、イベント出展等による広告宣伝・販売促進費が増加しました。第4四半期には、公共向けのいわゆるセキュリティ関係の審査に当たるISMAP取得を目指す活動を始めています。取得までの期間は約1年、取得までにかかる金額は8,000万円ぐらいです。今期は2,000万円強を使っており、来期には残る6,000万円を使うこととなります。
営業利益の増減要因
営業利益の増減要因についてご説明します。原価率の高い大型案件の受注により、原価率も上昇しています。積極的な採用を続けていますので、売上に応じたかたちで人件費が増加しています。広告宣伝・販促費も同様に増加しています。
その他販管費及び一般管理費は若干低く収まっており、前期比14.3パーセント増です。正直にお伝えすると、計画段階で非常に保守的に見ていたことがあります。想定よりも費用を使わなかったため、このアップ率に収まった結果、しっかりとした営業利益が出せました。
従業員の構成
従業員構成です。十数年前から新卒の採用活動を行い、社員の半分以上を新卒で固めています。各部門の構成は、約3分の1ずつの割合です。
従業員数(期末推移)
今期末時点の従業員数は104名となっています。離職率の低さが当社の特徴であり、離職率は10パーセント未満となっています。特に、今期の離職者は3名でした。IPOも行い、会社に勢いがついていますので、このような結果になりました。
貸借対照表
貸借対照表です。流動資産は、グロース市場にIPOして公募増資を行った結果、現預金が大幅に増加しています。固定資産について、製品のエンハンスをしっかりと行っています。製品のエンハンス分は基本的に固定資産に含み、5年間で減価償却します。
負債についてです。流動負債がかなり増加している要因として、年間一括契約で代価を受け取りますが、売上高への計上は月次按分であることがあります。按分が終わるまでの間に契約負債という項目が流動負債の中に入ってきますので、我々が成長すればするほど、どうしても契約負債が増えます。これは、正しい増え方、かつ非常に良いかたちの増え方になっているのではないかと思っています。
純資産では、いわゆる公募増資により資本金が大幅に増加しました。当期純利益の計上による繰越利益剰余金も増加したことにより、現在の純資産は10億8,000万円です。結果、自己資本比率が47パーセントとなりました。
業績見通し
2025年11月期通期業績見通しについてご説明します。2024年11月期と比べ、2025年11月期は4億8,000万円の売上増、増減率22.8パーセントを見込んでいます。営業利益、経常利益、当期純利益に大きな増減は見込んでいません。
「昨年の伸びと比べて低いじゃないか」と思われるかもしれませんが、残念ながら2024年11月期は公共の大型案件が取れませんでした。その結果、このような増減率となっています。
仮に、2023年11月期第4四半期に公共の大型案件が取れていなければ、成長率は30パーセントとなり、決して低いとは思いません。ただし高いとも思っていないため、大型案件を取るために努力していこうと思っています。この努力が、この後でご説明するISMAP取得につながっていきます。
中期経営目標
中期経営目標と成長戦略についてご説明します。2024年11月期は目標を達成できました。2025年11月期は投資の年度だと考えています。2026年11月期から、しっかりと「Rule of 40%」を達成できる体制を本年度に作っていこうと考えています。
中期経営目標(ARR)
中期経営目標の1つとして、ARRを非常に大事に考えています。平均成長率30パーセント以上を達成すれば、2032年11月期には100億円を達成できると考えていますので、これを目標に進めていこうと思っています。
3つの成長戦略
中期経営目標達成のため、3つの成長戦略を考えています。1つ目は、エンタープライズ市場の開拓です。今もがんばっていますが、さらに強化していきたいと考えています。
2つ目は、エンタープライズ市場の開拓のためにも、人材領域で人の採用をしっかりと行っていきます。3つ目は、エンタープライズ市場にも攻め込んでいきますが、一方で収益基盤の多様化を図り、しっかりとした利益を出していきます。
エンタープライズ市場の開拓
エンタープライズ市場の開拓では、エンタープライズ企業の売上比率を高めていきたいと思っています。そのため、導入コンサルティングの強化を考えています。特に社員数が500名から3,000名のエンタープライズ企業に寄り添えるよう、我々の製品をいかにお客さまの使い方にマッチさせていくかという「Fit to Standard」を我々自らがコンサルティングして提供します。
これにより、お客さまの要望をいち早く捉えるとともに、お客さまに対してしっかりと素早くローンチできるような体制を築いていこうと考えています。また、超大手のエンタープライズ企業を対応するコンサルティングパートナーとパートナーシップを結んで、関係を強化していこうと思っています。
エンタープライズ企業向け製品のエンハンスの開発ができる体制も整えていきます。さらに、信用力の向上を目的としたIR活動も考えています。
エンタープライズ顧客
エンタープライズ企業を狙う理由について、数値の観点からご説明します。ARPUは、全体平均は134万7,000円ですが、エンタープライズ企業に限ると333万4,000円になります。これは、全体平均の2.5倍に当たります。
ARRについても、エンタープライズ企業では2023年11月期が8億8,400万円、2024年11月期は11億3,000万円となっています。2024年11月期は、2023年11月期に受注した公共の大型案件がしっかりと効いています。
現在、エンタープライズ企業に当たる顧客数は339社です。エンタープライズ企業のARPUは333万4,000円となっており、数値的に大きいことが明白ですので、しっかりと取っていくとことが大事な課題だと考えています。
人材領域
人材領域において、開発人員やコンサルティング人員の増員などをしっかりと行うことによって、お客さまにしっかりとしたサービスを提供できる体制を作ることが非常に大事です。
従業員数増員計画
2028年11月期頃には、従業員数200名規模の会社に成長させることで、しっかりとお客さまに寄り添った提案を行っていきたいと考えています。
収益基盤の多様化
収益基盤の多様化については、新しいサービス「帳票DX for SmartHR」「帳票DX for SAP」を投入しています。どちらも、エンタープライズのお客さまをターゲットにしたソリューションです。
ARPUには決して良い材料ではないのですが、OEM提供先も増やしています。「HubSpot」というソリューションに対し、「RepoEasy」というサービスをローンチしました。「RepoEasy」は、Scalehack社と100社の共同開発によるものです。我々が販売するソリューションではなく、Scalehack社経由で販売していきます。
弁護士ドットコム社が提供する「CloudSign」のサービスの中の1つである「クラウドサイン Sales Automation」にも、我々のサービスをOEMで組み込ませていただいています。
収益基盤の多様化|自社製品のプラットフォーム拡張
「帳票DX for SmartHR」についてご説明します。SmartHR社は、まだIPOはできていませんが、日本を代表する非常に大きなユニコーン企業です。こちらとパートナーシップを結び、特にエンタープライズ企業向けに「SmartHR」で人事系・労務系の帳票を出力できるソリューションを提供しています。
これは、今までの「帳票DX」と同じようなデリバリーではなく、デザイナーソフトはありません。基本的に「就労証明書パック」や「基本証明書パック」のようにパック化されていて、お客さまはインストールして使うだけという、非常に導入しやすく使いやすいサービスとなっています。
収益基盤の多様化|自社製品のプラットフォーム拡張
「帳票DX for SAP」についてご説明します。SAP社は、非常にクラウド化に力を入れています。最近では「SAP S/4HANA Cloud」を提案しています。同社は、もともと「2025年までにすべてをクラウド化する」と宣言していましたが、お客さまがついてこられず、現在は「2027年までにすべてをクラウド化する」が目標となっています。
SAP社では、我々のようなソリューションと連携するために「BTP(Business Technology Platform)」というサービスを用意しています。「BTP」と我々のサービスが連携することで、「SAP S/4HANA Cloud」と簡単に帳票を出力できるサービスとなっています。
最初にローンチしたのは、SAP社が提供する「SAP SuccessFactors」という人事系のソリューションです。グローバルの組織で使われており、特にタレントマネジメントにおいて、それぞれの人事リストを横串で見ながら、新しい組織の人員を考えるなどの目的で使われるサービスとなっています。
それ以外のSAP社のアプリケーションとも連携を図っています。SAP社とのパートナーシップに基づき、いろいろな提案先が増えてきています。今年は、「帳票DX for SAP」をしっかり立ち上げていきたいと考えています。
収益基盤の多様化|OEM提供による提供価値の拡大
「RepoEasy」はOEM提供ですので、我々は販売せず、Scalehack社が販売します。CRMの「HubSpot」は、最近非常に勢いがあるマーケティングオートメーションツールで、ここから帳票を出力したいというニーズがあります。
残念ながら、我々は「HubSpot」の知見はありませんが、帳票アウトプットのノウハウはナンバーワンと自負しています。Scalehack社及び100社にも知見を認めていただき、3社共同開発で「RepoEasy」をローンチしました。今後、Scalehack社をサポートし、「RepoEasy」を広めていきたいと考えています。
収益基盤の多様化|OEM提供による提供価値の拡大
弁護士ドットコム社提供の「CloudSign」は、電子署名のソリューションです。こちらをアプリケーションとして提供するのが「クラウドサイン Sales Automation」で、特に介護業務のお客さまに提供されているサービスです。
非常に順調に伸びており、弁護士ドットコム社はOEM先の中で現在ナンバーワンの会社となっています。
上場時調達資金の使途
上場時の調達資金の使い道について、あらためてご説明します。2024年11月期は、広告宣伝費及び販売促進費、特にISMAP取得などに使用しています。2025年11月期は、ISMAP取得を含めた広告宣伝費及び販売促進費、その他人件費を含めた2億6,000万円の投資を考えています。
2026年11月期には、合計4億7,800万円の投資を考えています。今回、IPOでいただいた増資を十分に投資に使うことにより、しっかりと成長していきたいと考えています。
質疑応答:決算発表時間の理由について
「決算発表が15時の理由は何ですか? 株式市場の取引時間内に発表すると、内容を精査しないまま売買されてマネーゲームになります。決算で2回連続で良くなくなったように思いますので、今後の決算発表は15時30分以降にしませんか?」というご質問です。
検討しますが、東京証券取引所からの通達により、立会時間中か否かにかかわらず、上場会社が決定した場合に速やかに開示することが求められています。適時かつ適切に開示します。
質疑応答:株式分割の検討について
「発行株数と株価の単価のバランスが悪いのか、売り板と買い板の間に常に数パーセントの開きがあり、他社と比べて株が買いにくいです。株式分割して株式の単価を下げ、投資家に取引しやすい環境を作っていただけると助かります。ご検討いただけますでしょうか?」というご質問です。
株式分割につきましては、今後の当社株主の関わる戦略の1つとして調査します。
質疑応答:「Rule of 40%」について
「『Rule of 40%』を打ち出していましたが、必ずしもコミットできるラインではないという理解でよいでしょうか?」というご質問です。
必ずコミットできるというものではありませんが、非常に大事な目標だと思っています。達成について最大限に努力します。
質疑応答:ISMAP取得のための先行投資について
「以前、ISMAPを取得するため、2024年11月期で先行投資するとのご説明がありましたが、2025年11月期も引き続き投資は継続するのでしょうか? ISMAPの取得には2024年11月期、2025年11月期それぞれで、どの程度予算をつけているの教えてください。また、取得することで具体的にどのような効果が見込めるのでしょうか? 2025年11月期中に取得できた場合には、すぐに収益を期待できるのか教えてください」というご質問です。
2024年11月期は約3,000万円、2025年11月期は約5,000万円を予算として見込んでいます。ISMAPの登録がない場合、公共の入札に参加できないケースが増えてきました。大型のディール、大型の公共案件はほぼISMAPです。したがって、必要な投資であると考えています。
2025年11月期中に登録を見込んでいますが、公共案件の受注までには時間がかかることがほとんどです。早く収益化できるように努めていきます。
質疑応答:エンタープライズ企業における契約に要する期間について
「エンタープライズ企業は、スモール企業よりも契約に時間がかかると思いますが、商談にはどの程度の期間を要することが多いのでしょうか?」というご質問です。
ご理解いただいているとおり案件によりますが、だいたい半年から1年半と思っていただければと思います。
質疑応答:サブスクビジネスの管理における、競合優位性について
「サブスクビジネスの管理において、同業他社よりも優れている点は何でしょうか? オプロの競合優位性について教えてください」というご質問です。
まずソアスクですが、当社は2007年からサブスクビジネスを提供しており、サブスクの契約管理、価格管理、見積管理など、あらゆる管理ができることが強みとなっています。従量課金やID課金にも対応でき、期の途中での締め関係にもノウハウを持っていますので、そのあたりが評価されていると考えています。
我々自身が「ソアスク」のユーザーでもあり、このサービスを使って成長してきました。そのような実績もお客さまから高く評価いただいていると思っています。
また製造業は、今後HaaSに向かっていくと思います。物のサブスクリプション管理である「モノスク」は、単に高いハードウェアをリースと同じようなかたちで提供するのではなく、利用した回数で課金するというノウハウがあります。
例えば、使った分をどのように計算するかについてはIoTが絡んできます。IoTの情報を「AWS」等のサーバーに上げ、そちらと「モノスク」が連携して課金します。このようなモデルは、現時点で当社が一番強いと認識しています。このあたりを積極的に製造業のお客さまに提案していきます。
質疑応答:先行投資について
「先行投資は2025年11月期までと信じてよいでしょうか?」というご質問です。
ISMAP取得活動のような大きな投資は今年度に行いますが、基本的にあらゆる人材の投資等を含め投資は継続します。したがって、2026年11月期以降は「Rule of 40%」を継続的に出せるよう努力していきたいと考えています。
質疑応答:上場直後の予想未達について
「上場直後に、予想未達で着地したのは投資家の信頼を失うと思います。もともと、わかっていたのではないでしょうか?」というご質問です。
投資家のみなさまの信頼を失ったのは、本当に申し訳ないと思っています。ただ、帳票開発、いわゆるプロフェッショナルサービスの売上が落ちたのは事実ですが、ライセンスの売上については引き続き堅調に推移しています。投資家のみなさまには、大事な指標であるARRの伸びを見ていただきたいと考えています。
質疑応答:上半期の投資予定について
「ISMAP取得費や採用費など、年間を通して平均的に投資する予定でしょうか? 上半期の投資予定の見通しを教えてください」というご質問です。
ISMAP取得については上半期の投資予定ですが、採用費を含む人件費は年間を通して平均的な投資をする予定です。
質疑応答:Salesforce社との関係について
「以前の説明会で、Salesforce社との良好な関係を築くとおっしゃっていました。今後も、良好な関係を担保できる何かがあるのでしょうか? 貴社と組むことによる、Salesforce社のメリットを教えてください」とのご質問です。
当社の「カミレス」「ソアスク」「モノスク」は、「Saleforce」のプラットフォーム上で稼働しています。ここにレベニューシェアがあるため、Salesforce社とはかなり深い関係が築かれており、現在も継続しています。
Salesforce社自身が自社サービスの定着のために、我々のサービスを提案するという環境が出来上がっています。したがって、Salesforce社とは引き続き強いパートナーシップが続いていくと考えています。
質疑応答:プロフェッショナルサービスについて
「プロフェッショナルサービスは何のことでしょうか?」というご質問です。
プロフェッショナルサービスとは、当社で帳票開発と呼んでいるお客さまの帳票をデザインするサービス、あるいは非常に複雑な帳票を我々が作成するサービス、または「ソアスク」「モノスク」を導入する際のコンサルティングサービスといった、フロー売上として計上するものです。
今回、プロフェッショナルサービスの中でも、特に帳票開発の売上計画が届かなかったことが、投資家のみなさまにとって残念な結果と思わせてしまったと考えています。
質疑応答:具体的な数字開示について
「今回の資料に添付されているのは中期経営計画でしょうか? 具体的な数字を挙げたものをあらためて開示する予定はないのでしょうか?」というご質問です。
中期経営計画をもとに記載しました。具体的な数字の開示については検討します。
質疑応答:競合他社について
「競合他社はどこでしょうか? 投資する上で、他社とパフォーマンスを比較したいです。規模は違いますがテラスカイ社でしょうか?」
テラスカイ社は、我々のサービスを導入するパートナーになります。我々の競合となるのは、例えば帳票のアウトプットだけでいうとウイングアーク1st社です。それ以外では、どちらかというとオープンテキストや外資系ツールが競合となるケースもあります。
質疑応答:大型案件の見込みについて
「現在、前期のような大型案件の商談はあるのでしょうか? ISMAP取得後のイメージでしょうか?」というご質問です。
進行している商談はありますが、詳細は現段階ではお伝えできないため、ご説明は控えます。
質疑応答:エンタープライズ企業のARPUについて
「エンタープライズ企業のARPUは333万4,000円とのことでしたが、これは高い数字なのでしょうか?」というご質問です。
当社の全契約のARPUが約130万円ですので、それと比較すると極めて高いと考えています。
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