[資源・新興国通貨3/18~22のポイント&注目通貨] 豪・トルコ・メキシコの中銀会合

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最新投稿日時:2024/03/18 12:56 - 「[資源・新興国通貨3/18~22のポイント&注目通貨] 豪・トルコ・メキシコの中銀会合」(八代和也)

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[資源・新興国通貨3/18~22のポイント&注目通貨] 豪・トルコ・メキシコの中銀会合

著者:八代和也
投稿:2024/03/18 12:56

今週のポイント

今週の豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は、18-19日の日銀金融政策決定会合の結果に影響を受けそうです。これまでの報道によって、日銀の政策修正(マイナス金利の解除など)は市場にかなり織り込まれたと考えられます。実際に政策修正が行われたとしても、植田総裁が会見で追加利上げに慎重な姿勢を示せば、クロス円はそれほど下落しないかもしれません。

豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルについては、19-20日の米FOMCの結果に影響を受けそうです。FOMCを受けてFRBの利下げ観測が後退する場合、豪ドル/NZドルとNZドル/米ドルには下落圧力が、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わると考えられます。

RBA(豪中銀)は18-19日に、TCMB(トルコ中銀)とBOM(メキシコ中銀)は21日に政策会合を開きます。RBA会合については、政策金利は据え置かれそうです(*後述)。

TCMBは前回2月の会合で政策金利を45.00%に据え置きました。トルコではインフレ圧力が強まっており、2月のCPI(消費者物価指数)は前年比67.07%と、1月の64.86%から上昇率が加速して、22年11月以来1年3カ月ぶりの高い伸びとなりました。市場ではTCMBの利上げはインフレの抑制には不十分との見方があります。トルコでは31日に地方選が実施されることから、21日の会合で政策金利は据え置かれそうです。その通りになれば、TCMBの声明で4月の会合で利上げが行われる可能性が示されるかどうかに注目です。声明が4月の利上げ観測を強めるような内容にならなければ、トルコリラ安圧力はさらに強まる可能性があります。

メヒアBOM副総裁は13日に「金利の調整(利下げ)を考えるのは時期尚早ではない」と述べ、「政策金利を調整する余地はある」と語りました。会合では利下げすることが決定されそうです。ただ、声明で追加利下げに慎重な姿勢が示されれば、メキシコペソはそれほど下落しない可能性があります。今後もBOMの政策金利が主要国と比べて高い状況に大きな変化はないと考えられるためです。

原油価格の動向が材料になる可能性があります。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は14日に一時1バレル=81.62ドルへと上昇し、23年11月上旬以来の高値をつけました。原油価格の上昇が続く場合、カナダドルやメキシコペソなど資源国通貨を下支えしそうです。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.08500NZドル>

3月18-19日にRBA(豪中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は19日に発表され、その結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。

会合では政策金利を4.35%に据え置くことが決定されると考えられます。その通りの結果になれば、RBAの声明や会合後に行われるブロック総裁の会見が材料になりそうです。前回会合以降に発表された豪州の経済指標は弱めの結果でした。23年10-12月期のGDP(国内総生産)は前期比0.2%と市場予想の0.3%を下回り、1月の失業率は4.1%と市場予想の4.0%よりも弱く、1月のCPI(消費者物価指数)は前年比3.4%と市場予想の3.6%を下回りました。

声明やブロック総裁の会見では、RBAのタカ派的な金融政策スタンスが弱まるかどうかに注目です。RBAは前回2月5-6日の会合時の声明で「さらなる金利の上昇を排除できない」とし、追加利上げに含みを持たせました。RBAのタカ派的なスタンスに変化がなければ、豪ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/NZドルは上昇する可能性があります。

21日にはNZの23年10-12月期のGDPが発表されます。GDPが市場予想の前期比0.1%を下回る結果になれば、NZ景気の弱さが市場で改めて意識されるとともに、NZドル安材料になるかもしれません。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.37000カナダドル>

今週(3/18- )の米ドル/カナダドルは、19-20日の米FOMCの結果に大きく影響を受けそうです。FOMCについては、政策金利は据え置かれると考えられます。FOMC参加者による政策金利見通しやパウエルFRB議長の会見が、FRBの利下げ観測を後退させるような内容になれば、米ドルが全般的に堅調に推移すると考えられます。その場合、米ドル/カナダドルは1.36212カナダドル(23/11/30高値)を超える可能性があります。

カナダの2月CPI(消費者物価指数)が19日に発表されます。市場では、BOC(カナダ中銀)は6月か7月に利下げを行うとの観測があります。CPIが弱い結果になれば、6月の利下げ観測が強まると考えられ、その場合にはカナダドルが軟調に推移しそう。米ドル/カナダドルを下支えすると考えられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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