【QAあり】雨風太陽、2Q業績は想定どおりの進捗 個人向け食品関連サービスが安定した成長を継続し、売上高は過去最高を計上
免責事項
高橋博之氏(以下、高橋):代表取締役の高橋です。2024年12月期第2四半期の決算説明会を開始します。本日はお忙しいところ、お盆の最中にご参加いただき誠にありがとうございます。
免責事項はスライドに記載のとおりです。
サマリー
まず、2024年12月期第2四半期の業績についてご説明します。サマリーはスライドに記載のとおりです。売上高は過年度同期累計比で過去最高を計上し、第2四半期累計で3億7,700万円となりました。営業損失は、第2四半期累計で1億5,900万円となっています。
売上高、営業損失ともに、ほぼ想定どおりの推移となりました。したがって、業績の見通しについて変更はありません。
2024年12月期第2四半期業績
損益計算書の売上高、営業利益、当期純利益における第2四半期累計値について、昨年との比較を示しています。売上高は3億7,700万円となりました。通期予想13億6,300万円に対する進捗率は27.7パーセントです。
当社のサービスは、「個人向け食品関連サービス」「企業・自治体向けサービス」「個人向け旅行関連サービス」の3つに分かれています。
企業・自治体向けサービス、個人向け旅行関連サービスは、3月に終了する自治体年度単位でのサービス提供となること、さらに旅行が催行可能なタイミングである下期に大きく偏重する傾向があります。そのため、この進捗率は想定どおりとなります。
なお、2023年度の同時点の進捗率に対して、今期の進捗率のほうが低下している大きな要因は、3つのサービス合計の年度予算のうち、下期に偏重する企業・自治体向けサービスおよび個人向け旅行関連サービスの割合が増加しているためです。
営業損失は1億5,900万円、当期純損失は1億6,100万円と、こちらも想定どおりの着地となっています。売上の下期偏重に伴う増加に応じて、営業損失および当期純損失の額は上期と比較して下期のほうが改善することとなります。
サービス別売上高推移
個人向け食品関連サービス、企業・自治体向けサービス、個人向け旅行関連サービスにおける売上高の前年同期との比較です。
個人向け食品関連サービスは前年同期比17.16パーセント増と、引き続き安定した成長を継続しています。
こちらは本年4月1日より、販売手数料を20パーセントから23パーセントへ変更したことが影響しています。なお、販売手数料の改定による登録生産者や出品数への影響はなく、引き続き約1万5,000品の商品がプラットフォーム上に並んでいます。
企業・自治体向けサービスは、前年同期の7,900万円に対し、当第2四半期は6,900万円となりました。自治体向けサービスの特性上、4月から6月は準備期で施策実施が限られるため、売上は下期に大きく偏重するかたちとなります。
引き続き、9月補正予算の獲得も視野に入れつつ、営業活動を継続して実施していきます。
個人向け旅行関連サービスも、小学校の夏休みが中心のサービス提供となるため、上期は大きな影響はないものとなります。
2024年12月期第2四半期 営業利益増減要因
こちらのスライドには、前年同期と比較した際の営業利益の増減理由を記載しています。営業損失は、前年同期が1億6,300万円、当第2四半期は1億5,900万円となりました。
販売費および一般管理費のうち、影響があるところは次のとおりです。
1つ目は、業務委託費の減少です。こちらはエンジニアを中心として、外注業務を見直したことによるものです。内製に切り替えたものも含んでいます。
2つ目は、広告宣伝費/販売促進費の減少です。こちらはマーケティングの最適化によるものです。
3つ目は、支払送料の増加です。経済産業省補助事業の送料無料プログラム実施により、支出が増加しました。今後、補助金にて補填を想定しています。
4つ目は、人件費の増加です。こちらは従業員数の増加によるものです。
5つ目は、支払手数料の増加です。こちらは上場後の新規発生費用(印刷会社や株主総会関連)によるものです。
2024年12月期第2四半期 営業利益以下増減要因
前期と比較した際の営業利益以下の増減理由を示しています。経常損失は、前年同期累計で1億2,200万円、当第2四半期累計で1億5,900万円となりました。前年同期は、農林水産省から補助金収入2,500万円、および関係人口創出関連の助成金1,500万円があったことによるものです。
貸借対照表推移
貸借対照表のサマリーです。
流動資産は、前年度末と比較して4億4,000万円減少しました。主な理由として、短期借入金の返済1億5,000万円による現預金の減少、季節的影響による売掛金および未収入金の減少2億1,700万円が挙げられます。
流動負債は、前年度末と比較して3億2,900万円減少しました。主な理由としては、短期借入金の返済による減少1億5,000万円、季節的影響による未払金の減少6,800万円および預り金の減少9,000万円が挙げられます。
以上が、2024年12月期第2四半期のご説明となります。
2024年12月期業績見通し(変更なし)
2024年12月期の業績見通しです。売上高13億6,000万円、営業損失6,000万円の想定から変更はありません。
2024年12月期 トピックス
当期のトピックスについてご説明します。1つ目のトピックスは、「ポケマルふるさと納税」についてです。2024年4月に特許を取得しました。この特許を活用することで、旬が短く生産量の少ない食材や、鮮魚などの供給が不安定な食材も出品しやすくなっています。
そのため、「ポケマルふるさと納税」は返礼品のラインナップが幅広いことが特徴となっています。
また、6月25日に総務省よりふるさと納税制度に関する変更の発表があり、ポイント付与をインセンティブとした寄付募集が来年10月より禁止されることとなりました。当社は従来、制度趣旨に合致した運営を行っており、ポイント付与をプロモーションの軸に据えていないため、影響はないと考えています。
2024年12月期 トピックス
2つ目のトピックスは、「ポケマルおやこ地方留学」についてです。2024年7月に「ツアーグランプリ2024」の最優秀賞にあたる「国土交通大臣賞」を受賞しました。
このサービスを通じて、関係人口を創出する新しい旅行スタイルに非常に高い評価をいただいています。
また、同じく7月に「ポケマルおやこ地方留学」の入口である「ポケマルこども食育クラブ」が、一般社団法人日本子育て支援協会主催の「第5回日本子育て支援大賞」を受賞しています。本サービスを通じた活動が、地域の活性化や日本の食文化の保全に貢献している点を評価されたものです。
「ポケマルおやこ地方留学」は参加者からの評価も非常に高く、一昨年に岩手県から始め、昨年は全国5ヶ所、今年は全国12ヶ所で展開しています。生産者からすると、さらなる副収入の確立、加えて1週間滞在することから、地域に関わる人が増えていく関係人口の創出という点でも、地方からも非常に高く評価されています。
全国に8,000人以上の生産者を抱える旅行代理店は、日本ではありません。我々は今、全国12ヶ所ですが、順次地域を拡大することで、成長させていきたいと考えています。
2024年12月期 トピックス
3つ目のトピックスは、石川県との連携についてです。2024年元旦に発生した令和6年能登半島地震の後、5月に包括連携協定を石川県と締結しました。私も石川県の復旧復興アドバイザリーボードの委員に任命されています。
今回、石川県の創造的復興プランの中で、関係人口の創出が最重点課題に掲げられました。能登半島では、高齢化率が49パーセントを超えています。被災し、早期に広域避難している若い世代がたくさんいますので、被災地にいる人だけではもはや復旧復興は非常に難しい状況です。したがって、外の力をいかに能登半島に活用するか、必要なリソースを持っている外部人材をいかに巻き込むかが重要になっています。
そこで我々の関係人口カンパニーの出番です。具体的な取り組みの第1弾として、2024年7月から「のと復興留学」を始めました。全国の大学生のみなさまにこの夏休みから能登半島に来てもらい、5泊6日以上の日程で各被災地にてボランティア活動に従事していただいています。今後も引き続き、石川県とは協力を継続し、能登の復興に貢献するサービスを提供していきたいと思っています。
全国各地では今、毎年のように自然災害が起きています。どの地域も関係人口をいかに巻き込みながら復旧復興していくかが大事になってくると思います。今回の取り組みをモデルにして、横に展開していきたいと思っています。
雨風太陽とインパクト
インパクト指標についてご説明します。我々の会社はもともと非営利組織として創業した歴史もあり、都市と地方の分断という社会的な課題をビジネスの力で解決することを目的に事業活動を行っています。
したがって、最重要の経営指標として、売上高に加えて、弊社独自に3つのインパクト指標を設定し、経営上重視しています。
私たちの目指すものとインパクト指標
スライド下の緑の部分が、短期的に目指すアウトカムです。1つ目は顔の見える流通総額、2つ目は生産者と消費者のコミュニケーション数、3つ目は都市住民が生産現場で具体的に過ごした延べ日数です。
日本の人口は2050年に1億人を切ると言われていますので、地方を中心に人口はさらに減少することになります。この3つの短期的なアウトカムを追いかけることによって、長期的には、都市住民2,000万人が関係人口として主体的に地方に関わる状況を作ります。そうすれば、都市、そして地方の活力を維持できると考えています。
インパクト指標①「顔の見える取引」にかかる流通総額
それぞれのインパクト指標についてご説明します。1つ目の指標は、生産者と消費者の顔の見える取引です。
我々の強みである、直接つながれる関係になると、継続率が上がります。流通総額は現在、累計で95億6,932万円となっています。
インパクト指標②コミュニケーション数
2つ目の指標は、生産者と消費者のコミュニケーション数です。これまでに、生産者と消費者が1,012万2,900件コミュニケーションしています。
インパクト指標③都市住民が生産現場で過ごした延べ日数
3つ目の指標は、都市住民が生産現場で過ごした延べ日数です。延べ日数は、現在3,157日となっています。
2024年12月期第2四半期の決算説明は以上です。ご清聴いただきありがとうございました。
質疑応答:業績の進捗状況について
司会者:「第2四半期までの結果について、総合的にはどのように見ていますか?」というご質問です。
権藤裕樹氏(以下、権藤):取締役の権藤です。第2四半期までの状況がどのようなものか、また、どのように評価しているのかというご質問と受け止めました。
我々としては、先ほど示したとおり、ほぼ想定どおりの進捗だと考えています。全体の年間の進捗から見ると、進捗率が半分ではないことから、心配になる部分もあるかと思います。しかしながら、ご説明したとおり、当社のビジネスは下期に売上高が偏重していくようなモデルになっています。
そちらについて、もう少し解説したいと思います。当社の3種のサービスのうち、企業・自治体向けサービスと個人向け旅行関連サービスの2つは特に下期に売上が偏重しています。
企業・自治体向けサービスの売上が偏重する理由は、4月から3月にかけての期間で自治体の年度が動いているためです。春先から夏くらいにかけてプロポーザルを行い、どのような相手とどのような事業を進めるのかを決めていきます。秋、冬には、その年に進めることを実際に実施していきます。そのタイミングで売上が発生していきますので、7月から12月、特に10月から12月の第4四半期に売上が大きくなります。
個人向け旅行関連サービスについては、当社では親子で1週間近くの長期で滞在する「ポケマルおやこ地方留学」というプログラムを行っています。こちらは基本的に、夏休みや冬休み、春休みなどの長期の休みに行われますが、その中で最も期間が長く販売機会があるのはやはり夏休みです。したがって、特に夏休みの期間である7月、8月あたりに売上が大きくなるため、売上が第3四半期に偏っています。
その結果、全体として見た時に、売上がかなり下期に偏っています。
質疑応答:産直EC「ポケットマルシェ」の成長性について
司会者:「産直EC『ポケットマルシェ』の成長に関しては、どのように考えていますか?」というご質問です。
権藤:C2C担当取締役の私から回答します。個人向け食品関連サービスは、今期は安定的な成長を継続していくだろうと考えており、想定内で進捗しています。
コロナ禍にECのビジネスが非常に伸びましたが、今、市場全体も安定的に伸びています。したがって、急激に急拡大するフェーズではありませんが、市場の中で安定的に積み上げている状況を継続できていると思っています。その中でも、販売手数料を上げることで、収益力も上げられていると思っています。
質疑応答:黒字化の見通しについて
司会者:「黒字化の見通しについては、タイミングをどのように見ていますか?」というご質問です。
権藤:具体的な時期についてはお答えしていませんが、なるべく早期に実現したいと考えています。
見通しとしては、特に収益を生み出す事業として「ポケットマルシェ」を中心とした個人向け食品関連サービスが安定的に伸びており、収益に貢献している状況です。
また、自治体のビジネスも今後伸びていくところですが、足元の状況でいうと、やはり売上高や収益は、当社の人員数にある程度比例しますが、今期示したとおり、我々は5名から12名に体制を増強したいと考えており、現在11名まで強化が進んでいます。
また、自治体向けビジネスについては、自治体数が横に広がる中、従来は「ポケットマルシェ」を中心に、自治体の食品関係のお悩みごとに応えてきました。現在は食品関係だけでなく、移住や定住、事業継承など、幅広い課題に応えることができるようになっています。メニューのバランスもかなり幅広くなっており、進捗は好調と考えています。
そのようなかたちで、特に自治体向けサービス、そして「ポケットマルシェ」を中心とした個人向け食品関連サービスで、黒字化に向けて事業を進めていきたいと考えています。
高橋:私からも補足します。全国に1,700の自治体がありますが、我々の生産者がいる自治体は、そのうち85パーセントです。これまでは我々の営業力の弱さからリーチし切れていませんでしたが、今、人員を強化しているところです。
先の国会でも国土交通省から提出された二地域居住の法案が通りましたが、定常的に人口が減っていく社会の中で、都市に偏在する人を地方とどのようにシェアしていくかについては、関係人口をいかに増やしていくかを新しい国土デザインの柱にするという大きな流れはもはや変わらないと思っています。
しかしながら、関係人口をどのように生み出していくかという課題に自治体自身が取り組むのは、非常に困難です。我々は、関係人口カンパニーとして、生産者を起点に都市住民を地域に関わらせる取り組みをまさに行ってきました。したがって、ここは今後も伸びていくところです。我々としては、ここにどんどんウィングを広げ、事業と売上を拡大していきたいと思っています。
質疑応答:ふるさと納税システムの新規性および収益貢献について
司会者:「ふるさと納税のシステムは特許取得のことですが、どのような点において新規性が認められたのでしょうか? また、ふるさと納税の流通総額が増えた場合の貴社の収益の影響を教えてください」というご質問です。
権藤:ふるさと納税システムの具体的な技術については、少し細かくなってしまうため割愛します。通常、ふるさと納税の仕組みでは、自治体がふるさと納税のプラットフォームに商品を載せていくかたちになっています。例えば、複数のプラットフォームに対し商品を載せる場合、同じ商品を使い回してプラットフォームに載せていく作業を経て、いずれのプラットフォームも共通の商品を、自治体を介してお客さまにお届けする流れになっています。
一方、当社のシステムは、生産者が直接商品を登録できるため、通常必要になる自治体を挟むというワンクッションが不要になり、さまざまな商品がリアルタイムに販売できるようになるという特徴があります。
これまでは、複数のプラットフォームで実はまったく同じ商品が買える状態でしたが、当社の場合は、今までになかったユニークな商品を出せるという特徴があり、差別化のポイントになっています。
これが売上にどのようにつながるのかについては、2点あります。まず、寄付の仲介により自治体から手数料をいただくことになります。加えて、生産者の販売につながることで、「ポケットマルシェ」のふるさと納税以外の取引と同様に、生産者から販売手数料をいただきます。
したがって、通常のECサイトでお買い物をしていただく場合と比較すると、我々は生産者からだけではなく自治体からも手数料をいただけることになり、1つの取引に対する収益貢献がより高いビジネスになっています。
我々は自治体との事業を強化して行政とのネットワークも強化していますので、この事業は収益貢献の点でも大事な事業だと考えています。
質疑応答:販売手数料改定の影響について
司会者:「販売手数料を改定した影響は何か出ていますか?」というご質問です。
権藤:結論から申し上げると、影響は出ていない状況です。販売手数料を上げることによって考えられるシナリオは、生産者が登録をやめてしまったり、出品をやめたりするような動きですが、そうした影響は出ていません。
常時1万5,000品程度の商品が出品される中、日ごとに250品ぐらいの商品が新たに出品され、また、旬を終えて250品ぐらいが出品を終えるというかたちで、商品がどんどん入れ替わる状況は昨年ぐらいから変わっていません。現在も1万5,000品の商品がプラットフォーム上に出品されており、引き続き生産者から支持をいただいています。
質疑応答:宮崎県で発生した地震の影響について
司会者:「先日、宮崎県で地震が起こりましたが、何か影響はありますか?」というご質問です。
権藤:現状では宮崎県内とその近隣の地域にも我々の生産者がいらっしゃいますが、一定の被害が出ているところはあっても、当社の事業全体に対して何らかの影響が出るということはなく、通常どおり運営ができていると考えています。
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