■過去の業績推移
これまでを振り返ると、連結売上高は2016年12月期をピークとして減収傾向をたどってきた。これは、利益率が低く業績の変動要因となりやすい海外SNS広告事業の縮小(及び撤退)によるものである。また、ここ数年、売上高は連結・単体ともに伸び悩んでいるが、アライドアーキテクツ<6081>が重視する粗利売上で見ると、粗利率の高い自社開発SaaSツールにより伸びてきたことは評価すべきポイントである。特に、導入事例が増えてきた「Letro」や「echoes」の伸びやソリューションを増やしてきたことが粗利売上の伸びに貢献している。
一方、損益面に目を向けると、連結決算を開始した2014年12月期の連結営業利益率は10.2%であったが、2015年12月期は海外事業等への先行費用に加えて、Facebookのポリシー変更に伴う影響により利益率の高いSNSマーケティング支援が落ち込んだことから営業損失に陥った。また、2017年12月期以降、3期連続で連結営業損失を計上したが、単体営業利益は一定水準を維持していたことから、海外事業(クリエイティブ・プラットフォーム)への先行費用等が重荷となっていたことを示している。もっとも、2020年12月期には、マーケティングDXの流れが加速するなかで、粗利売上の伸びにより単体営業利益が底上げされたことや、海外事業の黒字化(四半期ベース)により大幅な増益を実現し、連結営業利益も7.1%の水準に戻った。
財務面では、2013年11月の東証マザーズ上場により自己資本比率は80%程度まで上昇し、将来の成長に向けた財務基盤の強化を図った。そもそも資産を必要としない事業モデルではあるが、2016年12月期末の自己資本比率が低下しているのは、長期借入金により積極的な事業投資や今後の事業展開に向けた手元流動性を確保したことが要因である。ただ、2017年12月期には新株予約権の発行及びその権利行使により自己資本比率が54.3%に改善すると、2020年12月期には海外子会社Creaditsの第三者割当増資により50%を超える水準を確保している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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これまでを振り返ると、連結売上高は2016年12月期をピークとして減収傾向をたどってきた。これは、利益率が低く業績の変動要因となりやすい海外SNS広告事業の縮小(及び撤退)によるものである。また、ここ数年、売上高は連結・単体ともに伸び悩んでいるが、アライドアーキテクツ<6081>が重視する粗利売上で見ると、粗利率の高い自社開発SaaSツールにより伸びてきたことは評価すべきポイントである。特に、導入事例が増えてきた「Letro」や「echoes」の伸びやソリューションを増やしてきたことが粗利売上の伸びに貢献している。
一方、損益面に目を向けると、連結決算を開始した2014年12月期の連結営業利益率は10.2%であったが、2015年12月期は海外事業等への先行費用に加えて、Facebookのポリシー変更に伴う影響により利益率の高いSNSマーケティング支援が落ち込んだことから営業損失に陥った。また、2017年12月期以降、3期連続で連結営業損失を計上したが、単体営業利益は一定水準を維持していたことから、海外事業(クリエイティブ・プラットフォーム)への先行費用等が重荷となっていたことを示している。もっとも、2020年12月期には、マーケティングDXの流れが加速するなかで、粗利売上の伸びにより単体営業利益が底上げされたことや、海外事業の黒字化(四半期ベース)により大幅な増益を実現し、連結営業利益も7.1%の水準に戻った。
財務面では、2013年11月の東証マザーズ上場により自己資本比率は80%程度まで上昇し、将来の成長に向けた財務基盤の強化を図った。そもそも資産を必要としない事業モデルではあるが、2016年12月期末の自己資本比率が低下しているのは、長期借入金により積極的な事業投資や今後の事業展開に向けた手元流動性を確保したことが要因である。ただ、2017年12月期には新株予約権の発行及びその権利行使により自己資本比率が54.3%に改善すると、2020年12月期には海外子会社Creaditsの第三者割当増資により50%を超える水準を確保している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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