■事業概要
2. 特徴・強み
デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は、事業の基本戦略として「5つの基本的な事業戦略」を掲げ、リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化)、イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)、競合から協業へ(協業による事業拡大)、開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)、人材調達・人材育成(採って育てる)を推進している。
同社の強みは、幅広い業種で大手企業(大手自動車・自動車部品メーカー、大手通信キャリアなど)を中心に強固な顧客基盤を有していること、高いエンドユーザー売上比率で顧客と密接な接点を持っていることである。この強みによって、ビジネスソリューション事業では受託開発から運用サポートまでを受注しやすく、リピート比率やリプレイス比率も高水準を維持している。また、顧客の新製品開発などに直接関わることにより、技術・ノウハウが蓄積され、成長ドライバーと位置付ける自社商品・サービスのラインナップ拡充にもつながっている。
グループ全体の取引先は約2,800社(2021年6月期)で、ソフトウェア開発事業は上場企業及びその関係会社、システム販売事業は中小企業向けを主力としている。また、ソフトウェア開発事業の業種別の売上高構成比は、車載や半導体を中心とする製造、金融、通信で全体の約4分の3を占めているほか、エンドユーザーから直接受注するエンドユーザー売上比率は約80%と高水準となっている。
3. リスク要因・収益特性
ソフトウェア開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクトや品質不具合の発生、技術革新への対応の遅れ、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係変化、法的規制などがある。
このうち企業のIT・DX投資については、一時的な抑制・停滞が発生しても中長期的に高水準に推移することが予想され、同社にとって事業環境悪化への懸念は小さい。
不採算プロジェクトや品質不具合の発生について、同社では一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施するプロジェクトリスク委員会を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めている。また、プロジェクトマネジメント推進部において、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理全般を統括し、収益性と顧客満足度の向上を図っている。
技術革新への対応について、同社では常に新技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備を進めている。人材の確保・育成に関しては、地方拠点(愛媛県松山市、宮城県仙台市)を活用することで、地元志向の優秀な人材を採用・育成するとともに、高度ニアショア開発によって価格競争への対応も図っている。また、社員満足度向上への取り組みにより、社員定着に努めるとともに、協力会社との連携を強化することにより優秀な外注要員の安定的な調達も図っている。
なお、収益に関する季節要因として、売上高・営業利益とも年度末にあたる第3四半期(1~3月)の構成比が高く、営業利益は新入社員受け入れや期末手当などにより第4四半期(4~6月)に減少する傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2. 特徴・強み
デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>は、事業の基本戦略として「5つの基本的な事業戦略」を掲げ、リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化)、イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造)、競合から協業へ(協業による事業拡大)、開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大)、人材調達・人材育成(採って育てる)を推進している。
同社の強みは、幅広い業種で大手企業(大手自動車・自動車部品メーカー、大手通信キャリアなど)を中心に強固な顧客基盤を有していること、高いエンドユーザー売上比率で顧客と密接な接点を持っていることである。この強みによって、ビジネスソリューション事業では受託開発から運用サポートまでを受注しやすく、リピート比率やリプレイス比率も高水準を維持している。また、顧客の新製品開発などに直接関わることにより、技術・ノウハウが蓄積され、成長ドライバーと位置付ける自社商品・サービスのラインナップ拡充にもつながっている。
グループ全体の取引先は約2,800社(2021年6月期)で、ソフトウェア開発事業は上場企業及びその関係会社、システム販売事業は中小企業向けを主力としている。また、ソフトウェア開発事業の業種別の売上高構成比は、車載や半導体を中心とする製造、金融、通信で全体の約4分の3を占めているほか、エンドユーザーから直接受注するエンドユーザー売上比率は約80%と高水準となっている。
3. リスク要因・収益特性
ソフトウェア開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクトや品質不具合の発生、技術革新への対応の遅れ、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係変化、法的規制などがある。
このうち企業のIT・DX投資については、一時的な抑制・停滞が発生しても中長期的に高水準に推移することが予想され、同社にとって事業環境悪化への懸念は小さい。
不採算プロジェクトや品質不具合の発生について、同社では一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施するプロジェクトリスク委員会を開催し、リスクの早期発見、不採算案件の抑制及び継続的な品質向上に努めている。また、プロジェクトマネジメント推進部において、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理全般を統括し、収益性と顧客満足度の向上を図っている。
技術革新への対応について、同社では常に新技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備を進めている。人材の確保・育成に関しては、地方拠点(愛媛県松山市、宮城県仙台市)を活用することで、地元志向の優秀な人材を採用・育成するとともに、高度ニアショア開発によって価格競争への対応も図っている。また、社員満足度向上への取り組みにより、社員定着に努めるとともに、協力会社との連携を強化することにより優秀な外注要員の安定的な調達も図っている。
なお、収益に関する季節要因として、売上高・営業利益とも年度末にあたる第3四半期(1~3月)の構成比が高く、営業利益は新入社員受け入れや期末手当などにより第4四半期(4~6月)に減少する傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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