一家HD、 2Qは特別損失・利益を計上し最終利益500万円で着地 飲食・ブライダルに続く第3の柱構築目指す
2022年3月期第2四半期決算説明会
武長太郎氏(以下、武長):みなさま、おはようございます。2021年上半期の決算発表を始めさせていただきます。まず、数字については管理部長の髙橋から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
髙橋広宜氏:取締役管理部長の髙橋でございます。みなさま、おはようございます。本日はお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。
コロナ渦における営業状況について
決算概況についてご説明します。昨年から新型コロナウイルスの感染拡大による影響が続いており、緊急事態宣言の発出とそれに伴う政府、自治体からの要請に応じながら、臨時休業、時短営業の措置を講じてきました。当第2四半期の累計期間においても、飲食事業店舗ではほぼ通常営業ができていないといった状況でした。
特別損失の計上について
店舗の臨時休業及び営業時間短縮に伴い、雇用調整助成金、時短協力金の受領及び支給申請を実施したことにより、第2四半期累計会計期間において、12億7,312万円の助成金収入を特別利益として計上しました。また、店舗の臨時休業などによる損失として、特別損失6億2,765万円を計上しています。
2022年3月期第2四半期業績動向(会社計:前年同期比)
続いて、第2四半期の業績動向です。売上は前年同期比マイナス23.8パーセントの10億9,100万円、営業損失は6億1,800万円となりました。最終利益は500万円となり、前年同期比で減収増益、黒字で着地しました。
2022年3月期第2四半期業績動向(飲食事業:前年同期比)
飲食事業に関しては先にお伝えしたとおり、緊急事態宣言の発出などに伴い、臨時休業及び酒類提供の自粛を含んだ要請内での時短営業措置を講じていました。そのような中で、売上は前年同期比マイナス55.9パーセントの5億6,000万円、営業損失は4億1,500万円となりました。
前期は6月から9月の間は全店通常営業を実施したため、前年から減収となっていますが、今期は臨時休業の期間が非常に長かったこともあり、店舗臨時休業などによる損失として特別損失に計上した額が大きく、そのため前年同期比で営業損失は減少しています。
2022年3月期第2四半期業績動向(ブライダル事業:前年同期比)
ブライダル事業においても、前期は新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から、キャンセル、延期が急増しました。それに比べて、今期は徐々に回復してきており、前年同期比で婚礼件数が増加しています。
その結果、売上は前年同期比プラス228.2パーセントの5億3,000万円となりました。営業損失は2億300万円となっていますが、増収となった一方で、前期から付帯原価率の高い婚礼件数が増加したことにより、原価率が上昇しました。また、施行件数が増えたことにより、各販管費も上昇しています。
それに加え、前期はブライダル施設である「The Place of Tokyo」も臨時休業したこともあり、店舗臨時休業などによる損失を3,200万円弱計上しました。
今期に関しては、臨時休業はせずに通常営業しており、販管費の特別損失への振替がなかったことにより、営業損失は昨年同様の推移となりました。
2022年3月期業績予想について
業績予想については、依然として新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見通せない部分もあるため、合理的に算定が可能になったと判断した時点で出させていただきます。
2022年3月期第2四半期業績動向(貸借対照表)
続いて、貸借対照表です。店舗の営業時間短縮などに関連した助成金10億4,000万円を受領し、7億円の銀行借入を実施しました。それにより、当第2四半期末においても、十分な現金預金残高を保持しています。
自己資本比率に関しても、前期末が8.2パーセント、第1四半期は4.2パーセントと推移していましたが、当第2四半期で8.8パーセントまで回復している状況です。
2022年3月期第2四半期業績動向(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローについては、店舗の臨時休業及び時短営業に伴い、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスになりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店、業態変更によりマイナスに、財務活動によるキャッシュ・フローは、銀行借入の実施によりプラスとなっています。その結果、期末の現金及び現金同等物の額は6億6,700万円となりました。
次ページ以降の上半期および下半期の取り組みついては、代表の武長から説明させていただきます。
既存店売上高 前年同期比推移
武長:それでは、私から上半期の取り組みと今後の下半期、またビジョンについてご説明したいと思います。
まず、既存店の売上です。この1年半はほぼ休業もしくは時短営業を強いられ、この10月から営業を再開しました。直近の10月は、10月25日までは時短営業ということで、売上はコロナ前の2020年3月期に比べて10月から約7割回復しています。11月も日に日に売上が回復しており、今は8割くらいの戻りと考えています。
この12月にどこまで戻るかを楽しみにしながらも、宴会の戻りに関しては非常に弱いのが現状です。2名から5名くらいまでのお客さまが戻ってきている感覚はあるのですが、ここからどれくらい団体で飲食していただけるかについては、今のところは少人数での需要が強い傾向があります。
そこに対して、少人数でも宴会を行っていただくために、今まで冬には鍋を用意して宴会を行っていたのですが、今はみなさまで同じお料理を召し上がるよりはお客さま1人ずつの小ポーションで楽しんでいただけるような宴会のメニュー作りに力を入れています。
新規出店の状況について
続いて、新規出店の状況です。新業態の「韓国屋台ハンサム」をオープンしました。また、好調な「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」の出店攻勢を強めており、前期から出退店がありますが、直営では70店舗となっています。
婚礼の成約率推移について
続いて、下半期の取り組みについてです。まず、ブライダルのご説明をしたいと思います。我々は婚礼の成約率40パーセントを1つの水準としていますが、昨年から徐々に成約率も上がっており、直近では46パーセントという数字になっています。
婚礼のコロナ後の売上回復率について
売上は直近の10月で91パーセントまで回復しました。
婚礼のコロナ後の組単価回復率について
コロナ禍は少人数というところがあり、一時はアルコールも提供できない状況でもあったのですが、客単価も徐々に回復してきました。
婚礼のコロナ後の来館数回復率について
来館数も徐々に回復しており、新郎新婦さまも結婚式をしたいという前向きなかたちになってきたと、手ごたえを感じています。
新業態 『韓国屋台ハンサム』新店舗出店
続いて、飲食事業部の新業態についてお話ししたいと思います。「韓国屋台ハンサム」は、1号店の柏店に続き、2号店の海浜幕張店をオープンしました。若い方を中心に韓国のアーティストや音楽、あるいはドラマや映画も含めて、昨今は非常に韓国ブームがきているところもあり、あらたに韓国業態を作り、1号店、2号店を出したところ、非常に手ごたえを感じています。
また、1号店に関しては、博多業態を業態変更し出店したところ、業態変更前の博多業態の時に比べ、200パーセントを超える結果を出しています。博多業態に続き、「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」、そして「韓国屋台ハンサム」という新しい販売のチャンネルができたと思っています。今後、たくさんのチャンネルを持って、ドミナントでそれぞれの地域によってそれぞれの特長を活かした業態の出店攻勢を進めていきたいと思っています。
屋台屋博多劇場『博多もつ鍋』通販開始
続いて、コロナ禍でテイクアウトやデリバリーのニーズが増えた中、我々もECサイトで「屋台屋博多劇場」の看板商品でもある「博多もつ鍋」の販売を始めています。
こちらも少しずつ認知が上がっております。
飲食事業のポートフォリオについて
飲食事業のポートフォリオについてご説明します。コロナ禍前の世界に比べて、やはりグループで飲食されたり、会社で宴会されたり、あるいは領収書を切って飲みに来られる需要が非常に減ってきました。
そのような中で、少人数あるいはおひとりで、また家族や友人で、といったニーズが増えています。我々はそこに対して「おでんトさかな にのや」というブランドを作りました。「一家」という創業当時からあるブランドから、「おでんトさかな にのや」という少人数向けの業態を作ったり、あるいは「韓国屋台ハンサム」そして「RemoCafe」というような業態をこのコロナ禍で作り、出店攻勢をかけ、力を入れています。
今後も、このようなアフターコロナの世の中を見つつ、既存業態をブラッシュアップしたり、新しいニーズに対してビジネスモデルを構築したりしていきたいと思っています。
(株)一家ホールディングスの今後のビジョン
最後に、この10月をもちまして、「一家ホールディングス」を設立し持株会社体制に変わりました。
その背景ですが、私は20歳で起業して、ちょうど20年目の12月12日に東証マザーズに上場し、上場したその日から一家ホールディングスにしようという気持ちがありました。これからは、おもてなしの総合商社として、たくさんの事業を作っていきたいと思っています。
飲食事業部、ブライダル事業部とありますが、これからは、レジャーサービス事業や宿泊のビジネスであったりと、あらゆるシーンにおいて人に喜んでいただいたり、楽しんでいただいたり、幸せな気持ちになっていただいたりできる日本一の会社を目指していきたいと考えています。
このコロナ禍で約2年近く時計の針が止まったような状況でしたが、その間に想いを強め、10月より一家ホールディングスというかたちで、ここから再スタートしていきたいという思いです。
簡単ではございますが、私のほうから下半期とビジョンについてご説明させていただきました。ありがとうございました。
質疑応答:コロナからの回復と新業態の出店予定と下期に取り組むことについて
質問者1:3点質問があります。1点目として、冒頭に社長のお話の中で現在8割くらいの戻りということでしたが、これはコロナ禍以前の期と比べて、ということでしょうか?
2点目に、新業態の「韓国屋台ハンサム」でよい数字が出ているとのことですが、さらなる出店予定があるのか、またその場合のスケジュールを教えてください。
3点目に、レジャーや宿泊ホテル事業へのチャレンジとして、下期に具体的に取り組むことについて教えてください。
武長:現状8割ほど戻ってきたとお伝えしたのは、コロナ禍以前の2020年3月期と比べてということです。昨日も各店の状況を見てきましたが、11月に入り、日に日にお客さまが戻ってきていると手応えを感じています。12月が正念場になりますが、そうした実感のもと、自信を深めているところです。
2点目のご質問の「韓国屋台ハンサム」についてですが、新業態を作ってすぐにアルコールの提供ができなくなりました。その間、ランチ営業も行いながら休業はせずに続けてきましたが、ようやく通常営業ができるようになりました。アルコールも提供できるようになり、これから、本来の数字が見えるようになってきます。
実際に11月も好調に推移しておりますので、今後はこの業態に合った立地を探しながら、出店攻勢をかけていきたいと思っており、来期以降、出店は徐々に増えていくのではないかと考えています。
3点目のレジャーサービスについては、昨今、グランピングやキャンプ、バーベキューなどのニーズが非常に高まっており、「モノ消費」から体験を楽しむ「コト消費」へ、といったことが話題になっています。我々としてもこの分野にトライしていきたい、チャレンジしていきたいと思っています。飲食、ブライダルに続く第3の柱として、レジャーサービス、キャンプ、グランピングやバーベキューなどにチャレンジしてきたいと思っています。
質疑応答:婚礼成約率と組単価回復率および都心部との差について
質問者2:資料の14ページですが、婚礼の成約率は業界平均では大体33パーセントあるいは35パーセントが平均です。御社も2020年2月くらいまでは業界平均並みだったと見ていたのですが、このコロナ禍で成約率が上がった要因をどのように分析されていますか?
2点目に、16ページに組単価回復率がありますが、これは今行われている施行の組単価なのか、受注の組単価なのかを確認したいです。
3点目は、確かに御社のお店は同業他社よりも客数が多いと感じているのですが、都心部の東京都内と千葉では売上や客数に差はあるのでしょうか?
武長:まず成約率については、コロナ前の状況においても業界平均以上という数字を維持してきました。その中で、成約率がさらに上昇している状況です。
また、新郎新婦さまにも、1軒目にご来館いただき、「1軒目だけれど、もう1軒見るよりはここで決めよう」と言っていただくことも多く、大変ありがたく感じています。
2点目については、組単価は施行ベースでの組単価です。組単価が回復してきたのは大変うれしく感じています。
3点目については、どちらかというと都心とローカルのハイブリッドで出店していますが、ローカル立地のほうが戻りが早い感覚はあります。やはり家族連れや少人数の友人との会食から戻ってきており、近々では、都心部でもサラリーマンが会社の同僚と食事されているような雰囲気を感じています。ここに関しても徐々に戻ってきている実感が湧いています。
髙橋:私から、成約率の分析のご質問に対して、少し補足したいと思います。数字が上がってきている、左から2ポイント目の2019年9月ごろから、ブライダルでは「全員接客」を取り入れています。今まで、新規接客はプランナーのみが長い時間をかけて接客を行う通常のスタイルだったのですが、加えて、新規接客の流れの中で、支配人、キッチンシェフ、パティシエスタッフなどの各セクションのスタッフが数多く新郎新婦さまに関わることでより強い信頼関係を構築し、差別化できているところが1点です。
もう1点は、口コミサイトで1位を獲得したりというようなところで、お客さまも期待値が高い状態であり、ここで結婚式を挙げたいという気持ちが強い状態でご来館いただいているところです。
その2点に関して力を入れて取り組んだ結果、もともとの業界平均より高い水準で推移していましたが、さらに上がってきた印象を受けています。
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