ミアヘルサHD Research Memo(10):子育て支援事業がけん引し2027年3月期に営業利益2倍を目指す(2)

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最新投稿日時:2024/07/23 12:30 - 「ミアヘルサHD Research Memo(10):子育て支援事業がけん引し2027年3月期に営業利益2倍を目指す(2)」(フィスコ)

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ミアヘルサHD Research Memo(10):子育て支援事業がけん引し2027年3月期に営業利益2倍を目指す(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/23 12:30
*12:30JST ミアヘルサHD Research Memo(10):子育て支援事業がけん引し2027年3月期に営業利益2倍を目指す(2) ■ミアヘルサホールディングス<7129>の今後の見通し

(2) 事業セグメント別計画
a) 医薬事業
医薬事業は年率0.9%増収、5.5%増益と堅実な業績計画を立てている。大手ドラッグストアによる調剤部門・在宅分野への進出や異業種からの薬局事業への参入など競争激化が続くなかで、医療機関や自社グループ運営施設(介護事業所や保育園等)との連携強化によって差別化を図り、調剤技術料の加算取得強化に取り組む。

重点施策としては、集客率・収益率の高い医療モールへの出店を推進するとともに、高度薬学管理の豊富な実績をもとに病院やクリニックとの信頼関係をさらに強化し、患者や医療機関から信頼されるブランド力を構築していく。また、「外来がん治療認定薬剤師」や「緩和薬物療法認定薬剤師」などの専門認定薬剤師を育成し、同社グループが運営するホスピス対応型ホームとのシナジーを創出していく。さらには、在宅医療の需要拡大とともにかかりつけ薬局としての機能強化が求められるなか、かかりつけ薬剤師や地域連携薬局等の認定取得及び在宅医療の推進などによる加算点数の取得強化も進めていく。

業績計画の前提となる店舗数は、医療モール内出店を中心に毎期2店舗の純増ペースを予定している。首都圏では事業承継問題による小規模薬局のM&A案件も増えており、条件に適うようであればM&Aも選択肢の1つとして考えている。処方箋枚数は既存店を横ばいとし、店舗数の増加に対応する格好で年率1ケタ台の増加ペースを見込んでいる。一方、処方箋単価については、薬価引き下げにより薬剤料単価は緩やかな下落が続く前提で、これを調剤技術料単価の加算でカバーしていく。なお、東京女子医科大学附属足立医療センターの門前薬局については、2027年3月期には当初の想定水準近くまで処方箋枚数も増加すると見込んでいる。

b) 子育て支援事業
子育て支援事業は年率1.3%増収、11.2%増益を計画している。市場環境としては、少子化の進行により保育園の「待機児童」は減少しつつあるものの、女性の社会進出に伴って小学生低学年の「待機学童」問題が顕在化しており、首都圏においては依然として子育て支援のニーズは高い状況にあると見ている。実際、東京都の学童クラブ登録児童数は2023年で13.2万人と2019年比で1.2倍に増加しており、小学1~3年生の児童数に対する学童クラブ登録児童数の比率は2019年の37.5%から2023年は44.3%に上昇している。また、2023年の学童の待機児童数については3,524人とここ数年横ばい水準で、学童クラブについては依然不足しており同社にとっては事業拡大の好機となる。

こうしたなか重点施策としては、国や東京都の子育て支援方針に柔軟に対応し、子どもたちの成長につながる活動(「とうきょうすくわくプログラム※」等)を取り入れることで加算の取得や補助金の獲得につなげていく。また、「待機学童」問題の解消に向けて東京都が独自で「認証学童クラブ制度」の創設を目指しており、早ければ2025年度から運用が開始される見込みとなっている。同社は同制度の認定取得に向けた準備・環境整備を行い、子育て支援ニーズに応えていくほか、学童に教育サービスを加えた児童育成事業として都型学童クラブ「After School ミライン文京GAEDEN」(対象:小学生1~6年生、定員72人)を東京都文京区からの補助金を受けて2021年より開始している。補助金事業として予算を設ける自治体が広がれば、施設数を増やしていく可能性がある。

※「とうきょう すくわくプログラム」とはすべての乳幼児の「伸びる・育つ(すくすく)」と「好奇心・探究心(わくわく)」を応援する幼保共通のプログラムのことで、乳幼児の豊かな心の育ちをサポートするため、主体的・協働的な探究活動を通じた幼児教育・保育の充実を目的として、東京都が推進している取り組み。


業績計画の前提となる施設数は、2024年3月期の79施設から84施設に拡大する計画で(学童クラブや保育園の受託及び指定管理案件を織り込まず)、特に2027年3月期に4施設の開設を予定しているため年平均の増収率としては低くなっている。ただ、子ども広場や児童館など公的施設の受託案件は自治体の職員不足から増加傾向にあるため、これらの案件の受注による売上高の上乗せは十分に可能と弊社では見ている。一方で、利益率に関してはICTの活用やDXによる業務効率の向上に取り組み、2024年3月期の7.5%から9.9%を目指す。

なお、学童クラブの売上構成比は2024年3月期で数%程度と低いが、自治体で補助金制度が広く導入されるようになれば、同社にとっても成長余地が大きくなるだけに今後の動向が注目される。子育て支援サービスを行う事業者はここ数年で一気に増加したが、採用が進まずに経営が厳しくなっている事業者も増えている。こうしたことから、同社は財務体質の改善を優先に取り組んでいるが、今後はM&Aも視野に入れていく。

c) 介護事業
介護事業は年率3.5%増収、セグメント利益は2027年3月期に90百万円を見込んでいる。2期連続で損失となったことから、まずは黒字体質への転換を優先課題とする。市場環境は超高齢化社会の進展に伴い、介護ニーズが多様化するほか、看取り対応や末期がん・難病患者への対応、医療サービス等への需要が一段と拡大している状況にある。こうしたなかで、同社グループの強みである「自律支援」や「看取り対応、末期がん・難病患者への対応」の強化によって他社との差別化を図り、加算算定への対応を推進する戦略である。

重点施策としては、ホスピス対応型ホームにて、末期がん患者や神経難病(パーキンソン病)患者を受け入れ、看取りにも対応することで「終の棲家」として機能させ、病院からの退院患者の受け入れを増やしていく。ホスピス運営事業がここ数年で積極的に施設を増やしており患者獲得競争の激化が予想されるが、介護予防(自律支援/重度化防止)から看取りまで連続性・一貫性のあるサービスの提供によって他社との差別化を図り、紹介先となる病院や地域のケアマネージャーとの関係を強化して、ホスピス対応型ホームの稼動率を高めていく。

業績計画の前提となる施設数については、2024年3月期末の65施設を3年間は維持し、既存のサービス付き高齢者住宅の入居率向上に加えて、複数サービスの提供によって売上高を拡大する。利益面では増収効果に加えてICTの活用やDXによる業務効率の向上に取り組むことで黒字体質への転換を図る。2027年3月期の営業利益率は2.4%と予想しているが、将来的には5%程度を目標としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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