ケアネット Research Memo(8):アウトソース市場は、将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し

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最新投稿日時:2023/03/22 15:08 - 「ケアネット Research Memo(8):アウトソース市場は、将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し」(フィスコ)

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ケアネット Research Memo(8):アウトソース市場は、将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し

配信元:フィスコ
投稿:2023/03/22 15:08
*15:08JST ケアネット Research Memo(8):アウトソース市場は、将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し ■中期経営ビジョン

2. 成長戦略
(1) 医薬DX事業
医薬DX事業を取り巻く市場環境については、製薬企業のプロモーション施策がMRによる人海戦術からeプロモーションを組み合わせたハイブリッド型にシフトしていく流れが続く見通しであり、市場の構造転換によってeプロモーション市場は高成長が続くものとケアネット<2150>は予想している。同社資料から、国内のMR数は2013年をピークに7年連続で減少しており、製薬企業各社を取り巻く事業環境が根本的に変わりつつあることが読み取れる。同社はeプロモーションの市場規模について、現在の約500億円規模(製薬業界全体では1兆3,000~5,000億円)から、将来的にはハイブリッド型を含めたアウトソース市場として3,000~4,000億円と、全体の3~4割を占めるまでに成長すると見ている。なかでも今後新薬の開発が相次ぐスペシャリティ医薬品領域を中心にデジタルエンゲージメントを推進するサービスの提供を通じて、医薬DX市場の拡大をけん引するメインプレーヤーへの成長を目指す。

スペシャリティ医薬品に関しては、プライマリー医薬品とは異なり、より精度の高い医療機関・医師のターゲティングが求められ、効果・安全面の理解のために専門医の研究・処方例に基づく知見と経験の共有が重視される傾向にある。このため、データサイエンスを強化するとともに質の高いオンラインカンファレンスや「MRPlus」、Web講演会などを行うためのプラットフォームを新たに構築する計画となっている。スペシャリティ医薬品領域の拡大に伴い製薬企業のプロモーション費用構造は大きく変容し、社内費用(MR関連費)の減少とアウトソースへの切り替え拡大が予測される。しかし製薬企業には、医薬品の適正使用推進に向け医薬品の品質・有効性・安全性に関する情報の提供・収集・伝達の義務がある。このためMRの役割はスペシャリティ医薬品が処方される急性期病院を中心に、DXの活用と併せてより効率的な情報活動に転換することが予想される。派遣MR(CSO)とeプロモーションの連携、融合(DX)が進展することで、アウトソースサービスの競争力が向上し、市場のさらなる拡大が見込まれる。

DXの推進によるハイブリッドモデルの構築に際しては、ターゲット医師の趣向に合わせた確実な情報の伝達が課題となる。る同社では、CSO企業であるコアヒューマンのグループ化を契機に、既存事業で培ったネット技術により派遣MRのDXを推進し、ネットとデジタルMRのハイブリッドのアプローチで医師への伝達力を向上していく。また、スペシャリティ医薬品向けに、KOLによるインフルエンサーマーケティングを推進する。スペシャリティ医薬品の適正使用促進においては、エビデンスに基づく症例検討が最も効果的であると同社は考えている。同社とKOLとの関係性を最大限に活用し、ハイブリッドによるアプローチで、多忙なKOL同士の貴重な症例検討の機会を創出する。

また、同社では医薬品ステージの上流への進出を掲げており、市販前の臨床試験から市販後の安全性調査まで支援サービスの幅を拡大する。治験計画策定から患者組み入れまでのプロセスを革新するサービスモデルの開発により、治験のスピードアップやコスト削減を実現する。EBPの台頭により、業務のアウトソースは一層拡大しており、治験段階からの製薬企業・医療機関との関係構築により市販後のプロモーション受注拡大への寄与が見込まれる。

今後の製薬企業とのアウトソース事業推進においては、データの収集・分析能力の獲得が必須である。同社では医師会員・提携パートナー・地域中核病院から得られる各種医療データの統合・解析による新規分析サービスの開発を推進する。データソースを拡大し、医薬DXの新規事業開発に 活用するとともに、メディカルプラットフォーム事業やヘルスデータサイエンス事業といった新規事業への活用にも横展開していく。

(2) メディカルプラットフォーム事業
コロナ禍の影響により診療所の経営支援ニーズが一層高まるなかで、同社は医師・医療機関に対してこれまで蓄積してきたノウハウを活用して、教育コンテンツサービスやキャリア支援サービスに加えて診療・経営の効率化につながるサービスを開発し、展開する予定だ。医療機関、特に診療所のDXは遅れており、DX支援サービスの潜在需要は大きいと見られる。

同社では、デジタル化による診療・業務の効率化の余地が大きい診療所のスマート化に取組んでおり、新規開発「スマートクリニック」では、「集患」「診断(問診)」「治療」「継続」「経営」の5つのフェーズごとにサービスを提供する。リモート予約やハイブリッド問診のほか、専門医コンサルティングや患者モニタリング、リクルーティングやクリニック業務効率化支援などのサービスラインナップを拡充する予定である。

同社の優位性としては、5万人を超える診療所開業医の医師会員を有していることに加えて、診療所開業を目指す40代を中心とした病院勤務医の多くが同社の医療教育コンテンツを見て育ったため認知度とブランド力が高く、新規サービスを立ち上げる場合には効率的にプロモーションなどを行える点が挙げられる。

(3) ヘルスデータサイエンス事業
企業の定年延長に伴い企業及び健康保険組合の支出がさらに増加することが予想されるなかで、健康経営に取り組む企業はここ数年増加傾向にあり、健康経営に関する市場規模も拡大することが予想されている。こうしたなか、健康保険組合向けの医療費適正化支援サービスを行う企業はシステム・コンサルティングの両分野で増えているが、医療やヘルスケアの介入サービスと健康保険組合及び企業との連携はいまだ不十分である。そこで同社は、産業医科大学ヘルスマネジメントシステムや東京海上ホールディングスとの戦略的提携を通じて健康データや診療データのビッグデータ分析・アルゴリズム開発を行う。同社が開発するメディカルプラットフォームと各社のサービス・プログラムを連携することで、より効果的な健康管理のプラットフォームの開発・提供を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

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配信元: フィスコ

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