セントラル総合開発、竣工・引渡の下期偏重により売上高は業績予想を下回るも各利益段階では上回りおおむね順調に進捗
目次
田中洋一氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の田中です。お忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。また、Web参加のみなさまもありがとうございます。
それではスライドの目次に沿ってご説明します。
2025年3月期中間期 連結損益計算書概要
2025年3月期の中間期決算概要をご説明します。売上高が56億1,800万円、営業損失10億5,300万円、経常損失が13億200万円、親会社株主に帰属する当期純損失が9億1,800万円となりました。
後ほどご説明しますが、下期に竣工・引渡が偏っている関係で、残念ながら中間期はこのような数字になっています。
なお、スライド右側に期初の業績予想との差異を掲載しています。売上高は約7億円ほど下回ったものの、各利益段階では、期ずれの関係も多少あるもののプラスとなっており、おおむね順調です。
当社の収益構造
当社の収益構造です。スライドに示すとおり、今年度はいつもより下期に偏重した竣工・引渡となっています。お客さまに引き渡して初めて売上が計上されるため、先ほどの中間決算概要と合わせても、第3四半期も厳しいことが予想されます。
当社の長期経営計画「PLAN2030」では、このような下期偏重をできるだけ平準化することを目標に掲げていましたが、やはり昨今の建築費のコスト増や工期が伸びてきたことにより、今年度はなかなかそれが奏功していない状況です。
建築費増がなぜ期間に影響するかというと、とにかくコストを合わせるために、建設会社とのネゴシエーションやVE(バリューエンジニアリング)などを進めているのですが、それに時間がかかっているという側面もあります。
2025年3月期中間期 セグメント別損益概要
セグメント別の損益概要です。不動産販売事業については先ほどご説明したとおりです。
不動産賃貸・管理事業については売上高・セグメント利益とも前期比で微増しました。その他事業については保険がほとんどで、個別要因によるところはあるものの横ばいとなっています。
2025年3月期中間期 連結貸借対照表概要
バランスシートです。資産合計が前期比74億円ほど増加している中で、流動資産の不動産事業支出金も前期比70億円ほど増加しています。これも先ほどの収益構造のスライドにあったとおり、第4四半期で回収する投資が今、あるいは第3四半期に溜まってピークになっている状況のため、増加しています。
また固定資産の増加は、ここ数年取り組んでいる賃貸マンション建設が進捗していることによるものです。
2025年3月期中間期 連結キャッシュフロー計算書概要
連結キャッシュフロー計算書です。スライドに記載のとおり、資産増を主因とした営業活動によるキャッシュフローに対し、財務活動によるキャッシュフロー(銀行からの借入金)で賄っているといった状況です。
2025年3月期 連結損益及びセグメント別損益 予想概要
2025年3月期の連結損益およびセグメント別の損益予想です。2024年5月10日に公表した予想では、売上高は前期比で増収、営業利益は若干の減益を見込んでいます。現在達成に向けて取り組んでおり、予想の変更はございません。
なお、配当も据え置きの18円を予定しています。
2025年3月期竣工物件(予定)
スライドは今年度に竣工予定の物件一覧です。合計16物件、総戸数は749戸、持分戸数が707戸です。戸数ベースでは首都圏が15パーセント、地方圏が85パーセントとなっています。不動産賃貸事業については、大阪市と鹿児島市で合計2物件が竣工する予定です。
スライドの表に記載のとおり、初進出が越谷市、上尾市、米子市の3ヶ所となっています。またZEH-M Orientedや低炭素建築物の案件がちらほら出てきているのが今年度の特徴です。
クレアシリーズへの『ZEH-M Oriented』採用拡大
ZEH-M Orientedの物件についてご紹介します。スライドは九電工とのJV(ジョイントベンチャー)の「クレアネクスト尾ノ上レジデンス」という熊本のマンションで、まさにZEH-M Orientedを代表する物件となっています。
なお、「クレアネクスト」とは当社の「クレアホームズ」と九電工の「Make Next」という会社の標語を合わせて作ったブランドです。
こちらは総戸数79戸ですが、ZEH-M Orientedに加えて低炭素建築物認定、免震構造、オール電化と最新の設備を擁している物件です。今後もこのような物件を進めていきたいと考えています。
2026年3月期竣工物件(予定)
スライドは来年度2025年度の竣工予定の物件一覧です。予定としては合計18物件、総戸数864戸、そのうち持分戸数が845戸です。戸数ベースでは首都圏が16パーセント、地方圏が84パーセントで、首都圏・地方圏の割合は今年度と大きく変わっていません。初進出が春日部市、浜松市、掛川市、松江市と4ヶ所あります。
また後ほど触れますが、コンパクト物件も4物件あります。イメージとしてはだいたい35平方メートルから50平方メートルぐらいで、1人世帯や2人世帯のお客さまをターゲットとした商品です。
近年1世帯あたりの人数が減ってきているため、3LDKというかたちではなく、お1人さま、お2人さま用という物件が地方でもかなり認知されてきています。当社もこのような物件にも取り組んでいます。
また、大きな特徴として18物件のうち13物件がZEH-M Orientedあるいは低炭素建築物のいずれか、もしくは両方を取り入れています。現在当社ではこのような物件に力を入れています。
『ZEH-M Oriented・低炭素建築物』
カーボンニュートラルの社会に向けて企業として努力していくという部分もありますが、もう一つ、お客様にとっても実利があります。このZEH-M Orientedと低炭素建築物の認定を取ると、スライド下部の表の黄色で示すとおり、今年は住宅ローン控除が4,500万円、子育て世代に認定されていると5,000万円までになります。
また、この12月の方針でどうなるかというところはありますが、令和7年も4,500万円までと、住宅ローン控除の枠がかなり拡大されます。
また一部対応していない金融機関もありますが、多くの金融機関ではZEHなどを設定していると金利が安くなります。今価格が高くなっていることで、今後金利が上がっていく予想に対し、このようなローン控除がフルで使えるなど、金利が安くなるといったことをしっかり設けていかないと、取り残されるという危機感もあります。
このようなところに力を入れているため、先ほどお話ししたとおり、来年度の物件数でもZEH-M Orientedや低炭素建築物が増えてきています。
商品企画・ラインナップ展開
スライドは商品企画とラインナップの展開のグラフです。スライド左側の棒グラフは国土交通省が出されている「建築着工統計調査」に基づいたもので、赤が分譲住宅、青が賃貸住宅(全国、非木造、民間)です。
わかりやすいところで言うと、71平方メートルから100平方メートルが「一般的なマンション」と言われる平米数ですが、ここは今は明らかに分譲のほうが多くなっています。
ただし昨今のトレンドとしては、お1人さま、お2人さま世帯が増えていく中で、「一生賃貸でいい」という方もいれば、「やはり分譲がいい」という方もいます。そこそこの面積帯では今は貸家のほうが多い状況ですが、今後は分譲の需要が増えて顕在化してくるかと考えています。
逆に最近では賃貸の3LDKが減っているということもあり、需給バランスが需要勝ちしていると言われています。それはなかなか分譲までは手が届かないお客さまが当面賃貸でいいという層が増えてきているものと考えられます。
そのため、この71平方メートルから100平方メートルを境に、拮抗している状態になってくると考えています。
それに対して当社では、分譲マンションは従来の50平方メートルから100平方メートル超で2LDKから4LDKである「クレアホームズ」のラインナップを維持したまま、新ブランドとして展開している「クレアホームズフラン」があります。これは1LDKから2LDKで、面積は30平方メートルから50平方メートル台です。
また先ほど申し上げた賃貸マンションについては、20平方メートルから40平方メートル台の1R、1K、1LDKというラインナップをそろえ、自社競合しないように分譲で勝負していきたいと考えています。ただし時代によって変遷するため、柔軟に対応していきたいと考えています。
さらに、スライド右下にあるように、面積によるラインナップに加えて、首都圏や地方中堅都心圏などの立地区別、あるいは中心部や住宅地などのエリア特性、ターゲット特性など、さまざまな特性があります。このようなものとの掛け算で、よりきめ細やかに用地選定や商品企画を行っていかなければいけないと考えています。
2025年3月期竣工物件(予定)
ここからは物件をご紹介します。スライドは今年度3月竣工予定の「クレアホームズ北上尾」です。これはZEH-M Orientedと低炭素建築物を掛け合わせています。
都心では、駐車場がいらないと言われていますが、地方案件では駐車場は100パーセント、あるいは100パーセント以上必要になります。
このような首都圏近郊物件では、やはり駐車場はある程度必要であり、そのようなこともノウハウの1つとして考えていきたいと思っています。
2026年3月期竣工物件(予定)
スライドは来年度に竣工する「クレアホームズ掛川」です。掛川は、その駅自体では毎年マンションができるような需要はないと思いますが、一定のお客さんが溜まっている場合は、丹念に立地を選定していくという1つの事例となっています。
2026年3月期竣工物件(予定)
スライドは来年度竣工予定の「クレアホームズ松江大橋」です。「松江にマンションができるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、宍道湖ビューの抜群の立地を活かすには、やはりマンションが映えてくるということで、順調に推移しています。こちらもZEH-M Orientedと低炭素建築物となっています。
2026年3月期竣工物件(予定)
コンパクト事例のご紹介です。これも来度竣工予定の「クレアホームズフラン天王寺駅前」です。大阪の天王寺駅から徒歩3分です。最大53平方メートルで作っているものの、「クレアホームズフラン」としてコンパクトに特化したマンションです。
このような案件も大阪、東京のみならず、地方でも増えていくと考えられます。
2025年3月期竣工物件(予定)
賃貸案件を2つほどご紹介しています。スライド左側の「クレアグレイス鴨池」(鹿児島市)は30平方メートル前後、スライド右側の「クレアグレイス岸里」(大阪市)は、22平方メートル前後です。
コンセプトとしては、分譲マンションの会社が作る賃貸マンションということで、スライドのとおり、セキュリティやその他先進設備、このようなものは決して省かずに設けています。
面積帯的には20平方メートルから40平方メートルです。これは実際に販売してみてわかったのですが、今、当社が6物件ほど賃貸稼働している中でも、お客さんのプロフィールは違うということです。
社宅ニーズや法人利用が6割あるところもあれば、ほとんど個人というところもあります。法人では前住所が県外の方や、例えば病院が近いと個人では看護師さんが多いという特徴があります。
これもひとくくりにできずに、いろいろなノウハウをやはり溜めていかなければいけないということを、最近強く認識しています。
長期経営計画のキーワード
長期経営計画のキーワードとして、「変化に適応した住まいの提供」「街街の魅力・活力の共創」「持続的な成長の実現」を掲げています。これらをつなぎ合わせる「情熱」というものが、これからより一層大事になってくると思っています。
加えて、情熱とその場所へのリスペクトといったものを忘れずに、励んでいきたいと考えています。
ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
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