*15:45JST nms Research Memo(5):ビジネスモデルの特長を最大化し、売上高・利益ともに継続的な成長を計画
■新・中期経営計画
nmsホールディングス<2162>は4月24日に新・中期経営計画を公表し、2026年3月期を最終年度とする目標を掲げた。最終年度である2026年3月期に売上高1,000億円、営業利益42億円を目指す。2023年3月期の売上高790億円、営業利益15.3億円から大幅な成長を見込む。初年度である2024年3月期は一部顧客の在庫調整が利益の圧迫要因となるが、2025年3月期以降は製造業の人手不足を背景としたHS事業の成長や、北米EMS事業の業績寄与など、独自性のあるビジネスモデルの特長を最大化し、売上高・営業利益ともに継続的な成長を計画している。また、新・中期経営計画期間中の株主還元は、内部留保と成長投資にキャッシュを振り向けながら、利益成長とともに段階的に配当金額を引き上げ、株主還元の強化も進める。
HS事業は2023年3月期の売上高23,260百万円、営業利益1,066百万円に対して、2026年3月期においては売上高35,500百万円、営業利益率約7%を計画している。2023年3月期に実行した施策の効果を定着させ、基盤強化と事業強化の両輪で機動力を上げ、質が伴った成長を実現することを基本方針としている。部分最適と全体最適のバランスを取りながら、強固な経営基盤を構築する計画である。重点施策は、組織の再設計をすることで組織力を強化し、同時にデジタル技術やAIを活用し、事業運営の効率化を加速するとしている。
EMS事業は2023年3月期の売上高38,157百万円、営業利益330百万円に対して、2026年3月期においては売上高47,000百万円、営業利益率3%超を計画している。大量生産品を日本品質で、かつ、より低価格で実現する「メガEMS」と、熟成したマーケットにおける「オーダーメード型EMS」の掛け合わせで全方位展開することが基本方針である。とりわけ新・中期経営計画期間において売上の増加を見込んでいるのはメキシコ及びベトナム拠点である。ベトナム拠点は既に黒字化を実現しており新・中期経営計画期間では年間売上高100億円規模を目指す。依然として損失が残っているメキシコ拠点は赤字幅が減少してきており、単月ベースでは2023年12月以降の安定黒字化を同社では見込んでいる。
PS事業は2023年3月期の売上高17,615百万円、営業利益637百万円に対して、2026年3月期においては売上高17,500百万円、営業利益率6%超を計画している。高圧電源、マグネットロールを中心に体質強化し、ドキュメント市場でシェアを拡大していく。低圧電源においては産業市場(ロボティクス、スマートファクトリー)でのシェア拡大も進めていくのが基本方針である。売上成長を伴う安定的な収益体質への転換を図り、収益性を重視したかじ取りを進める計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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nmsホールディングス<2162>は4月24日に新・中期経営計画を公表し、2026年3月期を最終年度とする目標を掲げた。最終年度である2026年3月期に売上高1,000億円、営業利益42億円を目指す。2023年3月期の売上高790億円、営業利益15.3億円から大幅な成長を見込む。初年度である2024年3月期は一部顧客の在庫調整が利益の圧迫要因となるが、2025年3月期以降は製造業の人手不足を背景としたHS事業の成長や、北米EMS事業の業績寄与など、独自性のあるビジネスモデルの特長を最大化し、売上高・営業利益ともに継続的な成長を計画している。また、新・中期経営計画期間中の株主還元は、内部留保と成長投資にキャッシュを振り向けながら、利益成長とともに段階的に配当金額を引き上げ、株主還元の強化も進める。
HS事業は2023年3月期の売上高23,260百万円、営業利益1,066百万円に対して、2026年3月期においては売上高35,500百万円、営業利益率約7%を計画している。2023年3月期に実行した施策の効果を定着させ、基盤強化と事業強化の両輪で機動力を上げ、質が伴った成長を実現することを基本方針としている。部分最適と全体最適のバランスを取りながら、強固な経営基盤を構築する計画である。重点施策は、組織の再設計をすることで組織力を強化し、同時にデジタル技術やAIを活用し、事業運営の効率化を加速するとしている。
EMS事業は2023年3月期の売上高38,157百万円、営業利益330百万円に対して、2026年3月期においては売上高47,000百万円、営業利益率3%超を計画している。大量生産品を日本品質で、かつ、より低価格で実現する「メガEMS」と、熟成したマーケットにおける「オーダーメード型EMS」の掛け合わせで全方位展開することが基本方針である。とりわけ新・中期経営計画期間において売上の増加を見込んでいるのはメキシコ及びベトナム拠点である。ベトナム拠点は既に黒字化を実現しており新・中期経営計画期間では年間売上高100億円規模を目指す。依然として損失が残っているメキシコ拠点は赤字幅が減少してきており、単月ベースでは2023年12月以降の安定黒字化を同社では見込んでいる。
PS事業は2023年3月期の売上高17,615百万円、営業利益637百万円に対して、2026年3月期においては売上高17,500百万円、営業利益率6%超を計画している。高圧電源、マグネットロールを中心に体質強化し、ドキュメント市場でシェアを拡大していく。低圧電源においては産業市場(ロボティクス、スマートファクトリー)でのシェア拡大も進めていくのが基本方針である。売上成長を伴う安定的な収益体質への転換を図り、収益性を重視したかじ取りを進める計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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