【QAリンクあり】博展、3Q累計比は増収増益 高水準の受注残高を維持、通期目標達成の見通しを据え置く
Our Purpose
原田淳氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の原田です。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。2024年12月期第3四半期決算の概略と事業トピックスを説明します。
まずは、パーパスを紹介します。当社のパーパスは「人と社会のコミュニケーションにココロを通わせ、未来へつなげる原動力をつくる。」です。
現在、我々は展示会やイベントを中心に、体験を通してみなさまに価値を提供することを生業としています。我々の活動を通じ、あらゆるコミュニケーションに心を通わせ、みなさまの未来へつなげる原動力となっていきたいと考えています。
そのような思いで、このパーパスは作られています。このパーパスをもとに、将来に向けて社員と力を合わせて進んでいきます。
会社概要・沿革
会社概要および沿革です。創業1967年、歌舞伎の舞台装飾を作っていた大工がルーツの会社が、今ではここまでの成長を遂げています。2008年に上場して以来、リーマン・ショック、東日本大震災、新型コロナウイルス禍など、厳しいこともたくさんありました。
そのような中でも順調に成長できたのは、時代に合わせ、柔軟に自分たちの力を磨きながら、そして志をともにできる優秀な仲間を増やし、さまざまなサービスを拡げてきたからだと思っています。
世界情勢や日本の政治は刻一刻と変化しています。パーパスに掲げているように、人と社会のコミュニケーションに心を通わせていきたいと思っていますし、そのような貢献ができるよう、チャレンジを止めずにこれからも成長していきます。
業績ハイライト
業績報告です。
売上高は27億7,800万円、営業利益はマイナス1億4,100万円、第3四半期累計の売上高は128億4,700万円、営業利益は8億6,600万円、売上総利益累計は38億7,000万円、受注高累計は143億6,400万円、受注残高は73億4,500万円、指名受注売上高累計は80億2,900万円となりました。残念ながら第3四半期の業績は思うように伸びませんでした。
特にこの時期はBtoBの展示会が少なく、例年、売上はあまり芳しくありません。これに関しては、我々が続けているサービスの幅と奥行きをさらに深め、拡げることで対応していきたいと思っています。
事業ユニット戦略Topics
事業トピックスです。業績は思うように伸ばすことはできませんでしたが、会社として、これまで蒔いてきた種が着実に花を咲かせていると思っています。そのような案件が、当四半期もたくさん生まれました。
まず、スライド左上の「KDDI SUMMIT 2024」です。KDDIグループさま最大級のビジネスイベントをハイブリッドで開催しました。イベントの設計、ステージ演出、展示、体験コーナー、Webサイトまでを一貫してお手伝いしました。
情報の制約などの大企業ならではの難易度の高さはありましたが、空間装飾からデジタルまで幅広い技術を発揮することができました。
続いて、スライド上段の中央、「BAR グラスとコトバ」です。これはサントリーホールディングスさまが若者を対象に新たなファン獲得のために、バーの体験を創った案件になります。その体験をともに創り出すパートナーとして、我々を選んでいただきました。SNSを中心に話題となり、キャンセル待ちが5,000件を超える非常に大人気のイベントになりました。私も行ったのですが、参加できず、非常に残念でした。
スライドの左下の写真は、「グラングリーン大阪 うめきた公園 PLAT UMEKITA」です。再開発が進むうめきたエリアに完成した、エシカルをコンセプトにした場所になります。
当社の担当は装飾パートのみではあったものの、このような大規模な都市開発においても、価値を発揮できるようになってきました。
事業概要
第3四半期も、スライドの図のように「体験」という点において、企業のカンファレンス、ブランドプロモーション、都市開発などの幅広い体験を提供できたと実感しています。
事業ユニット戦略Topics
当四半期のトピックスではありませんが、大変大きなニュースが入ってきたため、ご報告します。
資生堂クリエイティブさまと当社が制作を手がけた、資生堂さまのウィンドウアート『在る美』が、世界3大デザイン賞の1つである「Red Dot Design Award 2024」にて最高賞グランプリを受賞しました。
世界から6作品選出された中で、日本からは唯一のグランプリであり、博展において史上最高賞の獲得となりました。その他、世界的な空間デザイン賞「FRAME AWARDS」では部門最高賞、「日本空間デザイン賞2024」のグランプリ「KUKAN OF THE YEAR」など、多数の賞を獲得し、国内外で大変評価をいただきました。
私は最終日の施工に立ち会いました。和傘の繊細さが美しく、圧倒され、感動したのを今でも鮮明に覚えています。
博展が強みとしているクリエイティブ力と、それを実現するテクニカル技術などの制作力、さらにサステナビリティが評価された、すばらしい事例となりました。
サステナビリティ推進関連Topics
サステナビリティ推進に関するトピックスです。環境配慮型イベントの受注・納品は、大幅に増加しています。当社が2016年から取り組んできた成果が、他社との差別化を生み、ビジネスにも付加価値を与えられている結果と言えます。
2024年12月には、共創型サステナブルイベント「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」を株式会社船場さまと共同で開催します。
このイベントは、業界の枠を超えた共創パートナーとともに、エシカルな取り組みを発信し、未来を考える、参加型のイベントです。エシカルな空間作り、体験作りについて考えるカンファレンスや、さまざまな企業の展示や交流会を実施します。みなさま、ぜひご来場ください。
M&Aの実施
この度、株式会社ヒラミヤを完全子会社化しました。ヒラミヤは3Dデジタル技術を駆使した金属加工を得意とする会社です。
ここ3年から4年の間に取引量が増加しており、我々の重要なパートナーとして支えてくれている会社です。
木工を得意とする博展と、高度な金属加工技術を持つヒラミヤの両社のシナジーを発揮することで、提供できるソリューションの幅を拡げ、より付加価値の高い包括的な提案、クリエイティビティの発揮ができることを期待しています。
株主還元
株主還元についてです。1株当たり8円の中間配当を実施しました。成長投資の源泉となる内部留保を意識しながら、中間配当および期末配当を年2回、年間配当性向30パーセントを目標に、安定的に配当を行うことを基本方針としています。
その方針に則って、期末配当も9円を予定しています。
新たなトピックとしては、株主優待に体験コンテンツへのご招待を追加します。試験的な開催として、先ほどご紹介した「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」に抽選でご招待します。
対象予定のみなさまにはご案内をすでに郵送済みですが、11月17日の締め切りまで時間がありますので、ぜひご応募ください。
スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備
スタンダード市場への市場区分変更申請についてです。第2四半期でもお伝えしたとおり、進捗していることをご報告します。
ただし、今回のヒラミヤの完全子会社化のように、その時々で、各種経営課題をクリアしながらの進捗になることをご了承ください。
以上、2024年12月期第3四半期の決算概略および事業トピックスの説明でした。
第3四半期連結業績
藤井由康氏:取締役CFOの藤井です。2024年12月期第3四半期決算の詳細と通期業績予想についてご報告します。
第3四半期の実績として、売上高は27億7,800万円で、前年同一期間比でマイナス4億7,400万円でした。売上総利益は8億8,400万円で、前年同一期間比でマイナス1億1,700万円となりました。売上総利益率は31.8パーセントで、プラス1ポイントとなりました。
結果、営業利益はマイナス1億4,100万円となり、前年同一期間比でマイナス2億4,100万円の着地となりました。当期純利益はマイナス1億400万円で、前年同一期間比でマイナス1億5,900万円でした。
四半期ごとの推移については、次ページ以降で詳しくご説明します。
スライドの右側は、第3四半期までの累計の数字です。売上高は128億4,700万円で、前年同一期間比プラス23億500万円となりました。売上総利益は38億7,000万円で、前年同一期間比プラス8億2,000万円で、売上総利益率は30.1パーセントで、プラス1.2ポイントとなりました。
結果、営業利益は8億6,600万円で、前年同一期間比プラス5億3,800万円です。当期純利益は5億7,500万円と、プラス3億7,400万円となっています。
売上高・売上総利益四半期推移
四半期ごとの売上高・売上総利益の推移です。当社の業績の特徴として、繁忙期と閑散期があります。
繁忙期は第1四半期と第4四半期、閑散期は第2四半期と第3四半期です。
大型の展示会が秋口以降に集中すること、また、イベントプロモーションも新商品の発売と関連して実施されるため、そのような業績の波がある点をご認識いただければと思います。中期的にはこれを改善すべく、取り組んでいるところです。
それらを踏まえ、第3四半期は閑散期にあたり、残念ながら売上高・売上総利益は前期を少し下回る結果になっています。第2四半期の決算説明会でも「第3四半期は少し厳しくなるのではないか」とお話ししたのですが、期ずれ等があったため、想定より少し下がってしまったという印象です。
営業利益・当期純利益四半期推移
第3四半期の営業利益・当期純利益についてです。営業利益はマイナス1億4,100万円、当期純利益は1億400万円の赤字となりました。売上高自体は前々期と同水準であったものの、人材投資等を含めた固定費が上がったため、当四半期においては、損益分岐点を超える売上高を獲得できず営業損失というかたちになっています。
現在の当社の損益分岐点は、四半期で33億円から34億円くらいを見込んでおり、そちらをコンスタントに上げていくことが今後の課題と認識しています。
営業利益の増減要因(前年同一期間比)
営業利益のウォーターフォール図です。累計期間では、売上高や売上総利益率が大幅に伸長しています。営業利益に関しては投資額を上回り、前年同一期間比では5億4,000万円ほど積み上がっています。
事業ユニット別の損益の状況
事業ユニット別の業績です。前年同一期間比でBtoBマーケティング事業のマイナスが大きく、当社の継続的な課題と認識しています。この変動を減らすべく、今後はさまざまな取り組みをしていきます。
受注高および受注残高四半期推移
受注高および受注残高についてご説明します。受注残高は73億4,500万円と、かなり積み上がっていますが、受注残高回転期間が5.2ヶ月と少し伸びています。良い点と少し注意すべき点があると認識していますので、そちらについてご説明します。
良い点として、お客さまからの当社への信頼が高まっていることです。多くの企業から、かなり先の案件についてご指名いただくことが増え、そのため受注高が上がっています。
一方で、受注残高回転期間が伸びてきています。注意点として、売上計上のタイミングが今までよりも遅くなる可能性があります。単に受注残高が積み上がればよいということではなく、その内容をしっかり精査し、業績につなげていくことが非常に重要と考えています。
指名受注売上高・指名受注率四半期推移(単体)
指名受注売上高と指名受注率についてご説明します。こちらは大きな変動なく着地できているという認識です。
前四半期の業績が好調でしたので内容を少しご説明しますと、新規の指名受注売上高の件数が第2四半期は120件、第3四半期は117件でした。件数自体は大きな変動はありませんでしたが、単価が大きく変動したことが大きな違いです。
引き続き、単価をしっかりとっていくこと、また、案件を見定めて取り組んでいくことを継続したいと考えています。
リピート売上高・リピート率四半期推移(単体)
リピート売上高とリピート率です。
大きなトピックはなく、堅調に推移している認識です。
中期経営計画の進捗状況
通期業績予想についてご説明します。現在の進捗率は、売上高は75.5パーセント、営業利益は72.2パーセント、当期純利益は70.2パーセントとなっています。
現在の受注残高と受注残高回転期間などから勘案し、前々期、前年度ほど極端な伸びは想定しておりませんが、通期目標は達成可能な水準であると認識しており、通期計画は据え置きとしています。
今期は残すところ2ヶ月となります。直前の単価アップやコストコントロールを進め、通期業績達成に向けて推進していく考えです。
質疑応答
質疑応答の内容については、当社IRサイトに公開中の「2024年12月期第3四半期 決算説明会 質疑応答要旨」をご覧ください。
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