今週のポイント
RBNZ(NZ中銀)が24日に政策会合を開きます。会合の注目点は、どの程度利上げするのか(利上げ幅)、そして金融政策報告におけるRBNZの政策金利見通しです。それらの結果にNZドル(NZドル/円やNZドル/米ドル、豪ドル/NZドル)が反応しそうです。
原油価格の動向には注意が必要かもしれません。日本などが石油備蓄を放出するとの観測や欧州での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、原油価格には下押し圧力が加わりやすいとみられます。原油価格が下落すれば、カナダドル/円やメキシコペソ/円は上値が重い展開になりそうです(*カナダドル/円については後述)。
トルコリラは先週(11/15- )、対米ドルや対円で過去最安値を更新しました。足もとのトルコリラ安の背景には、高インフレにもかかわらず、TCMB(トルコ中銀)が利下げを継続していることが挙げられます。TCMBは11月18日の会合で利下げを行うことを決定。利下げは3会合連続です。一連の利下げを市場はエルドアン大統領が金融政策に介入していることの証拠とみています。トルコリラには引き続き下押し圧力が加わりやすいとみられ、トルコリラ/円は一段と下落する可能性があります。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.02000NZドル~1.05300NZドル>
RBNZ(NZ中銀)は10月の前回会合で0.25%の利上げを行いました。前回会合以降に発表されたNZのCPI(消費者物価指数)や雇用統計(いずれも7-9月期)が強い結果だったことを考えると、RBNZは11月24日の会合で追加利上げに踏み切るとみられます。CPIは前年比4.9%と、11年4-6月期以来以来の高い伸びを記録。失業率は3.4%と、07年10-12月期以来の低水準でした。
利上げ幅については0.25%との見方が市場では有力なものの、一部には0.50%との見方もあります。そのため、0.25%の利上げが決定された場合には、NZドルはいったん売られる(豪ドル/NZドルは上昇する)可能性があります。
そんな中、今回は四半期に一度の金融政策報告が公表されます。前回8月の金融政策報告では、政策金利は24年3月には2.1%まで上昇するとの見通しが示されました。政策金利見通しが前回から上方修正された場合、NZドルの下落(豪ドル/NZドルの上昇)は長続きしないかもしれません。
豪ドル/NZドルのメドとして、下値が1.02000NZドル(20/4安値)、上値は1.05224NZドル(21/10/29高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア②:<カナダドル/円 予想レンジ:88.000円~91.700円>
カナダの10月CPI(消費者物価指数)は前年比4.7%と、上昇率は9月の4.4%から加速し、03年2月以来の高い伸びを記録しました。BOC(カナダ中銀)のインフレ目標は2%(1~3%の目標レンジの中央値)。CPI上昇率が目標レンジの上限である3%を上回ったのは7カ月連続です。BOCは22年半ばの利上げ開始を示唆しているものの、インフレ圧力の強さをみると、利上げは22年半ばよりも早くなる可能性があります。早期の利上げ観測が市場で高まれば、カナダドル/円の支援材料となりそうです。
一方で、原油価格がこのところ軟調に推移しています。米WTI原油先物は19日に一時1バレル=75ドル台へと下落し、1カ月半ぶりの安値をつけました。米国が日本や中国などに石油備蓄を放出するように要請したことや、新型コロナウイルスの感染拡大によって欧州の景気回復が鈍化する(=原油の需要が減少する)との懸念が、WTI原油先物の下押し圧力となりました。各国の石油備蓄の放出や欧州などでの新型コロナの感染の状況次第では、WTI原油先物は一段と下落する可能性があり、その場合にはカナダドル/円は上値が重い展開になりそうです。
カナダドル/円は200日移動平均線(11/22時点で88.333円)が下値メド、上値は91.649円(11/10高値)がメドです。
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