■今後の見通し
1. 2022年12月期業績予想
電算システムホールディングス<4072>の2022年12月期業績については、売上高55,500百万円(前期比10.2%増)、営業利益3,270百万円(同4.2%増)、経常利益3,290百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,247百万円(同13.6%増)を計画している。営業利益の成長率は4.2%と売上高の成長率に比べて低いが、これは収納代行サービスなど中長期的な事業成長に向けた積極投資を2期連続で計画しているためであり、2027年12月期に売上高1,000億円企業に成長することを目指す取り組みとなる。また、2021年7月に子会社化したマイクロリサーチが通年で寄与するほか、DSK後払いは計画どおり利益転換を予定している。
2. セグメント別業績予想
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は34,110百万円(前期比11.2%増)、営業利益2,312百万円(同0.2%増)を見込んでいる。内訳はSI・ソフト開発の売上高25,470百万円(同13.7%増)、情報処理サービスが6,072百万円(同0.5%増)、商品及び製品販売が2,568百万円(同14.6%増)となる。BPO事業において、2018年10月に開設した東濃BPOセンターは順調に稼働しており、事業の量的拡大を支えている。サービスのワンストップ化、並びに領域拡大による質的充実により、顧客対応力の向上を図り、既存顧客の深耕に加え、新規顧客の獲得を進めることで、さらなる事業規模の拡大に取り組んでいく。システムソリューションでは、各種業務及び情報系システム分野におけるクラウド技術の利用等による付加価値の高いシステム提案のほか、大手システムインテグレーターとの協業による受注拡大に取り組む計画である。
また、多くの実績を持つ公共・金融・医療分野においては確実な受注によって、さらなる取引規模の拡大を目指す。クラウド関連サービスでは、働き方改革や社員とのエンゲージメント対応に「GoogleWorkspace」を中心としたサービスを、東濃IDCにおける新型モジュール棟の増築を契機として、さらなる事業拡大に注力していく。そのほか、公共交通分野で導入を進めたデジタルサイネージでは、屋外大型看板広告のデジタル化に伴う需要が大幅拡大しており、今後も東京を中心に事業拡大に取り組む計画となっている。また、Googleマップによるソリューション提供を展開してきた同社グループのゴーガとの協業によるデータ分析、AI活用による解析等のサービス提供にも注力していく。
サイバー攻撃の深刻化・高度化を背景に、新規事業として本格的に立ち上げたセキュリティ事業については、ピーエスアイによる、世界最高水準のセキュリティ製品と技術サポートの提供とマイクロリサーチのネットワークセキュリティ及びIoT技術と共に情報セキュリティ分野における事業の拡大に取り組むとしている。DX事業では電算システムにDX事業本部を設置し、電算システムDX推進オンラインセミナー開催(顧客のDX推進をトータルサポート)する。新規開発SaaSシステムを新たに地方公共団体へ一時預かりWeb予約システム(2022年4月リリースを予定)として提供するほか、(株)Works Human Intelligenceを中心とした人事給与システムの提案、従来から進めていたDS-mart ERPに加え、mcframeに関するパートナリングを展開するなど事業拡大を進展させる計画となっている。
(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は21,390百万円(前期比8.7%増)、営業利益958百万円(同6.5%増)を見込んでいる。内訳は決済サービス分野において、払込票決済サービスの売上高18,809百万円(同8.9%増)、ペーパーレス決済サービスが963百万円(同0.0%)、口座振替サービスが708百万円(同9.4%増)を見込む。政府の普及促進の推奨やコロナ禍の影響もあってキャッシュレス化、加速していくDXの流れに対応していく方針である。
スマートフォンを活用した新しい支払い方法を取引先に広めていくとともに、提携先を拡大することや直接オンライン決済ができる方法の開発により、同業他社との差別化を図っていく。2020年に開始したDSK後払いの取り扱いを拡大させるほか、新たに成長が見込まれる分野に経営資源を集中することで、決済サービスの拡大に注力するとしている。そのほか、国内送金サービスの拡大、また、世界最大級の国際送金事業者The WesternUnion Companyとの提携により国際送金サービスにおいては、コンビニエンスストア以外にも取り扱い窓口を増やし、消費者の利便性を追求するサービスの創出に努めていく。海外分野では、2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center, Inc.との技術業務提携を締結しており、2017年には資本提携を締結した。2022年12月期は現地での新たなサービス提供に向け、提案及び協議等を深化させる計画となっている。
また、キャッシュレス化が進むことで競争激化するとともに払込票決済サービスの収益性が落ち込むのではないかといった見方があるが、自動車税などは依然として払込票が用いられているほか、企業側が対応できていない現状である。同社は多くの企業の決済を請け負っているが、まだ多くの中小企業などは対応できない状況となっており、顧客においても全ての人がキャッシュレスに移行するとは考えにくいと弊社は考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>
1. 2022年12月期業績予想
電算システムホールディングス<4072>の2022年12月期業績については、売上高55,500百万円(前期比10.2%増)、営業利益3,270百万円(同4.2%増)、経常利益3,290百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,247百万円(同13.6%増)を計画している。営業利益の成長率は4.2%と売上高の成長率に比べて低いが、これは収納代行サービスなど中長期的な事業成長に向けた積極投資を2期連続で計画しているためであり、2027年12月期に売上高1,000億円企業に成長することを目指す取り組みとなる。また、2021年7月に子会社化したマイクロリサーチが通年で寄与するほか、DSK後払いは計画どおり利益転換を予定している。
2. セグメント別業績予想
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は34,110百万円(前期比11.2%増)、営業利益2,312百万円(同0.2%増)を見込んでいる。内訳はSI・ソフト開発の売上高25,470百万円(同13.7%増)、情報処理サービスが6,072百万円(同0.5%増)、商品及び製品販売が2,568百万円(同14.6%増)となる。BPO事業において、2018年10月に開設した東濃BPOセンターは順調に稼働しており、事業の量的拡大を支えている。サービスのワンストップ化、並びに領域拡大による質的充実により、顧客対応力の向上を図り、既存顧客の深耕に加え、新規顧客の獲得を進めることで、さらなる事業規模の拡大に取り組んでいく。システムソリューションでは、各種業務及び情報系システム分野におけるクラウド技術の利用等による付加価値の高いシステム提案のほか、大手システムインテグレーターとの協業による受注拡大に取り組む計画である。
また、多くの実績を持つ公共・金融・医療分野においては確実な受注によって、さらなる取引規模の拡大を目指す。クラウド関連サービスでは、働き方改革や社員とのエンゲージメント対応に「GoogleWorkspace」を中心としたサービスを、東濃IDCにおける新型モジュール棟の増築を契機として、さらなる事業拡大に注力していく。そのほか、公共交通分野で導入を進めたデジタルサイネージでは、屋外大型看板広告のデジタル化に伴う需要が大幅拡大しており、今後も東京を中心に事業拡大に取り組む計画となっている。また、Googleマップによるソリューション提供を展開してきた同社グループのゴーガとの協業によるデータ分析、AI活用による解析等のサービス提供にも注力していく。
サイバー攻撃の深刻化・高度化を背景に、新規事業として本格的に立ち上げたセキュリティ事業については、ピーエスアイによる、世界最高水準のセキュリティ製品と技術サポートの提供とマイクロリサーチのネットワークセキュリティ及びIoT技術と共に情報セキュリティ分野における事業の拡大に取り組むとしている。DX事業では電算システムにDX事業本部を設置し、電算システムDX推進オンラインセミナー開催(顧客のDX推進をトータルサポート)する。新規開発SaaSシステムを新たに地方公共団体へ一時預かりWeb予約システム(2022年4月リリースを予定)として提供するほか、(株)Works Human Intelligenceを中心とした人事給与システムの提案、従来から進めていたDS-mart ERPに加え、mcframeに関するパートナリングを展開するなど事業拡大を進展させる計画となっている。
(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は21,390百万円(前期比8.7%増)、営業利益958百万円(同6.5%増)を見込んでいる。内訳は決済サービス分野において、払込票決済サービスの売上高18,809百万円(同8.9%増)、ペーパーレス決済サービスが963百万円(同0.0%)、口座振替サービスが708百万円(同9.4%増)を見込む。政府の普及促進の推奨やコロナ禍の影響もあってキャッシュレス化、加速していくDXの流れに対応していく方針である。
スマートフォンを活用した新しい支払い方法を取引先に広めていくとともに、提携先を拡大することや直接オンライン決済ができる方法の開発により、同業他社との差別化を図っていく。2020年に開始したDSK後払いの取り扱いを拡大させるほか、新たに成長が見込まれる分野に経営資源を集中することで、決済サービスの拡大に注力するとしている。そのほか、国内送金サービスの拡大、また、世界最大級の国際送金事業者The WesternUnion Companyとの提携により国際送金サービスにおいては、コンビニエンスストア以外にも取り扱い窓口を増やし、消費者の利便性を追求するサービスの創出に努めていく。海外分野では、2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center, Inc.との技術業務提携を締結しており、2017年には資本提携を締結した。2022年12月期は現地での新たなサービス提供に向け、提案及び協議等を深化させる計画となっている。
また、キャッシュレス化が進むことで競争激化するとともに払込票決済サービスの収益性が落ち込むのではないかといった見方があるが、自動車税などは依然として払込票が用いられているほか、企業側が対応できていない現状である。同社は多くの企業の決済を請け負っているが、まだ多くの中小企業などは対応できない状況となっており、顧客においても全ての人がキャッシュレスに移行するとは考えにくいと弊社は考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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