*14:25JST テックポイント Research Memo(5):監視カメラシステム向け落ち込みも車載カメラシステム向けの伸びでカバー
■今後の見通し
1. 2023年12月期業績の見通し(米国基準)
テックポイント・インク<6697>の2023年12月期の業績(米国基準)は、売上高62,812千米ドル(9,107百万円:前期比3.5%減)、営業利益16,010千米ドル(2,321百万円:同17.3%減)、税引前当期純利益18,010千米ドル(2,611百万円:同8.1%減)、同社株主に帰属する当期純利益16,209千米ドル(2,350百万円:同8.2%減)を見込んでいる。また、Non-GAAP指標は17,840千米ドル(2,586百万円:同7.6%減)を計画している。
同社は期初の予想を変更していない。同社によると2023年の世界半導体の市場規模は前年比3.6%~最大22%減少すると予測されており、既存製品の販売を前期比3.5%減収と予想している。新規顧客開拓と新機種採用に注力し、市場予想最小値以下に抑える計画である。監視カメラシステム市場は下期に入っても在庫調整が続いており、2024年12月期第1~2四半期まで回復しないと同社では予想している。一方、車載カメラシステム市場は、全体では在庫調整が続いているものの、メーカーによっては状況が落ち着き、同社の新規開拓した顧客や既存顧客からの受注は増加傾向にあり第3四半期は売上が伸びている。こうした状況を受けて、同社は、第3四半期の売上高を第2四半期比で4.2%増、前年同期比では2.8%増と予想している。通期では、監視カメラシステム市場向け半導体製品の落ち込みを車載カメラシステム市場向け半導体製品の伸びでカバーし、期初の計画を達成する考えだ。車載カメラシステム市場向け製品の売上比率は、第2四半期で63.6%と期初予想の60%を上回り、通期では比率がさらに高まる見通しである。また、新製品(CMOSイメージセンサー、ドアフォン向け半導体)の業績への貢献は、採用時期・採用率がメーカーの在庫調整の進捗に左右されるため見通しが困難であることから、計画には織り込んでおらず、既存製品のみを対象としている。
なお、従来ファウンドリ側で受注余力のなかったカメラ送信側(ISP+Tx)のノード微細化については、ファウンドリ側での受注が決定した。2023年12月期末から2024年12月期第1四半期にかけてサンプルが完成し、2024年12月期第2~3四半期にかけて売上に貢献し始める計画である。これにより、ウエハーコストが下がり、他社製品に対する価格競争力が高まる。受信側(RX)と送信側(ISP+Tx)の出荷比率は、従来の10:1からセットでの購入により10:10まで改善する可能性があり、現在の受信側(RX)の数量が続いたとしても売上が最大80%近く成長する余地を持つことになる。微細化製品は2024年からの量産を計画している。
2. 研究開発の進捗状況
2023年12月期第2四半期の研究開発費は3,543千米ドルと前年同期比675千米ドル(同16.0%)減少したが、通期では、期初予想どおり8,000千米ドルと前期比200千米ドル(同2.6%)増加を見込んでいる。下期に新機種に対応した積極的なテープアウトなどを実施する計画だ。開発済み新製品であるCMOSイメージセンサー、ドアフォン用の半導体製品はサンプル出荷を継続しており、CMOSイメージセンサーについてはメーカーの在庫調整が一段落した時点での拡販を計画している。ドアフォン用半導体については複数社で採用が内定し、2023年12月期第4四半期より少量からの量産をスタートする計画であり、いずれも2024年12月期に本格化する見込みである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2023年12月期業績の見通し(米国基準)
テックポイント・インク<6697>の2023年12月期の業績(米国基準)は、売上高62,812千米ドル(9,107百万円:前期比3.5%減)、営業利益16,010千米ドル(2,321百万円:同17.3%減)、税引前当期純利益18,010千米ドル(2,611百万円:同8.1%減)、同社株主に帰属する当期純利益16,209千米ドル(2,350百万円:同8.2%減)を見込んでいる。また、Non-GAAP指標は17,840千米ドル(2,586百万円:同7.6%減)を計画している。
同社は期初の予想を変更していない。同社によると2023年の世界半導体の市場規模は前年比3.6%~最大22%減少すると予測されており、既存製品の販売を前期比3.5%減収と予想している。新規顧客開拓と新機種採用に注力し、市場予想最小値以下に抑える計画である。監視カメラシステム市場は下期に入っても在庫調整が続いており、2024年12月期第1~2四半期まで回復しないと同社では予想している。一方、車載カメラシステム市場は、全体では在庫調整が続いているものの、メーカーによっては状況が落ち着き、同社の新規開拓した顧客や既存顧客からの受注は増加傾向にあり第3四半期は売上が伸びている。こうした状況を受けて、同社は、第3四半期の売上高を第2四半期比で4.2%増、前年同期比では2.8%増と予想している。通期では、監視カメラシステム市場向け半導体製品の落ち込みを車載カメラシステム市場向け半導体製品の伸びでカバーし、期初の計画を達成する考えだ。車載カメラシステム市場向け製品の売上比率は、第2四半期で63.6%と期初予想の60%を上回り、通期では比率がさらに高まる見通しである。また、新製品(CMOSイメージセンサー、ドアフォン向け半導体)の業績への貢献は、採用時期・採用率がメーカーの在庫調整の進捗に左右されるため見通しが困難であることから、計画には織り込んでおらず、既存製品のみを対象としている。
なお、従来ファウンドリ側で受注余力のなかったカメラ送信側(ISP+Tx)のノード微細化については、ファウンドリ側での受注が決定した。2023年12月期末から2024年12月期第1四半期にかけてサンプルが完成し、2024年12月期第2~3四半期にかけて売上に貢献し始める計画である。これにより、ウエハーコストが下がり、他社製品に対する価格競争力が高まる。受信側(RX)と送信側(ISP+Tx)の出荷比率は、従来の10:1からセットでの購入により10:10まで改善する可能性があり、現在の受信側(RX)の数量が続いたとしても売上が最大80%近く成長する余地を持つことになる。微細化製品は2024年からの量産を計画している。
2. 研究開発の進捗状況
2023年12月期第2四半期の研究開発費は3,543千米ドルと前年同期比675千米ドル(同16.0%)減少したが、通期では、期初予想どおり8,000千米ドルと前期比200千米ドル(同2.6%)増加を見込んでいる。下期に新機種に対応した積極的なテープアウトなどを実施する計画だ。開発済み新製品であるCMOSイメージセンサー、ドアフォン用の半導体製品はサンプル出荷を継続しており、CMOSイメージセンサーについてはメーカーの在庫調整が一段落した時点での拡販を計画している。ドアフォン用半導体については複数社で採用が内定し、2023年12月期第4四半期より少量からの量産をスタートする計画であり、いずれも2024年12月期に本格化する見込みである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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