メキシコ選挙結果を受け、メキシコペソが大幅下落!今後の動向は?
【注目ポイント】「8.650円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レートを上抜けブレークなら、「9.000円」超えを模索する展開
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「8.000円」割れの動きも視野に
【向こう1カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「8.000~9.000円」
【注目材料】メキシコの国内政治動向、日銀会合・植田総裁会見
メキシコペソ/円の注目ポイントとして着目していた「(200日MAをメドとする)8.710円での下値サポート成否」。今月4日の終値ベースで同レートを割り込み、12日には一時昨年12月以来の安値となる「8.185円」まで下落。メキシコペソ/円はもう一段の下値追いとなるのでしょうか。
そこで、相場の俯瞰図を見る目的で、メキシコペソ/円の週足チャートを確認してみましょう。
週足チャートの各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週および52週MA(移動平均線)が緩やかな右肩上がり形状であること、2) 遅行スパンがローソク足のやや上方にあること、3) ローソク足の上方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移(上図青色点線丸印)となっていることから、現在のメキシコペソ/円・週足チャートは、「上昇トレンド一服」→「下値固め模索」を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) 本稿執筆(14日)時点における今週のローソク足形状が、いわゆる“下影(したかげ)陰線”になっていること、またⅱ) その“下影陰線”を形成する下ヒゲが「売られ過ぎ」を示唆するBB(ボリンジャーバンド)・-2σラインにワンタッチしている(上図黄色点線丸印)ことを合わせると、過去に見られた同様のケース(上図黄色丸印)にもある通り、「(BB・-2σライン付近での)下値固め」→「反発フロー」の起点となる可能性も。
そんな中、今後注目すべきポイントは・・・約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MAをメドとする「8.650円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「8.650円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「重要な基準線超え」→「もう一段の上値追い」となる可能性も。当該ケースでは、「(約半年間における市場参加者の平均コストを示す)26週MA(≒8.860円)超え」や「遅行スパンの上放れ」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、心理的な節目である「9.000円」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する展開になりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「8.650円」で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「下値切り下げ」となりそうです。当該ケースでは、「BB・-2σライン(≒8.230円)割れ」や「遅行スパンの“逆転”」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、心理的な節目であり、また週足レベルでの直近高安レート(安値:6.565円[22/12/20]、高値:9.435円[24/5/21])を結んだFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%ライン、いわゆる“半値押し”水準のメドである「8.000円」(上図Ⓑ水色線)割れの動きも視野に入れるべきでしょう。特に、上述した「遅行スパンの“逆転”」や「BB・-2σライン割れ」が示現した場合は、下降モメンタム強化のトリガーとなり得るため、大いに注意が必要でしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、週足チャートレベルでのメキシコペソ/円は下値固めを模索する相場付きが継続する中、当面※は「8.000~9.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする展開になりそうです。(※ここでの「当面」は、向こう1カ月程度のスパンを想定しています。)
足もとでは、引き続きメキシコにおける国内政治の動向(=与党連合による憲法改正に向けた急進的な動きや憶測)とともに、日本時間本日正午頃に発表される日銀会合の結果および同午後3時30分からの植田総裁の記者会見内容が、メキシコペソ/円の相場動意※となりそうです。(※前者はメキシコペソ主体、後者は円主体での相場動意)
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