今週のポイント
今週の米ドル/カナダドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは17-18日の米FOMCの結果に大きな影響を受けそうです。FOMCで0.25%の利下げが決定されるなどして米ドルが全般的に堅調に推移すれば、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。
豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は、19-20日の日銀金融政策決定会合が材料になりそうです。会合後に行われる植田日銀総裁の記者会見がタカ派的な内容になれば、クロス円は下押しする可能性があります。
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TCMB(トルコ中銀)の政策会合が19日に開かれます。政策金利は現行の50.00%に据え置かれるとみられます。その通りの結果になれば、焦点はTCMBのタカ派的な金融政策スタンスが変化するかどうか。前回8月会合時の声明では、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が(TCMBの)予測範囲に収束するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には、金融政策を(さらに)引き締める」とされました。タカ派的な金融政策スタンスに変化がなければ、トルコリラを下支えしそうです。
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SARB(南アフリカ中銀)は19日に政策会合を開きます。市場では、0.25%の利下げが行われると予想さています。その通りの結果になれば、SARBの声明やクガニャゴ総裁の記者会見で追加利下げのタイミングについてのヒントが示されるかどうかに注目です。次回11月の会合での追加利下げ観測が市場で強まる場合、南アフリカランドは軟調に推移する可能性があります。
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メキシコでは、司法の独立性を脅かすとして市場が懸念していた司法制度改革案が15日に発効しました(改革案は4日に下院で11日に上院で可決され、その後32の州議会の過半数で承認されました)。目先の材料出尽くし感からかメキシコペソはいったん下げ渋っているものの、メキシコで10月1日に大統領が交代します。新政権がメキシコ政治への懸念を強めるような政策を推進しないかどうか、注意が必要かもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08000NZドル~1.09000NZドル>
今週の豪ドル/NZドルは、19日に発表される豪州の8月雇用統計とNZの4-6月期GDP(国内総生産)が材料になる可能性があります。
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策スタンスには違いがあります。RBAは23年11月に利上げを実施した後、前回8月の政策会合まで6回連続で政策金利を4.35%に据え置きました。ただ、前回会合では利上げも議論されました。RBNZは前回8月の会合で0.25%の利下げを行ったうえ、追加利下げを示唆しました。
市場予想と比べて豪州の雇用統計が強い結果となり、NZのGDPが弱い結果になれば、RBAとRBNZの金融政策スタンスの違いが市場で改めて意識されるかもしれません。その場合、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34500カナダドル~1.37500カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は6月・7月・9月の3会合連続で0.25%の利下げを実施しました。市場では、次回10月23日の会合でも利下げが行われると予想されています。17日に発表されるカナダの8月CPI(消費者物価指数)の結果を受けて、次回会合ではこれまでよりも0.50%の利下げが行われるとの観測が市場で強まるかもしれません。
米FOMCにも注目です。BOCの0.50%の利下げ観測に加え、米FOMCの結果を受けて米ドル買い圧力が強まる場合、米ドル/カナダドルは1.37435カナダドル(8/9高値)に向かって上昇しそうです。