*15:31JST GMOメディア Research Memo(1):国策のリスキリング関連サービスが急成長、業績は会社計画を上回るペース
■要約
GMOメディア<6180>は、GMOインターネットグループ<9449>のメディア事業会社で、ポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォーム等のメディア運営によって広告収入や課金収入等を得るメディア事業と、メディア事業で蓄積したノウハウ・システムを活用して、他社メディアの収益化を支援するサービスやASP※ 事業が含まれるソリューション事業を展開する。2020年3月にクーポン・チケット購入サイト「くまポン」や「キレイパス」を運営するGMOビューティー(株)(旧GMOくまポン(株))を子会社化した。
※「Affiliate Service Provider」の略で、成功報酬型広告を配信するサービス・プロバイダ。
1. 2023年12月期第2四半期累計業績の概要
2023年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比9.0%増の2,996百万円、営業利益で同63.5%増の333百万円と好調な決算となった。メディア事業のうち、ゲームプラットフォームの広告・課金収益が2ケタ増と好調を持続したほか、投資育成事業である教育関連事業(プログラミングスクールのポータルサイト「コエテコ」「コエテコcampus」等)が前年同期比79.5%増、美容医療関連事業(チケット購入サイト「キレイパス」等)が同30%増といずれも順調に拡大したことが増収要因となった。利益面では、ゲーム関連の伸長に加えて国策の一つとなっているリスキリングの需要拡大を追い風に社会人向け「コエテコ campus」の広告収益が大きく伸長したことが増益要因となった。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績は売上高で前期比7.3%増の6,000百万円、営業利益で同22.4%増の380百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で49.9%、営業利益で87.8%となっており、利益に関しては計画を上回る進捗となっているが、下期も投資育成事業で投資を予定していることや、現段階では業績修正開示ルールの範囲内(利益は計画の1.3倍未満)に収まりそうなことから据え置いたものと見られる。インターネット広告の市場環境については下期も上期と同様の傾向が続く見通しであり、引き続きゲームプラットフォーム事業や投資育成事業の高成長が期待できることから、通期の営業利益は会社計画を上回る公算が大きいと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2020年12月期からスタートした中期経営計画において、2024年12月期に営業利益で510百万円と過去最高を更新する目標を掲げていた(過去最高営業利益は2016年12月期505百万円)。成長戦略としては、既存の収益事業で得た利益を成長領域である教育、美容医療関連事業への投資に振り向けるほか、これら成長領域でDX事業(SaaS事業)を育成することで収益の安定性を高めながら、年率10%以上の持続的成長を目指す。DX事業に関してはまだ投資段階であるものの、事業者の業務効率向上や顧客の利便性向上につながる機能を段階的に開発し強化を進める。直近では「コエテコ」にChatGPTを活用した新機能(口コミの要約や販売アシスタント機能)の導入も開始しており、利便性向上で売上のさらなる成長につなげていく考えだ。また、国策として対策強化が進んでいるIT人材不足の解消に向け、拡大が続くリスキリングや転職の需要を取り込むべく転職支援サイトも2023年内に立ち上げる予定で、新たな収益源になるものとして期待される。市場環境に大きな変化がなければ、2024年12月期の営業利益は会社目標の510百万円を超える可能性も十分あると弊社では見ている。
■Key Points
・2023年12月期第2四半期累計業績はリスキリング関連事業の急成長もあり大幅増益に
・2023年12月期業績は期初計画を据え置くも上振れ余地を残す
・リスキリング需要の拡大により、2024年12月期の営業利益は目標の5.1億円を上回る勢い
・教育・美容医療領域でDX事業の育成に注力、シナジー創出による成長加速をねらう
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
GMOメディア<6180>は、GMOインターネットグループ<9449>のメディア事業会社で、ポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォーム等のメディア運営によって広告収入や課金収入等を得るメディア事業と、メディア事業で蓄積したノウハウ・システムを活用して、他社メディアの収益化を支援するサービスやASP※ 事業が含まれるソリューション事業を展開する。2020年3月にクーポン・チケット購入サイト「くまポン」や「キレイパス」を運営するGMOビューティー(株)(旧GMOくまポン(株))を子会社化した。
※「Affiliate Service Provider」の略で、成功報酬型広告を配信するサービス・プロバイダ。
1. 2023年12月期第2四半期累計業績の概要
2023年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比9.0%増の2,996百万円、営業利益で同63.5%増の333百万円と好調な決算となった。メディア事業のうち、ゲームプラットフォームの広告・課金収益が2ケタ増と好調を持続したほか、投資育成事業である教育関連事業(プログラミングスクールのポータルサイト「コエテコ」「コエテコcampus」等)が前年同期比79.5%増、美容医療関連事業(チケット購入サイト「キレイパス」等)が同30%増といずれも順調に拡大したことが増収要因となった。利益面では、ゲーム関連の伸長に加えて国策の一つとなっているリスキリングの需要拡大を追い風に社会人向け「コエテコ campus」の広告収益が大きく伸長したことが増益要因となった。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績は売上高で前期比7.3%増の6,000百万円、営業利益で同22.4%増の380百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で49.9%、営業利益で87.8%となっており、利益に関しては計画を上回る進捗となっているが、下期も投資育成事業で投資を予定していることや、現段階では業績修正開示ルールの範囲内(利益は計画の1.3倍未満)に収まりそうなことから据え置いたものと見られる。インターネット広告の市場環境については下期も上期と同様の傾向が続く見通しであり、引き続きゲームプラットフォーム事業や投資育成事業の高成長が期待できることから、通期の営業利益は会社計画を上回る公算が大きいと弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2020年12月期からスタートした中期経営計画において、2024年12月期に営業利益で510百万円と過去最高を更新する目標を掲げていた(過去最高営業利益は2016年12月期505百万円)。成長戦略としては、既存の収益事業で得た利益を成長領域である教育、美容医療関連事業への投資に振り向けるほか、これら成長領域でDX事業(SaaS事業)を育成することで収益の安定性を高めながら、年率10%以上の持続的成長を目指す。DX事業に関してはまだ投資段階であるものの、事業者の業務効率向上や顧客の利便性向上につながる機能を段階的に開発し強化を進める。直近では「コエテコ」にChatGPTを活用した新機能(口コミの要約や販売アシスタント機能)の導入も開始しており、利便性向上で売上のさらなる成長につなげていく考えだ。また、国策として対策強化が進んでいるIT人材不足の解消に向け、拡大が続くリスキリングや転職の需要を取り込むべく転職支援サイトも2023年内に立ち上げる予定で、新たな収益源になるものとして期待される。市場環境に大きな変化がなければ、2024年12月期の営業利益は会社目標の510百万円を超える可能性も十分あると弊社では見ている。
■Key Points
・2023年12月期第2四半期累計業績はリスキリング関連事業の急成長もあり大幅増益に
・2023年12月期業績は期初計画を据え置くも上振れ余地を残す
・リスキリング需要の拡大により、2024年12月期の営業利益は目標の5.1億円を上回る勢い
・教育・美容医療領域でDX事業の育成に注力、シナジー創出による成長加速をねらう
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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