[資源・新興国通貨3/15~19の展望] トルコリラは18日の中銀会合に注目!!

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最新投稿日時:2021/03/12 14:25 - 「[資源・新興国通貨3/15~19の展望] トルコリラは18日の中銀会合に注目!!」(八代和也)

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[資源・新興国通貨3/15~19の展望] トルコリラは18日の中銀会合に注目!!

著者:八代和也
投稿:2021/03/12 14:25

豪ドル

NYダウが11日に過去最高値を更新しました。豪ドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があるため、主要国株価が上昇するなどしてリスクオンが強まることは、豪ドルにとってプラス材料です。

米国の追加経済対策法案が成立(11日)したことで、同国の景気回復への期待から主要国株価は堅調に推移する可能性があります。その場合、豪ドルは上値を試す展開になりそうです。

18日、豪州の2月雇用統計が発表されます。RBA(豪中銀)は金融政策運営において雇用情勢を注視する姿勢を示しているため、雇用統計の結果は豪ドルの今後の動向に影響を与えそうです。

雇用統計の市場予想は本稿執筆時点で失業率が6.3%、雇用者数が2.75万人増。失業率は前月の6.4%から改善し、雇用者数は5カ月連続でプラスになるとみられています。

RBAは「少なくとも2024年までは利上げはない」との見通しを示しています。ただ、雇用統計(特に失業率)が市場予想よりも良好な結果になれば、市場では「RBAの見通しよりも早期に利上げが行われる」との観測が浮上するかもしれません。そうなれば、豪ドルが上昇しそうです。豪ドル/米ドルは0.80047米ドル(2/25高値)に向かって上昇し、豪ドル/円は85円台に定着する可能性があります。

NZドル

RBNZ(NZ中銀)は2月24日の会合で政策金利を0.25%に据え置くとともに、声明では長期間にわたって現在の緩和的な政策を続けることを示唆しました。

一方で市場では、RBNZは早ければ来年にも利上げするとの観測があります。18日発表のNZの昨年10-12月期GDPが市場予想(本稿執筆時点で前期比0.4%、前年比0.6%)を上回れば、利上げ観測が一段と高まり、NZドルが上昇しそうです。

また、豪ドルと同様にNZドルは投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。リスクオンが強まる場合、NZドルは堅調さを増すとみられます。

目先の上値メドとして、NZドル/米ドルは0.74587米ドル(2/25高値)、NZドル/円は80.000円(心理的節目)が挙げられます。

カナダドル

BOC(カナダ中銀)は10日、政策金利を0.25%に据え置くとともに、債券買い入れプログラムを現行規模(カナダ国債を少なくとも週40億カナダドル買い入れる)を維持することを決定しました。

声明では、「政策金利は2023年まで現行水準にとどまる」との見通しを示し、「債券買い入れプログラムは経済が順調に回復するまで継続する」と表明しました。

市場はBOCとは異なり、早ければ2022年にも利上げが行われ、また債券買い入れプログラムは来月にも規模の縮小が発表されるとの観測があります。カナダの2月雇用統計(12日。本稿執筆時点で未発表)や2月CPI(17日)、1月小売売上高(19日)が良好な結果になれば、利上げや債券買い入れプログラム縮小の観測が一段と高まるかもしれません。その場合、カナダドルの支援材料となりそうです。

原油価格(米WTI原油先物など)の動向にも注目です。OPECプラスが4月の協調減産の規模をほぼ維持し、またサウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を4月も行うと表明したことを受け、WTI原油先物は2018年10月以来の高値圏で推移しています。米国の景気回復への期待も支援材料になるとみられ、原油価格は引き続き堅調に推移する可能性があります。原油高はカナダドルの上昇要因と考えられます。カナダドル/円は、87.000円より上の水準に定着する可能性があります。

トルコリラ

18日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。その結果がトルコリラの動向に影響を与えそうです。

TCMBは昨年11月と12月に合計6.75%の利上げを実施し、その後今年1月と2月の会合では政策金利を17.00%に据え置きました。

一方で、トルコの2月CPI(消費者物価指数)上昇率は前年比15.61%と、2019年7月以来の強い伸びを記録しました。足もとで原油高が進んでおり、インフレ圧力は今後一段と強まる可能性があります。

アーバルTCMB総裁は3月5日、「中銀の主要目標は、物価安定だ」と強調し、「この目標を達成するため、今後も断固たる措置を講じていく」と発言。インフレ抑制への決意を改めて示すとともに、必要なら追加利上げを行うことを示唆しました。

TCMBは18日の会合で追加利上げに踏み切りそうです。市場では利上げ観測が高まっており、焦点は利上げ幅へと移りつつあります。TCMBが市場予想を上回る幅の利上げを決定すれば、トルコリラは堅調に推移し、リラ/円は15.197円(2/16高値)に近づく可能性があります。利上げ幅の市場予想の中央値は、本稿執筆時点で1.00%です。

南アフリカランド

南アフリカの昨年10-12月期GDP(9日発表)は前期比年率6.3%と、市場予想の5.0%よりも良好。また、NYダウは11日に過去最高値を更新し、米長期金利(10年債利回り)の上昇は一服しました。これらはいずれも、ランドにとってプラス材料と考えられます。ランドは11日に対米ドルや対円で約2週間ぶりの高値をつけました。

米国など主要国の株価が堅調に推移し、米長期金利が低下すれば(少なくとも上昇しなければ)、ランドは一段高となる可能性があります。ランド/円の目先の上値メドとして、7.450円(2020/2高値)が挙げられます。

メキシコペソ

メキシコペソ/円(日足。期間:2020/6/30~2021/3/12)
メキシコペソ/円(日足。期間:2020/6/30~2021/3/12)出所:マネースクエアFXチャート

メキシコでは、10日に電力産業法改正が施行されました。改正により、CENACE(国家エネルギー管理センター)が管理する電力については、民間部門よりも割高なCFE(電力公社)が発電した電力を優先して採用することになります。電力コストが増大するだけでなく、自由な競争が損なわれるおそれがあると市場は懸念しています。電力産業法改正は、メキシコペソの重石となる可能性があります。

一方で、OPECプラスが4月の協調減産の規模をほぼ維持し、またサウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を4月も行うと表明したことで、原油価格(WTI原油先物など)が堅調に推移しています。メキシコは産油国のため、原油価格の上昇はペソにとってプラス材料です。原油価格が引き続き堅調に推移すれば、ペソは下値もしっかりとした展開になりそうです。

ペソ/円は約4カ月間にわたって、おおむね5.000~5.300円のレンジで上下動を繰り返しています。この状況は当面続きそうです。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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