今週のポイント
RBA(豪中銀)が2日に政策会合を開きます。その結果が豪ドルの動向に影響を与えるとみられます。政策会合では、イールドカーブコントロールを修正(廃止も?)するのかどうか、また利上げ時期の見通しが前倒しされるのかどうかが焦点になりそうです。
NZの7-9月期雇用統計が3日に発表されます。RBNZ(NZ中銀)は10月に0.25%の利上げを実施。市場では11月24日の次回会合で追加利上げに踏み切るとの観測があります。雇用統計がその観測を補強する結果になるかどうか注目です。
OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」は4日に閣僚級会合を開きます。その結果次第では原油価格が一段と上昇しそうです。原油価格の上昇は、カナダドル/円やメキシコペソ/円の支援材料と考えられます。
トルコリラ/円は3日のトルコの10月CPI(消費者物価指数)が材料になりそうです。CPIが市場予想(本稿執筆時点で前年比20.40%)を上回る結果になれば、トルコリラ/円には下押し圧力が加わりそうです。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.03000NZドル~1.06500NZドル>
今週(11/1- )の豪ドル/NZドルは、2日のRBA(豪中銀)政策会合と3日のNZ雇用統計が材料になりそうです。
豪州の7-9月期CPI(消費者物価指数)では、トリム平均値が前年比2.1%と、上昇率は4-6月期の1.6%から加速しました。トリム平均値がRBAのインフレ目標(2~3%)のレンジ内に収まったのは、15年10-12月期以来、約6年ぶりです。
RBA会合では、政策金利を0.10%に据え置くとともに、少なくとも22年2月半ばまで週40億豪ドルのペースで債券の買い入れを行うとの方針が維持されるとみられます。
RBAは一方で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)を修正する、あるいは廃止する可能性があります。修正するとすれば、イールドカーブコントロールの対象である24年4月償還の豪国債利回りの目標を0.10%から引き上げる、もしくは対象とする国債を24年4月より早いものに変更することが考えられます。
RBAはまた、利上げ時期の見通しをこれまでの「24年」から「23年」へと前倒しするかもしれません。
イールドカーブコントロールが修正(廃止)され、かつ利上げ時期の見通しが前倒しされた場合、豪ドル/NZドルの支援材料となりそうです。NZの7-9月期雇用統計が市場予想よりも弱い結果になれば、豪ドル/NZドルは200日移動平均線(11/1時点で1.06403NZドル)に向かって上昇する可能性があります。NZの雇用統計の市場予想は本稿執筆時点で失業率が3.9%、就業者数は前期比0.4%、前年比2.8%です。
今週の注目通貨ペア②:<カナダドル/円 予想レンジ:90.000円~93.500円>
BOC(カナダ中銀)は10月27日の政策会合で、「QE(量的緩和)を終了し、再投資の段階に移行する」ことを決定。BOCはこれまで週20億カナダドルのペースでカナダ国債を買い入れてきましたが、今後は保有残高を維持するために満期を迎える国債の再投資のみ行います。
BOCは声明で「経済のスラック(需給の緩み)が吸収されるまで政策金利を実効下限(0.25%)に維持する」と改めて表明。一方で、スラックが吸収される時期(≒利上げ時期)の見通しをこれまでの22年下半期(7~12月)から22年半ばへと前倒ししました。マックレムBOC総裁は会合後の会見で22年“半ば”とは「4~9月」と語りました。
QEの終了やスラックの吸収時期を前倒ししたことは、カナダドル/円の支援材料になりそうです。カナダの10月雇用統計(5日発表)が良好な結果になれば、BOCの利上げ観測が高まる可能性があります。利上げ観測はカナダドル/円の上昇要因となり得ます。
「OPECプラス」は4日に閣僚級会合を開きます。OPECプラス会合では、「22年4月まで毎月日量40万バレルずつ増産する」との方針を維持するのかどうかが焦点になるとみられます。原油価格が高止まりするなか、OPECプラスがこれまでの方針を維持すれば(増産幅を拡大しない)、原油高が一段と進んでカナダドル/円にとってさらなる支援材料となりそうです。カナダドル/円は93.210円(15年11月高値)に向かって上昇する可能性があります。
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