M7がトータルリターンの53%占める (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信元:株探
投稿:2025/01/23 11:40
●主なポイント
○12月の株式市場は、第1週こそ大統領選挙後のラリーの継続と力強い資金流入を背景に、4回にわたり終値での最高値を更新しましたが、結局S&P500指数 は2.50%下落して月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス2.38%)。11月は5.73%上昇(同プラス5.87%)、10月は0.99%下落(同マイナス0.91%)、9月は2.02%上昇(同プラス2.14%)、8月は2.28%上昇(同プラス2.43%)、7月は辛うじて1.13%上昇(同プラス1.22%)、6月と5月はそれぞれ3.47%上昇(同プラス3.59%)、4.80%上昇(同プラス4.96%)と、力強い上昇を見せていました。2024年第4四半期は2.07%上昇(同プラス2.41%)、2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)しました。
⇒12月はマグニフィセント・セブン のパフォーマンスがS&P500指数に極めて大きな影響を及ぼしました。指数の12月騰落率がマイナスだったにもかかわらず、これら7銘柄は全体で上昇しました。具体的には、12月のS&P500指数のトータルリターンはマイナス2.38%でしたが、マグニフィセント・セブンを除くと、リターンはマイナス3.49%となっていたはずです。また、11月5日の大統領選挙後の指数のトータルリターンはプラス1.95%でしたが、7銘柄を除くと、マイナス0.35%となります。2024年通年の指数のリターンに占める7銘柄の割合は53.1%となり、7銘柄を除く、トータルリターンはプラス25.02%からプラス11.75%に低下します。
○12月の主なデータ
⇒12月に入ってもS&P500指数が最高値を更新する流れは続きました(12月の更新回数は4回)が、こうした月初めの上昇基調は金利に対する警戒感によって中断されました(現時点での市場関係者の2025年の予想利下げ回数は従来の4回から2回に低下)。通常の資産配分の見直しの影響もあり、12月にS&P500指数は2.50%下落しました。11月は全面高の展開で5.73%上昇、10月は0.99%下落、それ以前は5ヵ月連続で指数は上昇していました。具体的には、9月が2.02%、8月が2.28%、7月が1.13%、6月が3.47%、5月が4.80%上昇でした。12月は21営業日のうち9営業日で上昇し(11月は20営業日のうち15営業日で上昇)、値上がり銘柄数が減少し、値下がり銘柄数を大幅に下回りました。値上がり銘柄数が54銘柄であったのに対し、値下がり銘柄数は449銘柄となりました。11月は値上がり銘柄数が385銘柄であったのに対し、値下がり銘柄数は118銘柄でした。10月は値上がり銘柄数が199銘柄であったのに対し、値下がり銘柄数は304銘柄でした。12月の出来高は前月比1%減、前年同月比では2%増となりました。
→12月は11セクターのうち3セクターが上昇しました。11月は11セクター全てが上昇し、10月は3セクターが上昇しました。12月のパフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスで3.49%上昇しました(2024年は38.89%上昇、2021年末比では27.73%上昇)。パフォーマンスが最低だったのは素材で、10.91%下落しました(同1.83%下落、同7.00%下落)。
⇒S&P500指数は12月に2.50%下落(配当込みのトータルリターンはマイナス2.38%)して、5881.63で月を終えました。11月は5.73%上昇(同プラス5.87%)して6032.38、10月は0.99%下落(同マイナス0.91%)して5705.45でした。2024年第4四半期の3ヵ月間では2.07%上昇(同プラス2.41%)、2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)となりました。2023年通年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
→12月のS&P500指数は、11月の終値を割り込むことなくスタートし、第1週に最高値を4回更新しました(取引時間中の最高値は6099.97、終値最高値は6090.27)。11月は6回最高値を更新(いずれも11月5日の大統領選挙後)、10月は4回、9月は5回、8月は0回、7月は7回、6月も7回過去最高値を更新しました(5月は2回、4月は0回、3月は8回、2月は8回、1月は6回)。年初来での最高値更新回数は57回となりました。2023年は0回、2022年は1回、2021年は70回でした(過去最高は1995年の77回)。
→コロナ危機前に付けた2020年2月19日の高値からは73.70%上昇(同プラス87.50%)となっています。
○米国10年国債利回りは11月末の4.18%から4.58%に上昇して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは11月末の4.36%から4.78%に上昇して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは11月末の1ポンド=1.2731ドルから1.2520ドルに下落し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは11月末の1ユーロ=1.0574ドルから1.0360ドルに下落しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円(対米ドル)は11月末の1ドル=149.66円から157.32円に下落し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は11月末の1ドル=7.2428元から7.2979元に下落しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○12月末の原油価格は4.6%上昇し、11月末の1バレル=68.61ドルから同71.75ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は12月に1.2%下落し、1ガロン=3.128ドルとなりました(11月末は3.166ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は48.2%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は34.2%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
⇒2024年11月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、56%が原油、19%が販売・マーケティング費、9%が精製コスト、17%が税金となっています。
○金価格は11月末の1トロイオンス=2682.70ドルから下落し、2638.40ドルで12月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は11月末の13.51から17.42に上昇して12月を終えました。月中の最高は28.32、最低は12.70でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。
⇒同指数の2024年の最高は75.73、最低は10.62でした。
⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。
⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。
○目標株価は引き続き上昇しています。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年11月末時点から13ヵ月連続で上昇し、現在値から14.1%上昇の6709となっています(11月末時点では9.0%上昇の6576、10月末時点では6394)。それ以前の目標値は、9カ月連続の低下から11カ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2カ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3カ月連続の上昇から2カ月連続の低下を経て、11月まで13カ月連続して上昇し、12月末時点では現在値から13.0%上昇の4万8092ドルとなっています(11月末時点では5.0%上昇の4万7165ドル、10月末時点では4万5704ドル)。
※「M7がトータルリターンの53%占める (3)」へ続く
株探ニュース
最新人気記事
新着ニュース
新着ニュース一覧-
-
今日 13:54
-
今日 13:54
-
今日 13:52
注目!みんかぶ企業分析
みんかぶおすすめ
\ 投資・お金について学ぶ入門サイト /