焦点は追加利下げヒントの有無!
【注目ポイント】「168.390円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「171.500円」超えを模索する動き
【シナリオ②-1】同レート割れなら、「166.880円」付近までの下押しとなりそう
【シナリオ②-2】「166.880円」割れなら、「163.930円」付近までの下落も視野に
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「166.880~171.500円」
【注目材料】ECB(欧州中銀)理事会、ラガルドECB総裁会見
6月に入り、「上昇トレンド一服」→「往って来い」の相場付きとなっているユーロ/円。足もとでは引き続き方向感模索を示唆するチャート形状となっています。
各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日および200日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”になりつつある(上図黄色丸印)こと、3) ローソク足の下方に青色雲(=先行スパン、サポート帯)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら-DI>+DIとなり、ADXが高位置での横向き推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在のユーロ/円・日足チャートは、上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”となっていることを合わせると、足もとのユーロ/円は方向感を模索する中、相場の力を溜め込む時間帯/局面であると捉えて良いでしょう。
足もとでの注目ポイントは・・・青色雲の上辺である先行1スパンをメドとする「168.390円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「168.390円」で下値サポートされた場合は、「(下値支持帯での)下値固め」→「上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの上放れ」や「SARの買いサインへの転換」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、4月29日に付けた直近高値水準である「171.500円」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する動きとなりそうです。
[シナリオ②-1]
一方で、「168.390円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「基準線割れ」→「もう一段の下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「BB・-2σライン(≒167.700円)割れ」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、青色雲の下辺である先行2スパンをメドとする「166.880円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。
[シナリオ②-2]
さらに、「166.880円」を割り込んだ場合は、「下値支持帯割れ」→「下値切り下げ」へのトリガーとなり得そうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”」や「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの示現」、また「-DI>+DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、5月1日に付けた直近安値水準である「163.930円」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②(1、2)を概括すると、現下のユーロ/円は方向感を模索する相場付きとなる中、当面※は「166.880~171.500円」を“主戦場”(コアレンジ)とする相場付きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
なお、[シナリオ②-2]において下値メドとして記載した「163.930円」については、“テクニカル理論上あり得る水準”として捉えるべきでしょう。
足もとでは、日本時間午後9時15分に発表されるECB(欧州中銀)理事会による政策金利発表とともに、同午後9時45分からのラガルドECB総裁会見の内容が、ユーロ/円の相場動意となりそうです。今般の理事会では0.25%の利下げが市場のコンセンサスとなる中、追加利下げに関するヒントの有無が重要な要素となりそうです。
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