*12:58JST AIAI Research Memo(8):「AIAI三育圏」の事業環境は良好。中期経営計画の進捗は順調
■成長戦略
1. 事業環境
AIAIグループ<6557>が展開する「AIAI三育圏」を取り巻く事業環境として、認可保育園の分野(AIAI NURSERY)については、2023年4月にこども家庭庁が創設され、少子化対策及び幼児教育・保育の質的向上対策として2024年度から保育政策が大きく転換するなど、政府の「異次元の少子化対策」が後押し要因となるものの、少子化進展に加え、待機児童問題がおおむね解消されて業界全体として保育園の新規開設数が急速に減少していることなども考慮すると市場飽和感が否めず、さらに保育士確保難なども勘案すれば小規模運営会社の淘汰が進む可能性も否定できないと弊社では考えている。
ただし一方では、少子化の局面でも発達に障害を抱える子どもの数が増加の一途(障害を抱える子どもの数は2003年から2021年の間で5.46倍増加)を辿っており、これに伴って障害児童施設(児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援)に対するニーズが急速に高まっている。こうした状況を勘案すると、同社のAIAI PLUS、AIAI VISITにとって事業環境が良好であるだけでなく、保育・療育・教育を一体的に提供する「AIAI三育圏」にとって事業環境は良好と弊社では考えている。
2. AIAIグループ中期経営計画2023~2025
同社は2023年5月にAIAIグループ中期経営計画2023〜2025を策定した。テック分野の位置付けの見直し、保育所等訪問支援(AIAI VISIT)や幼児教育プログラムなどの新たなビジネスモデル構築なども織り込んだ。目標数値としては最終年度2026年3月期の売上高120億円〜130億円、営業利益3億円〜5億円、3ヶ年累計投資額6.8億円などを掲げた。そして計画1期目の2024年3月期に、最終年度目標値に対して売上高をほぼ達成し、営業利益を超過達成した。園児数、年間保育所等訪問支援数、社内ライセンス取得者数累計なども計画を上回る水準となり、成長戦略は順調に推移している。
基本戦略として「AIAI三育圏」によるグループシナジーの最大化を図る方針に大きな変更点はない。AIAI NURSERYについては、待機児童問題の解消に伴って業界全体で認可保育園の出店速度が鈍化している状況を踏まえ、今後市場が成熟期に突入することも念頭に置いて新規施設開設スピードを落とす形になるが、引き続きニーズ及び投資対効果の高い地域への出店を継続して利益の安定成長を推進するほか、業界再編も見据えた取り組みを推進する。一方で、障害児童施設に対するニーズが急速に高まっているため、AIAI PLUSをAIAI NURSERYに次ぐ成長の柱として育成するほか、新たなビジネスモデルとしてAIAI VISITの展開を首都圏において本格化させる。AIAI VISITの展開については、専門職である訪問支援員の確保が重要なポイントとなるため、多様なチャネルからのアプローチを強化し、潜在有資格者の掘り起こしを推進する。
コーポレート関連の取り組みとしては、財務・資本面において引き続き自己資本の充実を図り、財務面から事業の安定的成長を支えることを目指す。人的資本面においては、施設・オフィスの全ての社員が働きやすい環境整備や人材育成を促進する。AIAI NURSERY及びAIAI PLUSにおいては、施設で働く職員のライフステージや働き方などの志向に応じたワークスタイルの選択肢を増やし、仕事と家庭の両立をサポートすることで長く活躍できる職場環境を構築する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 事業環境
AIAIグループ<6557>が展開する「AIAI三育圏」を取り巻く事業環境として、認可保育園の分野(AIAI NURSERY)については、2023年4月にこども家庭庁が創設され、少子化対策及び幼児教育・保育の質的向上対策として2024年度から保育政策が大きく転換するなど、政府の「異次元の少子化対策」が後押し要因となるものの、少子化進展に加え、待機児童問題がおおむね解消されて業界全体として保育園の新規開設数が急速に減少していることなども考慮すると市場飽和感が否めず、さらに保育士確保難なども勘案すれば小規模運営会社の淘汰が進む可能性も否定できないと弊社では考えている。
ただし一方では、少子化の局面でも発達に障害を抱える子どもの数が増加の一途(障害を抱える子どもの数は2003年から2021年の間で5.46倍増加)を辿っており、これに伴って障害児童施設(児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援)に対するニーズが急速に高まっている。こうした状況を勘案すると、同社のAIAI PLUS、AIAI VISITにとって事業環境が良好であるだけでなく、保育・療育・教育を一体的に提供する「AIAI三育圏」にとって事業環境は良好と弊社では考えている。
2. AIAIグループ中期経営計画2023~2025
同社は2023年5月にAIAIグループ中期経営計画2023〜2025を策定した。テック分野の位置付けの見直し、保育所等訪問支援(AIAI VISIT)や幼児教育プログラムなどの新たなビジネスモデル構築なども織り込んだ。目標数値としては最終年度2026年3月期の売上高120億円〜130億円、営業利益3億円〜5億円、3ヶ年累計投資額6.8億円などを掲げた。そして計画1期目の2024年3月期に、最終年度目標値に対して売上高をほぼ達成し、営業利益を超過達成した。園児数、年間保育所等訪問支援数、社内ライセンス取得者数累計なども計画を上回る水準となり、成長戦略は順調に推移している。
基本戦略として「AIAI三育圏」によるグループシナジーの最大化を図る方針に大きな変更点はない。AIAI NURSERYについては、待機児童問題の解消に伴って業界全体で認可保育園の出店速度が鈍化している状況を踏まえ、今後市場が成熟期に突入することも念頭に置いて新規施設開設スピードを落とす形になるが、引き続きニーズ及び投資対効果の高い地域への出店を継続して利益の安定成長を推進するほか、業界再編も見据えた取り組みを推進する。一方で、障害児童施設に対するニーズが急速に高まっているため、AIAI PLUSをAIAI NURSERYに次ぐ成長の柱として育成するほか、新たなビジネスモデルとしてAIAI VISITの展開を首都圏において本格化させる。AIAI VISITの展開については、専門職である訪問支援員の確保が重要なポイントとなるため、多様なチャネルからのアプローチを強化し、潜在有資格者の掘り起こしを推進する。
コーポレート関連の取り組みとしては、財務・資本面において引き続き自己資本の充実を図り、財務面から事業の安定的成長を支えることを目指す。人的資本面においては、施設・オフィスの全ての社員が働きやすい環境整備や人材育成を促進する。AIAI NURSERY及びAIAI PLUSにおいては、施設で働く職員のライフステージや働き方などの志向に応じたワークスタイルの選択肢を増やし、仕事と家庭の両立をサポートすることで長く活躍できる職場環境を構築する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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