■業績動向
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
サイバネットシステム<4312>の2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比22.2%減の9,736百万円、営業利益で同53.8%減の1,033百万円、経常利益で同56.0%減の979百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同59.8%減の573百万円と減収減益決算となった。2022年12月期より収益認識会計基準等を適用しており、従来の会計基準と比較した場合、売上高で619百万円、売上原価で325百万円減少し、営業利益と経常利益はそれぞれ294百万円減少している※。従来会計基準ベースで計算すると、売上高は前年同期比17.2%減、営業利益は同40.7%減、経常利益は同42.8%減であった。
※代理店事業のソフトウェアのメンテナンスサービス(新規契約のうちの一部、及び更新契約の金額)について、従来会計基準では、主として契約開始時点で売上高及び売上原価を一括計上していたが、収益認識会計基準等の適用により、契約期間内で按分計上する方法に変更した。
売上高は主要取引先の1社であったSynopsysとの販売代理店契約を2021年10月に終了した影響で減収となったが、同要因を除けば増収であった。主力製品であるマルチフィジックス解析ツールが堅調に推移したほか、MBSEの導入支援コンサルティングやクラウドセキュリティソリューションなどが好調で、会社計画に対しても1.4%上回った。ウクライナ情勢悪化を引き金としたエネルギー価格の高騰や半導体不足によるサプライチェーンが混乱する等、外部環境は不安定な状況が続いたものの、同社が取り扱う商材は主に研究開発部門で用いられるため売上面への影響は限定的で、一部、中国市場における受注がロックダウンの影響で延伸した程度であった。
地域別売上高で見ると、国内が前年同期比23.5%減の7,591百万円、アジアが同36.2%減の990百万円、北米が同16.2%増の771百万円、欧州が同4.0%増の355百万円となった。国内はSynopsys製品の売上が無くなったことで減収となり、アジアはSynopsys製品の売上減に加えて中国・上海市でロックダウンが実施(2022年3月28日~6月1日)されたことによる受注延伸が発生したことも影響した。ただ、Ansys製品については好調を持続している。北米についてはSigmetrixで提供している3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」の機能を強化した最新バージョンがリリースされ更新需要が増加したほか、為替の円安進行が増収要因となった。Maplesoftについては現地通貨ベースで伸び悩んだようだ。主力市場である教育業界の投資がやや停滞していること、市場開拓中のエンタープライズ向けもコロナ禍で営業活動が十分にできていないことが要因と見られる。欧州のNoesisの売上についてはアジア向けが伸びたものの、会計基準変更の影響もあって前年同期比横ばい水準にとどまった。ただ、大型受注も入っていることから通期では増収が見込まれている。
売上原価率は前年同期比0.6ポイント上昇の58.6%となった。Synopsys製品の売上が無くなったことが影響したと見られる。販管費率は減収の影響により同6.7ポイント上昇の30.8%となったが、金額ベースでは同0.6%減にとどまった。人件費や旅費交通費等が増加したものの、地代家賃や広告宣伝費、その他経費等が減少した。
営業利益が会社計画に対して183百万円上回った要因は、売上高の計画上振れによる売上総利益の増加に加えて、販管費が計画を下回ったことが挙げられる。人員採用ペースの遅れにより、採用費や人件費が計画を下回ったのが主な要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
サイバネットシステム<4312>の2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比22.2%減の9,736百万円、営業利益で同53.8%減の1,033百万円、経常利益で同56.0%減の979百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同59.8%減の573百万円と減収減益決算となった。2022年12月期より収益認識会計基準等を適用しており、従来の会計基準と比較した場合、売上高で619百万円、売上原価で325百万円減少し、営業利益と経常利益はそれぞれ294百万円減少している※。従来会計基準ベースで計算すると、売上高は前年同期比17.2%減、営業利益は同40.7%減、経常利益は同42.8%減であった。
※代理店事業のソフトウェアのメンテナンスサービス(新規契約のうちの一部、及び更新契約の金額)について、従来会計基準では、主として契約開始時点で売上高及び売上原価を一括計上していたが、収益認識会計基準等の適用により、契約期間内で按分計上する方法に変更した。
売上高は主要取引先の1社であったSynopsysとの販売代理店契約を2021年10月に終了した影響で減収となったが、同要因を除けば増収であった。主力製品であるマルチフィジックス解析ツールが堅調に推移したほか、MBSEの導入支援コンサルティングやクラウドセキュリティソリューションなどが好調で、会社計画に対しても1.4%上回った。ウクライナ情勢悪化を引き金としたエネルギー価格の高騰や半導体不足によるサプライチェーンが混乱する等、外部環境は不安定な状況が続いたものの、同社が取り扱う商材は主に研究開発部門で用いられるため売上面への影響は限定的で、一部、中国市場における受注がロックダウンの影響で延伸した程度であった。
地域別売上高で見ると、国内が前年同期比23.5%減の7,591百万円、アジアが同36.2%減の990百万円、北米が同16.2%増の771百万円、欧州が同4.0%増の355百万円となった。国内はSynopsys製品の売上が無くなったことで減収となり、アジアはSynopsys製品の売上減に加えて中国・上海市でロックダウンが実施(2022年3月28日~6月1日)されたことによる受注延伸が発生したことも影響した。ただ、Ansys製品については好調を持続している。北米についてはSigmetrixで提供している3次元公差解析ツール「CETOL 6σ」の機能を強化した最新バージョンがリリースされ更新需要が増加したほか、為替の円安進行が増収要因となった。Maplesoftについては現地通貨ベースで伸び悩んだようだ。主力市場である教育業界の投資がやや停滞していること、市場開拓中のエンタープライズ向けもコロナ禍で営業活動が十分にできていないことが要因と見られる。欧州のNoesisの売上についてはアジア向けが伸びたものの、会計基準変更の影響もあって前年同期比横ばい水準にとどまった。ただ、大型受注も入っていることから通期では増収が見込まれている。
売上原価率は前年同期比0.6ポイント上昇の58.6%となった。Synopsys製品の売上が無くなったことが影響したと見られる。販管費率は減収の影響により同6.7ポイント上昇の30.8%となったが、金額ベースでは同0.6%減にとどまった。人件費や旅費交通費等が増加したものの、地代家賃や広告宣伝費、その他経費等が減少した。
営業利益が会社計画に対して183百万円上回った要因は、売上高の計画上振れによる売上総利益の増加に加えて、販管費が計画を下回ったことが挙げられる。人員採用ペースの遅れにより、採用費や人件費が計画を下回ったのが主な要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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