テックポイント Research Memo(1):2023年12月期は後半巻き返し、増収減益に

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最新投稿日時:2024/04/10 13:51 - 「テックポイント Research Memo(1):2023年12月期は後半巻き返し、増収減益に」(フィスコ)

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テックポイント Research Memo(1):2023年12月期は後半巻き返し、増収減益に

配信元:フィスコ
投稿:2024/04/10 13:51
*13:51JST テックポイント Research Memo(1):2023年12月期は後半巻き返し、増収減益に ■要約

テックポイント・インク<6697>は、HD監視カメラシステムと自動車用インフォテインメントシステム(情報の提供(インフォメーション)と娯楽の提供(エンターテインメント))を対象とした独自のHDビデオ接続技術を開発しているファブレス半導体メーカーである。米国に複数の設計拠点と、中国、台湾、韓国、日本の各地にオフィスを持ち、ターゲット市場において最先端の技術を確立している。直近では、画素数が800万画素の4Kカメラ向けCMOSイメージセンサー用半導体のほか、ハイビジョン対応のドアフォン用半導体製品など、車載カメラシステム市場及び監視カメラシステム市場に向けて、付加価値の高い半導体製品を開発し提供している。

1. 2023年12月期業績の概要(米国基準)
2023年12月期業績(米国基準)は、売上高65,645千米ドル(9,310百万円:前期比0.9%増)、営業利益18,025千米ドル(2,556百万円:同6.8%減)、税引前当期純利益20,137千米ドル(2,856百万円:同2.8%増)、同社株主に帰属する当期純利益17,809千米ドル(2,525百万円:同0.8%増)となった。また、財政状態、財務業績、キャッシュ・フロー、その他を対象とする指標であり、米国で広く浸透しているNon-GAAP指標(株式報酬費用控除前の当期純利益)は19,182千米ドル(2,720百万円:同0.6%減)だった。なお、同社は一時的な変動要素と非現金損益項目のなかで、株式報酬費用のみをNon-GAAP指標の調整項目としている。監視カメラシステム市場向け半導体及び車載カメラシステム市場向け半導体の両分野で在庫調整が進むなか、同社は車載カメラ向けの新規案件を複数受注し量産移行したことで、車載カメラシステム市場向け半導体部門は2ケタ増収を果たした。一方で監視カメラシステム市場向け半導体部門は、在庫調整と製品構成の変化による平均売価の低下により減収となり、全体としては前期比微増の売上高となった。利益面は、研究開発費の減少はあったものの、平均販売価格の低下と製品構成の変化に伴う売上総利益率の低下が響き、前期比減益となった。

注:同社の財務会計は米国会計基準(US-GAAP)、米国ドル建てにて行われている。日本における同社の開示及び本レポートに記載する円貨の値は該当決算期末日における為替相場による換算値であって正規の財務会計の数値ではない。

2. 2024年12月期業績の見通し(米国基準)
2024年12月期業績(米国基準)は、売上高72,206千米ドル(10,240百万円:前期比10.0%増)、営業利益17,321千米ドル(2,456百万円:同3.9%減)、税引前当期純利益19,321千米ドル(2,740百万円:同4.1%減)、同社株主に帰属する当期純利益17,196千米ドル(2,438百万円:同3.4%減)を見込んでいる。また、Non-GAAP指標は18,620千米ドル(2,640百万円:同2.9%減)を計画している。2024年も世界の半導体需要は、AI関連を除いて大半のセグメントにおいて在庫調整が継続する可能性が予測されるなか、同社の車載カメラシステム市場向け半導体部門では、2023年12月期の業績に寄与した製品の量産効果が続くものと想定しており、前期比12.5%から15%の増収が可能と見込んでいる。監視カメラシステム市場向け半導体部門においても、世界全体の半導体需要の動向を受けて、前期並みから4.4%程度の増収を見込んでいる。利益面では2024年12月期に大幅な研究開発投資の増額を予定していることもあり、前期比減益を予想している。なお、この業績予想においては市場投入前の新製品(生産プロセスを改訂した新ISP製品やドアフォン向け半導体)は、需要家の在庫調整の進捗により採用時期や採用率が左右されるため見通しが困難なことから織り込まれていない。同社としては採用時期が明らかになった時点で開示を予定している。

3. 事業環境
半導体業界は電子デバイスの販売不振の影響を大きく受け、世界的な成長鈍化に直面している。電子デバイスメーカーは、足元では依然として、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う半導体供給不足に対応するために積み増した在庫を通常在庫へ戻す調整プロセスを継続している。同社の業績に大きな影響を与える中国本土の需要家である電子機器工場については、米中経済摩擦による将来の調達不安から半導体部品を買い溜めする傾向が強く、そのための在庫過多の状況が部品需給の健全化をさらに遅らせているという状況にある。監視カメラシステム、車載カメラシステムを含む電子デバイスメーカーの多くにおいても、新モデルの開発には慎重で、開発に踏み切るメーカーは限定的である。ただし、在庫調整について一部の需要家においては需給健全化の兆しが見られる。特に車載カメラシステム市場向け半導体分野の一部の需要家が需要予測を引き上げているほか、監視カメラシステム市場向け半導体分野でも世界各地の市中の完成品需要に回復の傾向が見られる。今後は監視カメラシステム市場向け半導体分野や車載カメラシステム市場向け半導体分野の需要家による過剰在庫の調整がさらに進み、部品の追加調達が本格化すると予測している。2024年の半導体市況については、ファウンドリー業界の世界最大手である台湾積体電路製造(以下、TSMC)が、前年までの在庫調整を経て2024年通年ではメモリを除く半導体市場全体が前年比10%以上増加すると予測し、ファウンドリー大手のUnited Microelectronics Corporation股フン有限公司(以下、UMC)においても、2024年第1四半期に向けてウェハーの全体需要は緩やかに増加すると予想している。しかし需要家は在庫管理に依然慎重との見解を示しており、引き続き不透明感を拭いきれない状況が続きそうだ。ただし自動車業界については、中国EVメーカー比亜迪股フン有限公司(BYD)などがグローバル成長を加速させており、車載機器や産業機器、及びAI向けは旺盛な需要が継続するものと弊社では見ている。

■Key Points
・車載カメラシステム市場向け半導体製品は新規顧客開拓や新機種向けの受注増により回復基調
・2024年12月期は、車載カメラシステム市場向け半導体の量産効果を見込む
・供給不足への対応で各社が積み増した在庫を通常在庫へ戻す調整プロセスが継続
・2024年12月期以降成長エンジンとなる新製品の業績は織り込まずも、計画達成確度は高い

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ

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