ウイングアーク Research Memo(2):ビッグデータを「新しい資源」と捉え、ソフトウェア及びサービスを提供

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最新投稿日時:2024/05/21 15:52 - 「ウイングアーク Research Memo(2):ビッグデータを「新しい資源」と捉え、ソフトウェア及びサービスを提供」(フィスコ)

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ウイングアーク Research Memo(2):ビッグデータを「新しい資源」と捉え、ソフトウェア及びサービスを提供

配信元:フィスコ
投稿:2024/05/21 15:52
*15:52JST ウイングアーク Research Memo(2):ビッグデータを「新しい資源」と捉え、ソフトウェア及びサービスを提供 ■ウイングアーク1st<4432>の会社概要

1. 会社概要
同社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future. 情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げ、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指している。現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加している。また、働き方改革等による業務の効率化のニーズも高まってきている。同社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」として捉えており、この資源を活用して企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っている。


MBOから7年半。経営基盤の強化や事業構造の再構築などを経て、2021年3月に再上場
2. 沿革
同社は、2004年3月に翼システム(株)情報企画事業部のソフトウェア事業(現 データエンパワーメント事業)を譲り受け、ウイングアークテクノロジーズ(株)に商号を変更した。

同社グループにてデータエンパワーメント事業を開始したのは2004年3月からである。事業譲受したソフトウェア事業は、当時の主力事業であった自動車整備向けパッケージソフト以外のソフトウェア分野での新規事業化を目的に、翼システムにおいて社内ベンチャーという位置付けで1993年10月に発足した。その後、同社グループの現在の主力製品となっている帳票開発ソフトウェア「Super Visual Formade」(以下、「SVF」)を1996年12月に、多次元高速集計検索エンジン「Dr.Sum」を2001年5月にそれぞれリリースし、事業として立ち上げた。その後、翼システムは2004年3月に情報企画事業部を売却し資金化することとなり、(株)アドバンテッジパートナーズをスポンサーとして、(株)エイ・ピー・ツーへ事業譲渡を行った。同時にエイ・ピー・ツーは商号をウイングアークテクノロジーズに変更した。事業譲受以降は、2009年11月に会社分割によりウイングアークテクノロジーズを新たに設立し、同社のデータエンパワーメント事業を承継し、同社の商号を1stホールディングス(株)(旧 1stホールディングス)に変更した。その後、2010年12月に大証JASDAQ(スタンダード)に上場し、2012年2月には東証2部へ市場変更を行った。

ただ、2013年4月にオリックス<8591>をスポンサーとして、モノリスホールディングス(株)が旧 1stホールディングス※の株式を対象にTOB(株式公開買い付け)を実施し、同年5月に成立したことを受け、同年9月に同市場への上場を廃止した。

※モノリスホールディングスは、旧 1stホールディングスの株式取得を目的として、旧 1stホールディングスの代表取締役社長であった内野弘幸(うちのひろゆき)氏(現 同社取締役会長)により2012年11月に設立された。


2013年当時の日本のIT市場は、同社が主力としていた旧来の基幹システムを中心としたビジネスモデルからクラウドやビッグデータに代表される新しい技術やプラットフォームへの移行が急速に進みつつあった。世界的にも米国Amazon.comが提供するクラウドプラットフォームサービス「Amazon Web Service」や米国salesforce.comが提供するクラウドプラットフォームサービス「Force.com」など世界をシームレスにつなぐ廉価かつ高品位のPaaS(Platform as a Service)の加速度的普及が見られた。その結果、アプリケーションソフトウェアベンダーは、PaaSベンダーが提供するクラウドプラットフォームを利用することにより、自社のアプリケーションソフトウェアをグローバルなクラウドサービスとして比較的簡単に提供できるようになった。このようなソフトウェア産業における構造転換は、世界の強豪アプリケーションソフトウェアベンダーが日本市場に参入する障壁を大幅に引き下げるものであり、日本市場で競争が激化していった。

このような状況のなか、旧 1stホールディングスの取締役会は、将来にわたって安定的かつ持続的に同社の企業価値を向上させていくためには、(1) 事業構造の再構築(グループ内子会社の再編、人的・物的資源の再配分、業務プロセスの改善及び見直し等による事業構造の再構築)(2) 製品開発力強化(第三者との資本・業務提携による製品開発力の強化)(3) グローバル化(アジア圏を含むグローバル市場の開拓)(4) 新規事業の創出(クラウド・ビッグデータ時代に対応した新製品・新サービスの展開を通じた成長戦略の遂行をさらに加速)といった課題を解決することが急務であると判断した。そして、上場を維持したまま、これらの施策を実行した場合には、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化などを伴うリスクがあったため、MBO(Management Buyout)による非公開化という決断に至ったのである。

2013年12月には、モノリスホールディングスを存続会社として1stホールディングスを吸収合併し、商号を1stホールディングスへ変更した。さらに2014年3月には、商号をウイングアーク1st(以下、旧 ウイングアーク1st)に変更した。

WACホールディングス(株)は、旧 ウイングアーク1stの全株式を取得する目的でThe Carlyle Groupが運営する投資ファンドであるCJP WA Holdings, L.P.により、2016年3月に設立された。WACホールディングスは、LBO(Leveraged Buyout)を実施し、自己資金のほか、外部資金調達として金融機関からの借入(31,500百万円の調達)を行い、内野弘幸氏及びオリックスの子会社であるOPI2002投資事業組合から、旧ウイングアーク1stの全株式を2016年4月に取得した。その後、WACホールディングスは同年6月を効力発生日として、旧ウイングアーク1stを消滅会社とする吸収合併を行い、同日付でWACホールディングスの商号をウイングアーク1stに変更した。

非上場化以降、同社は当時認識していた課題に迅速に対処することにより、基幹システムを中心とした安定的なビジネスやパートナーシップによる広範な営業網等、ビジネス領域の拡大と経営基盤の強化を両立に取り組んだ。2018年3月には東洋ビジネスエンジニアリング(株)(現 ビジネスエンジニアリング(株))へ出資し、東洋ビジネスエンジニアリングが強みとする製造業向けアプリケーションと同社のソフトウェア及びサービスを組み合わせたソリューション開発を進めている。また、2018年9月に伊藤忠商事<8001>及び鈴与(株)、2019年11月にデータ・アプリケーション<3848>、Sansan<4443>、(株)帝国データバンク及び伊藤忠商事、2020年11月にPKSHA Technology<3993>及び東芝デジタルソリューションズ(株)と資本・業務提携契約を締結し、共同での販路開拓やソリューション開発を進めている。そして、MBOの目的であった、同社の競争優位性を維持し、将来にわたって安定的かつ持続的に企業価値を向上させるという一定の目的を達成したと判断し、2021年3月に再上場した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 井上 康)

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配信元: フィスコ

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