~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で先進~
【ポイント】
・今来期の業績の変動は大きいが、その水準は従来より切り上がっており、期待が持てよう。前期は一気にピーク利益を更新した。人流の回復を反映して、バス会社の投資意欲が一段と高まり、今期予定の新紙幣発行対応システムの納入が早まったことによる。
・今2025年3月期は、先行納入の反動もあり減益を見込んでいるが、会社計画は慎重で、期中に上方修正される公算が高い。来期は、既に受注済みの米国向け売上が立ってくるので、業績は大きく好転しよう。
・収益性が高まっている要因は3つある。1つは、2024年7月の新紙幣の発行に合わせて、全国規模でバスの運賃箱のソフトが更新される。2つ目は、米国で大型の受注に成功し、バスの運賃箱の納入が来2026年3月期に本格化しよう。これによって、長年の課題であった海外部門が黒字化してこよう。3つ目は産業機器の採算が価格改定で高まった。
・新規分野の開発や投資も活発化しつつある。MaaSの一翼を担う当社の路線バス運行支援システム「LIVU」(ライブ)やキャッシュレス決済端末、バスターミナルでの発着情報システムに利用されるCMP(コンテンツ・マネージメント・プラットフォーム)も実用化に入っている。EVフォークリフト用のバッテリーなどの需要拡大も見込める。
・EMS(プリント基板実装)の新工場が建設に入っている。車載用センサーなどに使用される。当社の品質対応が高く評価され、2026年3月期の業績に貢献してこよう。
・10年ビジョンを策定し、2030年度で売上高300億円、営業利益率10%を目指す。今2025年3月期から第2フェーズの新3ヵ年計画がスタートした。3年後の目標である売上高240億円、営業利益率5%、ROE 9%は十分クリアできよう。
・AFC(自動運賃収受システム)+TMS(運行管理システム)+EMS(エネルギーマネジメントシステム)を事業のコアに、「モノ+コト」のビジネスモデル創りに邁進していく。業績の向上と共に、割安な株価は一段と見直されてこよう。
目次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割強を有するトップメーカー
3.中期経営計画 10年ビジョンと新中期計画でMaaSと海外市場開拓を推進
4.当面の業績 今期の反動減を乗り越え、来期は増益へ
5.企業評価 内外での新規受注案件の仕上がりに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2024年6月20日) |
650円 |
時価総額 | 92億円 (14.18百万株) |
PBR | 1.28倍 |
ROE | 8.0% |
PER | 16.1倍 |
配当利回り | 1.3% |
総資産 | 19948百万円 |
純資産 | 6881百万円 |
自己資本比率 | 34.5% |
BPS | 505.9円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.3 | 20215 | 603 | 779 | 227 | 20.8 | 8.5 |
2016.3 | 16203 | -571 | -649 | -1378 | -125.3 | 7.5 |
2017.3 | 16985 | 483 | 354 | 50 | 4.6 | 7.5 |
2018.3 | 15749 | -235 | -248 | -454 | -40.9 | 7.5 |
2019.3 | 21538 | 1021 | 1030 | 438 | 38.8 | 8.5 |
2020.3 | 26051 | 1854 | 1830 | 891 | 74.4 | 8.5 |
2021.3 | 15553 | -40 | 35 | -124 | -9.8 | 5.0 |
2022.3 | 14075 | 149 | 325 | 53 | 4.2 | 5.0 |
2023.3 | 14253 | -310 | -207 | -249 | -19.2 | 5.0 |
2024.3 | 22684 | 3164 | 3557 | 2416 | 178.0 | 8.5 |
2025.3(予) | 21000 | 1000 | 900 | 550 | 40.4 | 8.5 |
2026.3(予) | 23000 | 1500 | 1400 | 850 | 65.4 | 10.0 |
(2024.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2005年11月1:10、2014年4月1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/reshiltupuHD202406.pdf
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