*13:01JST プロパスト Research Memo(1):経済環境に応じて最適な事業に注力し、堅調な業績を実現
■要約
1. 分譲開発費業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を展開
プロパスト<3236>は、東京証券取引所「スタンダード市場」に上場する総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3事業を展開し、その時々の経済環境に応じて最適な事業に注力している。同社は都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、扱う物件の特長は都市生活を満喫できるような高いデザイン性にある。競争の激しい首都圏のマンション市場をターゲットにしながら、情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けている。
2. 2024年5月期第2四半期の業績概要
2024年5月期第2四半期累計の売上高は17,618百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益2,681百万円(同16.6%増)、経常利益2,427百万円(同15.6%増)、四半期純利益1,695百万円(同8.1%増)と増収増益決算となった。分譲開発事業は、自社物件の全戸引き渡ししが完了したことで、売上高は3,755百万円(前年同期は計上なし)、営業利益(全社費用控除前、以下同様)は443百万円(前年同期は3百万円の損失)を計上した。賃貸開発事業は、15物件を売却し、売却物件が大型化したうえ地域優位性や企画が評価されたことで、売上高11,627百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益2,512百万円(同8.7%増)の増収増益となった。バリューアップ事業は、5物件を収益性の高いエリアで売却したものの、販売棟数が減少した結果、売上高2,235百万円(同43.3%減)、営業利益297百万円(同49.7%減)の減収減益となった。以上から、保有物件の売却を進めた結果、資産合計は減少したが、利益剰余金の増加により純資産が増加したことで自己資本比率は37.0%に上昇し、同社の財務の安全性はさらに改善している。
3. 2024年5月期業績見通し
2024年5月期通期については、第2四半期決算を踏まえて業績見通しを修正し、新たに売上高23,274百万円(前期比16.3%増)、営業利益2,700百万円(同5.6%増)、経常利益2,176百万円(同3.7%増)、当期純利益1,531百万円(同2.0%減)を計画している。売上高の小幅減額修正については、賃貸開発事業では、当初計画よりも販売棟数が減少するものの、大型プロジェクトにおいて前倒しでの売却が見込まれており、販売棟数の減少を金額面から一部補完できる見込みである。バリューアップ事業では、地価や建築費上昇に伴って当初計画よりも販売棟数の減少が大きく、売上高の減少を見込む。分譲開発事業については、当初計画どおり第2四半期決算での新規物件販売の売上高を織り込む。一方、営業利益の当初計画比51.8%増の大幅な増額修正については、賃貸開発事業で大型プロジェクトを中心に当初計画以上の販売価格で物件売却が進んだことにより、収益性の向上が見込まれるためだ。バリューアップ事業では、販売棟数の減少の影響が大きいため減益を見込む。分譲開発事業については、計画どおり第2四半期決算での新規物件販売の利益を織り込んでいる。以上の結果、営業利益は、業績が極めて好調だった2022年5月期及び2023年5月期実績を上回る水準を計画している。同社では、慎重な業績予想を発表することから、修正予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。また、2024年5月期末での自己資本比率30%の目標達成を見込んで、1株当たり4.0円への増配(前期比2.0円増)を予定している。強固な財務体質を維持する一方で、株主還元の充実にも配慮している。
4. 2025年5月期以降の業績見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は高値で横ばいながら、販売戸数は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う2020年前半の落ち込みからは回復したものの、2021年以降も低水準での推移が続いている。足元では地価及び建築費がともに上昇しており、新築マンションの販売価格は一段と上昇する可能性や利益率を押し下げる可能性がある。ただ首都圏のマンション人気は底堅く、長期的にも都心の好立地マンションへのニーズは根強いと見られる。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2025年5月期以降も堅調な業績を継続すると弊社では見ている。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開し、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長
・2024年5月期第2四半期は大幅な増収増益決算。主力の賃貸開発事業が好決算をけん引。自己資本比率は大きく上昇し、2024年5月期末には目標とする30%達成に近づく見通し
・2024年5月期の業績は、期初の利益計画を大幅に増額修正したが、地価及び建築費の上昇の影響を織り込み、引き続き慎重な予想。増配を計画し株主還元にも配慮
・2025年5月期以降も、3事業が補完することで堅調な業績を継続すると見る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HH>
1. 分譲開発費業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を展開
プロパスト<3236>は、東京証券取引所「スタンダード市場」に上場する総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3事業を展開し、その時々の経済環境に応じて最適な事業に注力している。同社は都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、扱う物件の特長は都市生活を満喫できるような高いデザイン性にある。競争の激しい首都圏のマンション市場をターゲットにしながら、情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けている。
2. 2024年5月期第2四半期の業績概要
2024年5月期第2四半期累計の売上高は17,618百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益2,681百万円(同16.6%増)、経常利益2,427百万円(同15.6%増)、四半期純利益1,695百万円(同8.1%増)と増収増益決算となった。分譲開発事業は、自社物件の全戸引き渡ししが完了したことで、売上高は3,755百万円(前年同期は計上なし)、営業利益(全社費用控除前、以下同様)は443百万円(前年同期は3百万円の損失)を計上した。賃貸開発事業は、15物件を売却し、売却物件が大型化したうえ地域優位性や企画が評価されたことで、売上高11,627百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益2,512百万円(同8.7%増)の増収増益となった。バリューアップ事業は、5物件を収益性の高いエリアで売却したものの、販売棟数が減少した結果、売上高2,235百万円(同43.3%減)、営業利益297百万円(同49.7%減)の減収減益となった。以上から、保有物件の売却を進めた結果、資産合計は減少したが、利益剰余金の増加により純資産が増加したことで自己資本比率は37.0%に上昇し、同社の財務の安全性はさらに改善している。
3. 2024年5月期業績見通し
2024年5月期通期については、第2四半期決算を踏まえて業績見通しを修正し、新たに売上高23,274百万円(前期比16.3%増)、営業利益2,700百万円(同5.6%増)、経常利益2,176百万円(同3.7%増)、当期純利益1,531百万円(同2.0%減)を計画している。売上高の小幅減額修正については、賃貸開発事業では、当初計画よりも販売棟数が減少するものの、大型プロジェクトにおいて前倒しでの売却が見込まれており、販売棟数の減少を金額面から一部補完できる見込みである。バリューアップ事業では、地価や建築費上昇に伴って当初計画よりも販売棟数の減少が大きく、売上高の減少を見込む。分譲開発事業については、当初計画どおり第2四半期決算での新規物件販売の売上高を織り込む。一方、営業利益の当初計画比51.8%増の大幅な増額修正については、賃貸開発事業で大型プロジェクトを中心に当初計画以上の販売価格で物件売却が進んだことにより、収益性の向上が見込まれるためだ。バリューアップ事業では、販売棟数の減少の影響が大きいため減益を見込む。分譲開発事業については、計画どおり第2四半期決算での新規物件販売の利益を織り込んでいる。以上の結果、営業利益は、業績が極めて好調だった2022年5月期及び2023年5月期実績を上回る水準を計画している。同社では、慎重な業績予想を発表することから、修正予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。また、2024年5月期末での自己資本比率30%の目標達成を見込んで、1株当たり4.0円への増配(前期比2.0円増)を予定している。強固な財務体質を維持する一方で、株主還元の充実にも配慮している。
4. 2025年5月期以降の業績見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は高値で横ばいながら、販売戸数は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う2020年前半の落ち込みからは回復したものの、2021年以降も低水準での推移が続いている。足元では地価及び建築費がともに上昇しており、新築マンションの販売価格は一段と上昇する可能性や利益率を押し下げる可能性がある。ただ首都圏のマンション人気は底堅く、長期的にも都心の好立地マンションへのニーズは根強いと見られる。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2025年5月期以降も堅調な業績を継続すると弊社では見ている。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開し、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長
・2024年5月期第2四半期は大幅な増収増益決算。主力の賃貸開発事業が好決算をけん引。自己資本比率は大きく上昇し、2024年5月期末には目標とする30%達成に近づく見通し
・2024年5月期の業績は、期初の利益計画を大幅に増額修正したが、地価及び建築費の上昇の影響を織り込み、引き続き慎重な予想。増配を計画し株主還元にも配慮
・2025年5月期以降も、3事業が補完することで堅調な業績を継続すると見る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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