電算システムHD Research Memo(5):2022年12月期は新収益基準の影響も、利益率改善により増収増益

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最新投稿日時:2023/03/20 14:25 - 「電算システムHD Research Memo(5):2022年12月期は新収益基準の影響も、利益率改善により増収増益」(フィスコ)

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電算システムHD Research Memo(5):2022年12月期は新収益基準の影響も、利益率改善により増収増益

配信元:フィスコ
投稿:2023/03/20 14:25
*14:25JST 電算システムHD Research Memo(5):2022年12月期は新収益基準の影響も、利益率改善により増収増益 ■業績動向

1. 2022年12月期の業績概要
電算システムホールディングス<4072>の2022年12月期業績は、売上高53,479百万円(前期比6.2%増)、営業利益3,414百万円(同8.9%増)、経常利益3,587百万円(同11.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,348百万円(同18.7%増)となった。「収益認識に関する会計基準」等の適用によりグループ会社で大きく影響を受けたこともあり、売上高は期首計画に届かなかったものの、増収で着地した。また、2022年10月に円相場が1ドル=150円台となるなど急激な円安進行も重荷となった。ただし、第4四半期で収納代行サービスが受注単価の上昇などによって利益率が改善したことから、各利益においては期首計画を超過した。

2022年12月期においては、2022年9月1日より収納代行手数料の値上げを行った。(一社)日本フランチャイズチェーン協会に加盟するコンビニエンスストア各社からの要請を受けたことによるものである。同社は、払込票サービスの手数料値上げを実施すべく加盟店と交渉を重ねてきたが、コンビニエンスストア各社の人手不足や人件費の高騰、現金及び個人情報の管理負担といった理由から、最終的に加盟店に価格転嫁することとした。その部分が下期偏重の要因の1つになったと弊社では考えている。

2. セグメント別業績
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は31,385百万円(前年同期は30,685百万円)、営業利益は1,585百万円(前年同期は2,302百万円)となった。

情報処理サービスにおいては、請求書作成代行サービスなどが引き続き堅調に推移した。SI・ソフト開発においては、クラウドサービス分野が好調に推移した。各種基幹系システムの更新も進んだものの、世界的な半導体不足による機器の納期遅延や急激な円安等により海外から調達する商材の価格上昇、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い一部取引について売上高及び利益が減少した。商品及び製品販売においては、2021年12月期第3四半期よりマイクロリサーチを新たに連結の範囲に含めたことにより、売上高が伸長した。

SI・ソフト開発は前年同期比1.5%減収となった。Google事業については、「Google Workspace」導入企業数が2,125社(2021年12月期は2,019社)に拡大した一方で、クラウド関連サービスの売上高は前年同期比4.7%減となった。デジタルサイネージ事業は、東京オリンピック・パラリンピックの特需が終了した。企業・学校向けにECサイトで販売した「Chromebook」は、文部科学省が主導する「GIGAスクール構想」における端末の配備が2021年3月で終了した影響により、売上高が半減した。同社は「GIGAスクール構想」に伴い高校や大学へもある程度広がることを想定していたようだが、これは想定以上に苦戦したものと弊社では考えている。一方で法人向けの需要は高く、政府によるDX構想の加速も追い風に、引き続き高い需要の伸びが期待される。

情報処理サービスにおけるBPO事業については、売上高及び処理件数ともに前期を上回った。請求書代行サービスが引き続き好調であった。価格改定に伴う単価引き上げを背景とした押し上げがあったと弊社では考えている。

商品及び製品販売においては、2021年12月期第3四半期よりネットワーク技術会社であるマイクロリサーチを新たに連結の範囲に含めたことが大きく寄与し、前期比31.3%増収となった。

(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は22,094百万円(前期比12.3%増)、営業利益1,832百万円(同103.7%増)となった。大型案件を含む新規獲得先が計画どおり下期に多く稼働したことから、取扱件数についても順調に推移した。全体として、2022年9月からの未稼働案件が稼働し利益増加に結び付いたことで営業利益率は8.3%に上昇し、当初事業を開始した1997年の水準に近づいた。

主力の収納・集金代行サービスは、一般企業・自治体ともに新規獲得が好調で、今後逐次稼働することから、その伸び率は順調に推移すると同社は見込んでいる。国際送金サービスについては、コロナ禍や円安の影響により個人送金市場は厳しい環境が続いているものの、おおむね計画どおりに推移した。なお、送金サービスはコロナ禍の影響が和らいできたことに伴いこれから件数増加に向かうものと予想されるが、ネックとなるのは為替(円安)である。円安を嫌った外国人労働者の日本離れが加速しているという報道もあり、回復は緩やかなペースになると弊社は考えている。収納代行周辺サービスは前期比で減収となった。ドラッグストアの離脱が主な要因となった。その他の収益において注目される「DSK後払いサービス」は、黒字転換とはならなかったものの、2023年12月期は利益に転じるとしている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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