久世、法人やインバウンド、国内観光需要が増加 コスト管理・損益分岐点の低減努力等の継続により、通期は増収増益

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最新投稿日時:2024/06/07 15:00 - 「久世、法人やインバウンド、国内観光需要が増加 コスト管理・損益分岐点の低減努力等の継続により、通期は増収増益」(ログミーファイナンス)

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久世、法人やインバウンド、国内観光需要が増加 コスト管理・損益分岐点の低減努力等の継続により、通期は増収増益

投稿:2024/06/07 15:00

市場が回復し、外食利用の頻度や観光需要が増加

久世真也氏:みなさまこんにちは。株式会社久世、代表取締役社長の久世です。平素より、みなさまより格別なるご高配を賜り、誠にありがとうございます。さっそくですが、2024年3月期の連結決算の結果についてご説明します。

当期は新型コロナウイルスによる感染症の5類への分類移行に伴い、全般的に市況が活性化した1年となりました。しかし、市場全体における人手不足、人件費の上昇、円安や世界情勢の変化などにより物価の高騰は進んでおり、原材料価格などのコストの上昇が続いた1年となりました。

そのような中、当社の業績においては、個人需要の回復に加え、企業活動の活性化に伴う法人需要、そしてインバウンドを含めた国内外の観光需要といった3つの需要が回復したことが業績回復の主たる要因となっています。

また、お客さまが抱える人手不足、価値の向上、収益の向上といった課題解決につながる商品提案に尽力するため、競争優位性や価値のある素材や飲料などの提案を推進してきました。グループとしても、従来推進してきた海外輸出が堅調に推移しています。

連結決算概要

2024年3月期連結決算の概要については、売上高644億7,400万円、売上総利益145億9,600万円、販管費及び一般管理費127億3,400万円、営業利益18億6,100万円、経常利益19億3,900万円、親会社株主に帰属する当期純利益20億800万円となりました。

売上高については先ほどお伝えしたとおり、個人需要に加え、法人需要、観光需要の3つの需要が大きく回復したことに加え、新規開拓や既存顧客への販売強化、お客さまのニーズに合った提案と競争優位性のある商品の販売強化などにより、前年同期比14.2パーセントの増加となりました。

営業利益については、これまで継続してきた損益分岐点の低減や高付加価値商品の販売を強化するとともに、生産性向上のためのプロジェクトの推進にも取り組み、前年同期比120.9パーセント増の18億6,100万円となりました。

売上高の増減要因(前期比)

売上高の増減要因についてご説明します。まず、市場の回復や仕入原料の高騰などに起因するものが42億3,000万円、そして、営業施策としてグループ各社で進めてきた新規開拓や輸出の伸長、高付加価値商品の販売などのプラスオン戦略の推進により、52億9,100万円の売上を積み増すこととなりました。

一方で、お客さまの閉店や中京地区の商圏をサカツコーポレーションへ譲渡したことなどにより、15億700万円を喪失しました。以上の結果、前期比80億1,400万円、114.2パーセントの増収となり、連結売上高は644億7,400万円となりました。

営業利益の増減要因(前期比)

営業利益の増減要因については、売上高の回復に伴い獲得した売上総利益額が17億8,500万円、高付加価値商品をはじめとする重点販売商品の販売推進等による粗利率の改善で、2億6,100万円の増益となりました。

一方で、物流費、人件費、その他経費を合計した販売管理費は約10億円増加し、営業利益は前期比10億1,900万円増の18億6,100万円となりました。

四半期別 売上・営業利益の推移

四半期ごとの売上・営業利益の推移についてご説明します。売上高はコロナ禍前の水準まで回復しています。

営業利益はこの第4四半期において、これまで数年間にわたり抑制してきた修繕や福利厚生面などにおける一時的な費用の増加により、前年同期比で減益となりました。

引き続きコスト管理を強化し、業務改善を図るとともに、増加した費用を上回る利益の確保に努めていきます。

連結貸借対照表

貸借対照表については、ご覧のとおりです。当期純利益が順調に積み上がり、純資産は66億6,800万円となり、自己資本比率は前期比21.4パーセントから26.8パーセントと、5.4ポイント回復しています。有利子負債は、約3億2,000万円圧縮しました。

また、施策として、設備投資の実施や政策保有株の縮減にも取り組んでいます。

連結キャッシュフロー計算書

連結キャッシュフロー計算書です。営業活動により35億6,400万円増加し、投資活動では8億6,800万円の支出、財務活動では4億4,200万円の減少となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は65億500万円となっています。

2025年3月期連結業績予想

2025年3月期の連結業績予想は、売上高670億円、営業利益14億円、経常利益14億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13億円を予想しています。国内の消費は堅調に推移しており、新規顧客の獲得や既存顧客への販売強化に努めることで、増収となる見込みです。

また、コロナ禍に自社の物流センター2センターに加え、複数の外部委託センターを閉鎖しているため、今後の成長に必要な物流キャパシティーの拡充に取り組む計画です。

これにより、運用経費や設備投資が先行するほか、昨今の物流環境に対応し、コストの適正化を図るため、営業利益は減益となる予想です。ご理解、ご了承いただきますようお願いします。

株主還元

株主還元についてです。2024年3月期は普通配当15円、特別配当27円、合計42円で実施する予定です。

当社の配当の考え方としては、ベースとなる普通配当を実施した上で、連結の親会社株主に帰属する当期純利益が4億5,000万円以上となった場合に、業績連動分として特別配当を行うこととしています。

また、業績連動分の特別配当額は、通期着地見込みが明らかになった時点で決定します。今後もさらなる企業価値向上に努め、株主のみなさまへの還元に尽力していきます。

久世の役割

100周年へ向けた今後の方向性についてご説明します。当社グループの事業ミッションは「頼れる食のパートナー」です。「食は最も身近なエンターテインメント」として、単に生命を維持するためだけでなく、食を通じて楽しく、そして豊かなコミュニケーションが図れる場所であることが、社会において大変重要であると考えています。

当社が従事する食産業は、そのようなコミュニケーションの機会を創造している産業でもあります。今後より一層、「身近な贅沢」が求められる時代において、「価値ある多様な食材を効率良く提供する」という私たちの役割を果たしながら、より高い利便性と機能を持つサービスを拡充し、お客さまに楽しく豊かな食のシーンを提供できる機会を増やしていきたいと考えています。

その上で事業として、パートナーであるステークホルダーのみなさまに必要とされる企業となり、成長できるよう、パッションとオペレーションの力で今後も尽力していきます。

100周年に向けた長期ビジョン

当社は、長年ご支援いただいたみなさまのおかげで、今年で90周年を迎えることができました。この先の100周年に向け、長期経営のテーマとして「持続可能で質的な成長」を掲げています。お客さまへの価値のある商品の提供と、利便性の高いサービスの向上、維持を実現し続けるため、これからのさまざまな変化に対応し、日々の基本を大切にしながら、新たな成長を図っていきたいと考えています。

中期経営計画としては、昨年が第1フェーズの初年度であり、今期は2年目となります。当初の計画では、最終年度にあたる2026年3月期に売上高660億円、営業利益13億円を目標としていました。しかし、前期の2024年3月期に営業利益がこれを上回る見込みとなったため、目標の見直しを進めてきました。

第1フェーズの最終年度となる来期、2026年3月期は成長への環境整備を経て、売上高710億円、営業利益19億円を目標としています。

100周年に向けた長期ビジョン

第1フェーズの取り組みについては、「成長への再スタート」をテーマに事業基盤の再構築を進めています。

第1フェーズの取り組み

第1フェーズの取り組みとして、3つの基本施策を立てています。まず、大きな経済圏である関東において地域密着化を進めています。

また、KUZEXやECの物流受託などの「機能強化」を行います。加えて、お客さまが抱えている課題である価値向上、収益向上、人手不足の解消に貢献できるよう、価値ある商品を「プラスオン」で提案していきます。

強化する市場としては「フードサービス」「観光レジャー」「中食惣菜」を考えています。これら3つの市場を強化することで、相互のノウハウを蓄積するとともに、お客さまとのつながり、関係を強化していきます。

そして同時に、当社の事業ポートフォリオのバランス化を図り、事業基盤の強化に努めていきます。

さらに、当社が成長を図る上で重要な「人財」「物流」「情報システム」への投資を検討・実施するとともに、「EC事業」「DX化の推進」「商品開発」「海外事業」「グループシナジー」といった未来を作る5つの施策を推進していきます。

これらの詳細については、資料の15ページ以降をご参照ください。

今期の取り組み

今期の取り組みとして、まずは物流キャパシティーの拡充を行います。先ほどもお伝えしたとおり、長年のコロナ禍において、損益分岐点の低減を図るため、自社センターを2センター、外部委託センターを複数閉鎖しました。

しかし、売上の拡大のためには、物流キャパシティーを確保することは必要不可欠だと考えています。今期は自社センターの開設および外部委託センターの拡充を進め、キャパシティーを確保し、新規の売上を獲得していきます。

新規顧客の獲得については、国内のみならず、海外輸出に向けた取り組みも強化していきます。

商品施策としては、競争優位性のある商品の販売を強化していきます。コロナ禍で停止していた商品開発を再開し、今年3月にはPB商品である「make!t(メイキット)」をリブランディングしました。

「make!t」ブランドは、人手不足の中でも価値を向上させたいお客さまのニーズに応え、高付加価値・簡便効率をコンセプトとしており、品質と簡便性にこだわったブランドです。マーケットで差別化を図ることのできる当社独自のオンリーワンブランドとして、今後強化していきます。

また、共同購買組織であるJFSAのPBブランド商品は、関東では当社しか販売できない商品ブランドとなっています。今後は、自社ブランドとJFSA商品の両ブランドを駆使し、顧客満足の向上と事業の成長の両輪による推進を図りたいと考えています。

次に、業務改革とDXの推進についてです。当社では「KUZEX」によりオペレーション変革を推進し、RPAの活用などによって業務改善やお客さまの利便性向上に努めていきます。さらに、昨年立ち上げた「業務改革プロジェクト」を推進し、働く社員の環境改善・業務改善も進めていく予定です。

人にしかできない価値のある仕事に専念できるよう、オペレーション型に変革し、お客さまや働く社員にとっても便利なサービスと業務のあり方に変えていきます。

最後に中国事業についてご説明します。5月31日に開示していますが、この度、国分グループ本社と新たな枠組みで協働することとなりました。今後、中国市場における日本食業務用食品卸事業の拡大に尽力していきます。

久世氏からのご挨拶

さまざまな社会変化により、これからは身近な贅沢が求められる時代になると感じています。そのような中で、社会において人と人とのつながりを持ち、食を通じて楽しむこと、つまり食とコミュニケーションは、これからの時代のリアルの楽しさや豊かさの基礎であると考えています。

多様で価値ある食を、いかに便利に提供できるかが私たちのミッションです。今後も、株主のみなさまをはじめとする当社へのご支援、ご指導を賜りたく、この場を借りてお願い申し上げます。

以上で、2024年3月期連結決算等取り組みについてのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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