~NEW-ITでビジネスフロントを革新し、パブリテックで成長を加速~
【ポイント】
・8月の臨時株主総会で、資本金及び資本準備金を192億円減額し、次のM&Aの株式交換に使える体制を整えた。3月の公募増資で165億円を調達し、6月に銀行との当座貸越枠195億円も準備した。9月末までに自社株買いを20億円実施する。中期計画にある外部成長のためのファイナンスは整っている。
・2021年9月期の3Q累計では、New-IT、パブリテックとも好調で、通期の利益計画を達成してしまった。4Qは、来期からの新中計に向けて、人材投資や開発投資を大幅に先行させているので、表面上の利益は抑制される。その分、来期の成長に弾みがつこう。
・圧倒的な成長力をみせている。15年の長期ビジョンの下、最初の3ヵ年計画(DJ1)は超過達成するので、次の3ヵ年計画(DJ2)を公表した。2018年9月期の営業利益5億円の時に、3年後の目標を47億円としたが、今回は2024年9月期の目標を160億円とした。
・新型コロナショックを契機にして、わが国におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は加速している。日本の生産性の向上と地方創生への貢献が、当社のSDGs、ESGである。DJ2では、①デジタル(デジタル技術の活用)、②ローカル(地域のサステナビリティ)、③ソーシャル(社会的課題の解決)の重なる領域をスイートスポットとする。
・東京圏以外のローカルにデジタル化の恩恵を広め、地域課題の解決に貢献する。とりわけDX推進に当たっての人材不足に応えていく。DX人材の育成では、KDDIと合弁で4月から新会社「ディジタルグロースアカデミア」をスタートさせた。人材育成のコンテンツを、KDDIの全国法人ネットワークにのせて拡大のスピードアップを図る。好調に立ち上がっている。
・パブリテック(パブリックセクターのNew-IT)では、「ふるさとチョイス」が順調に利益貢献を高めており、パブリテックのLoGoチャット、LoGoフォームなども新たに成長軌道に入りつつある。次のM&Aも視野にある。顧客基盤、プロダクト、リソース獲得の戦略が逐次具体化しよう。人材も集まっており、企業価値の一層の向上が見込めるので、第2期の成長戦略に大いに期待したい。
目 次
1.特色 New-ITトランスフォーメーションからパブリテックへ展開
2.強み トラストバンクを軸にパブリテックが急拡大
3.中期経営計画 コロナショックへ即応し、DXで日本のリーダーを目指す
4.当面の業績 急成長を持続しよう
5.企業評価 次のM&Aに注目
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2021年9月8日) |
2441円 |
時価総額 | 1774億円 (72.679百万株) |
PBR | 5.63倍 |
ROE | 12.1% |
PER | 44.9倍 |
配当利回り | 0.0% |
総資産 | 39273百万円 |
純資産 | 31523百万円 |
自己資本比率 | 80.3% |
BPS | 433.7円 |
決算期 | 売上収益 | 営業利益 | 税前利益 | 当期利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.9 | 1400 | 134 | 137 | 82 | 2.0 | 0 |
2016.9 | 1550 | 186 | 175 | 118 | 2.7 | 0 |
2017.9 | 1980 | 331 | 325 | 229 | 4.5 | 0 |
2018.9 | 2604 | 513 | 513 | 343 | 6.5 | 0 |
2019.9 | 7054 (5992 ) |
1081 (1027 ) |
959 (957) |
378 (476) |
6.6 (7.9) |
0 |
2020.9 | 11692 (10542) |
3626 (4203 ) |
3632 (4160 ) |
1547 (2049 ) |
24.6 (31.6) |
0 |
2021.9(予) | 16000 | 6000 | 6000 | 3800 | 54.4 | 0 |
2022.9(予) | 19000 | 7500 | 7500 | 4800 | 66.0 | 0 |
(2021.6ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想。2018年6月末1:2、2018年12月末1:2、2020年8月末1:2、2020年12月末で1:2の株式分割を実施。それ以前のEPSは修正ベース。2018.9期までは単体、2019年9月期より連結(日本基準)。2021.9期からIFRS(国際会計基準)採用(カッコ内はIFRSベースの修正値)。2020年9月期以前の税前利益は日本基準の経常利益。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/Change202109.pdf
(開示)日本ベル投資研究所は、事業変革に関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式1000株を少数株主として中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら〕
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