「140.000円」割れ=フェーズ(局面)転換トリガーとなるか
【注目ポイント】「140.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「150.000円」手前付近までの上昇も視野
【シナリオ②】同レート割れなら、「130.000円」付近までの下落もあり得そう
【要注意事項】年末年始のマーケットにおける市場参加者減少に伴う流動性低下
足もとの米ドル/円は200日MA(移動平均線)を割り込み、昨日(28日)には7月28日以来の安値となる「140.244円」まで一時的に下落する動きとなっています。そんな中、チャートのタイムフレームを週足に替えて見てみましょう。
上図(週足チャート)の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週MAが横向きとなっていること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)になっていること、3) ローソク足が青色雲(=サポート帯、先行スパン)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・週足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MAやBB(ボリンジャーバンド)・-2σライン、および青色雲の下辺である先行2スパンをメドとする「140.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「140.000円」で下値サポートされた場合は、「下値支持線(帯)での値固め」→「反発/上昇フロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転フェイク(ダマし)”」や「SARの買いサインへの転換」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・+1σラインをメドとし、同時に心理的な節目でもある「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)手前付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「140.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「下値支持線(帯)割れ」→「下降モメンタム強化」へのトリガーとなり得そうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”」や「(BB・±2σラインの拡張である)“エクスパンション”の進展」、また「-DI>+DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、今年の3月に付けたレート水準である「130.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落もあり得そうです。この場合は、米ドル/円が週足ベースにおいて下降トレンドへとフェーズ(局面)転換したものと捉えるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後の米ドル/円にとって「140.000円」ラインはテクニカル的なベンチマークのみならず、心理的な節目として極めて重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”として捉えるべきでしょう。
※上記シナリオ①、②の上下メドについては、今後1カ月程度のスパンを想定しています。
最後に。特に年末年始のマーケットでは、市場参加者の減少に伴う流動性の低下もあり、材料次第では「投げ売り」や「狼狽売り」といった心理的な側面に加え、アルゴリズム取引が誘引するフラッシュクラッシュ的な展開となる可能性もあります。よって、トレードにおいてはリスク管理を最優先事項としていただければ幸いです。
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