■要約
1. 2021年8月期第3四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は国内シェア60%超を持つ医療白衣のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2021年8月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.2%増の14,034百万円、営業利益が同25.1%増の4,304百万円、経常利益が同24.4%増の4,373百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同24.0%増の3,009百万円となり、各利益は計画値に対しても上回った。売上高は、主力のヘルスウェアを中心に2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだこと、注力している患者ウェアが順調に拡大したことなどから前年同期比で大幅な増収となった。利益面では、為替の先物予約が功を奏したことに加え、売上増に伴い海外生産比率が上昇したことなどから、売上総利益率は前年同期並みを維持した。加えて販管費が引き続き前年同期比で減少したことなどから、営業利益は大幅に増加した。
2. 2021年8月期(予想)
2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円とする期初予想を据え置いている。厚生労働省向けの特需(2020年8月期第4四半期から2021年8月期第1四半期に発生)は2021年8月期下期には剥落すること、今後も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が不透明であることなどが要因である。しかしながら、2021年8月期第3四半期までの業績が計画を上回って着地したこと、足元では円安が進行しているものの2021年8月期の為替は既に先物予約されていることなどを考慮すれば、通期の業績は予想を上回る可能性は高そうだ。
3. 中期経営計画
同社はこれまで、終了した決算期の実績を基にしてその後3ヶ年の中期経営計画を発表してきた。しかし現在は、依然として各医療機関の混乱が続いていることから、現時点で3年先の予想を算定することは困難であると判断し、中期経営計画の数値発表を見送った。今後、市場環境等の見通しが改善し合理的な算定を行えるようになった時点で改めて発表する予定だ。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2020年8月期は年間60.0円の配当、2021年8月期も同額の配当を予定しており、自己株式の取得も前向きに検討していく計画だ。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値するだろう。
■Key Points
・2021年8月期第3四半期は期ずれ物件の取り込みなどで前年同期比25.1%の営業増益で着地
・2021年8月期通期は増収増益、営業利益は前期比2.7%増を見込んでいるものの、予想を上回る可能性が高い
・2021年8月期も年間配当60.0円を予定、自己株式の取得も含めて株主還元には積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2021年8月期第3四半期(実績)
ナガイレーベン<7447>は国内シェア60%超を持つ医療白衣のトップメーカーであり、高い利益率と堅固な財務内容を誇っている。2021年8月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.2%増の14,034百万円、営業利益が同25.1%増の4,304百万円、経常利益が同24.4%増の4,373百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同24.0%増の3,009百万円となり、各利益は計画値に対しても上回った。売上高は、主力のヘルスウェアを中心に2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込んだこと、注力している患者ウェアが順調に拡大したことなどから前年同期比で大幅な増収となった。利益面では、為替の先物予約が功を奏したことに加え、売上増に伴い海外生産比率が上昇したことなどから、売上総利益率は前年同期並みを維持した。加えて販管費が引き続き前年同期比で減少したことなどから、営業利益は大幅に増加した。
2. 2021年8月期(予想)
2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円とする期初予想を据え置いている。厚生労働省向けの特需(2020年8月期第4四半期から2021年8月期第1四半期に発生)は2021年8月期下期には剥落すること、今後も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が不透明であることなどが要因である。しかしながら、2021年8月期第3四半期までの業績が計画を上回って着地したこと、足元では円安が進行しているものの2021年8月期の為替は既に先物予約されていることなどを考慮すれば、通期の業績は予想を上回る可能性は高そうだ。
3. 中期経営計画
同社はこれまで、終了した決算期の実績を基にしてその後3ヶ年の中期経営計画を発表してきた。しかし現在は、依然として各医療機関の混乱が続いていることから、現時点で3年先の予想を算定することは困難であると判断し、中期経営計画の数値発表を見送った。今後、市場環境等の見通しが改善し合理的な算定を行えるようになった時点で改めて発表する予定だ。一方で、株主還元の姿勢は変わらず、2020年8月期は年間60.0円の配当、2021年8月期も同額の配当を予定しており、自己株式の取得も前向きに検討していく計画だ。このような株主還元に対する同社の一貫した姿勢は評価に値するだろう。
■Key Points
・2021年8月期第3四半期は期ずれ物件の取り込みなどで前年同期比25.1%の営業増益で着地
・2021年8月期通期は増収増益、営業利益は前期比2.7%増を見込んでいるものの、予想を上回る可能性が高い
・2021年8月期も年間配当60.0円を予定、自己株式の取得も含めて株主還元には積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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