今週のポイント
今週は、米FOMC、日銀金融政策決定会合があります。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルはFOMCの結果に、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は日銀会合の結果に大きく影響を受けそうです。FOMCを受けて米ドルが全般的に堅調に推移すれば、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは下値を試し、一方で米ドル/カナダドルは上値を試す展開が想定されます。日銀会合を受けてマイナス金利の解除など金融政策の修正観測が後退する場合、円が全般的に軟調に推移してクロス円は上値を試す可能性があります。
米ドル/円が上昇する場合、本邦当局の対応に注目です。政府・日銀による為替介入(米ドル売り/円買い介入)への警戒感が市場で高まる場合、米ドル/円がいったん下落して、豪ドル/円などのクロス円も引きずられるかもしれません。
原油の需給がひっ迫するとの懸念から原油価格が上昇傾向にあり、米WTI原油先物は18日に一時1バレル=92ドル台へと上昇し、22年11月以来の高値をつけました。原油価格が一段と上昇すれば、カナダドルやメキシコペソにとってプラスになると考えられます。
21日にSARB(南アフリカ中銀)の政策会合があります。SARBは前回7月の会合で政策金利を8.25%に据え置きました。南アフリカの7月CPIは前年比4.7%と、上昇率は6月の5.4%から鈍化し、SARBのインフレ目標(3~6%)内に2カ月連続で収まったことから、SARBは21日の会合で前回に続いて政策金利を据え置きそうです。市場では、“SARBの利上げサイクルは終了し、次の一手は利下げになる”との観測があります。SARBの声明やクガニャゴ総裁の会見がこの観測を強めるような内容になれば、南アフリカランドが軟調に推移しそうです。
今週の注目通貨ペア(1): <豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.09500NZドル>
豪ドル/NZドルは6月下旬以降、おおむね1.07NZドル~1.09NZドル台半ばで上下動を繰り返しており、方向感が乏しい状況です。その主な要因として、市場では“RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)のいずれも、政策金利を当面据え置く”との見方が有力なことが挙げられます。
今週は、21日にNZの4-6月期GDP(国内総生産)が発表されます。GDPの結果に豪ドル/NZドルが反応したとしても、市場のRBNZの金融政策見通しを大きく変えるものでなければ、豪ドル/NZドルは1.07NZドル~1.09NZドル台半ばの動きが続きそうです。
今週の注目通貨ペア(2): <トルコリラ/円 予想レンジ:5.000円~5.800円>
21日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。トルコリラはこの結果に反応する可能性があります。
6月にエルカン氏が総裁に就任してからTCMBは3会合連続で利上げを実施しており(合計16.50%)、現在の政策金利は25.00%です。トルコの8月CPI(消費者物価指数)は前年比58.94%と、上昇率は7月の47.83%から加速しました。また、エルドアン・トルコ大統領は6日に「金融引き締めの支援を受けてインフレ率を一桁に引き下げる」と、利上げを認めるかのような発言をしました。TCMBは21日の会合でさらに利上げすると考えられ、注目点は利上げ幅になりそうです。利上げ幅が市場予想の中央値である5.00%を上回れば、トルコリラ/円は底堅く推移する可能性があります。
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