■ティア<2485>の今後の見通し
3. 中長期の成長見通し
2023年9月期以降については、中長期目標である会館数200店舗体制の実現とその後の持続的な成長を目指していくことになる。年間16~17店舗ペースの出店が続けば2024年9月期にも200店舗を達成することになる。また、事業戦略としては中核エリアでのシェア拡大を進めていくほか、葬儀相談サロンモデルの確立と収益拡大、進出エリアにおける会館出店の再開、FCクライアント開発と拠点数の増大に取り組む方針となっており、長期的には全国主要都市に「ティア」ブランドの店舗を展開し、葬儀業界のトップブランドになることを目標に掲げている。
葬儀業界の市場規模は約1.8兆円で安定して推移しているが、このうち冠婚葬祭互助会が高いブランド力を背景に、全国各地で高シェアを占めている(互助会及び関連企業の合計売上高で年間約7,500億円)。一方、同社は「徹底した人財教育による質の高いサービス」と「葬儀費用の完全開示や適正費用による提案力」などで顧客からの支持を集め、ブランドの向上と業界シェアの上昇が続いている。名古屋市内ではJA系専業事業者からの業務委託も受けており、同業者からの評価も高い。「ティアの会」会員数が年間3万人を超えるペースで伸び続けていることから見ても、今後もシェアの拡大が続くものと予想される。
名古屋市内では1998年に1号店をオープンして以降、16年目でシェア20%を獲得し、今なお上昇傾向にある。このため、ほかのエリアにおいても20%を獲得する可能性はあると考えられる。実際、関西エリアや埼玉県では着実にシェアを拡大しており、東京都内でもようやく実績が積み上がり始めている状況にある。国内の葬儀件数全体に占める同社グループのシェアはまだ1%強程度しかなく、出店エリアの拡大による長期的な収益成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。
事業リスクとしては、葬儀単価の動向が挙げられる。核家族化や少子化の進展により葬儀も家族葬など小規模に済ませるケースが増加傾向にある。また、こうした領域では参入企業も多く顧客獲得競争の激化による葬儀単価の下落傾向が続くものと予想される。ただ、国内の潜在的な葬儀需要は高齢者人口の増加を背景に、2040年までは年率2%程度の増加が続く安定成長市場であり、今後も葬儀を単なる「哀悼の儀式」としてだけではなく、「哀悼と感動を与える儀式」として顧客に感謝される「究極のサービス」を提供していくことで、他社との差別化は十分可能と見られる。2020年9月期は新型コロナウイルスの影響もあり減益が見込まれているが、中長期的に見れば業績は安定成長が続くものと弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 中長期の成長見通し
2023年9月期以降については、中長期目標である会館数200店舗体制の実現とその後の持続的な成長を目指していくことになる。年間16~17店舗ペースの出店が続けば2024年9月期にも200店舗を達成することになる。また、事業戦略としては中核エリアでのシェア拡大を進めていくほか、葬儀相談サロンモデルの確立と収益拡大、進出エリアにおける会館出店の再開、FCクライアント開発と拠点数の増大に取り組む方針となっており、長期的には全国主要都市に「ティア」ブランドの店舗を展開し、葬儀業界のトップブランドになることを目標に掲げている。
葬儀業界の市場規模は約1.8兆円で安定して推移しているが、このうち冠婚葬祭互助会が高いブランド力を背景に、全国各地で高シェアを占めている(互助会及び関連企業の合計売上高で年間約7,500億円)。一方、同社は「徹底した人財教育による質の高いサービス」と「葬儀費用の完全開示や適正費用による提案力」などで顧客からの支持を集め、ブランドの向上と業界シェアの上昇が続いている。名古屋市内ではJA系専業事業者からの業務委託も受けており、同業者からの評価も高い。「ティアの会」会員数が年間3万人を超えるペースで伸び続けていることから見ても、今後もシェアの拡大が続くものと予想される。
名古屋市内では1998年に1号店をオープンして以降、16年目でシェア20%を獲得し、今なお上昇傾向にある。このため、ほかのエリアにおいても20%を獲得する可能性はあると考えられる。実際、関西エリアや埼玉県では着実にシェアを拡大しており、東京都内でもようやく実績が積み上がり始めている状況にある。国内の葬儀件数全体に占める同社グループのシェアはまだ1%強程度しかなく、出店エリアの拡大による長期的な収益成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。
事業リスクとしては、葬儀単価の動向が挙げられる。核家族化や少子化の進展により葬儀も家族葬など小規模に済ませるケースが増加傾向にある。また、こうした領域では参入企業も多く顧客獲得競争の激化による葬儀単価の下落傾向が続くものと予想される。ただ、国内の潜在的な葬儀需要は高齢者人口の増加を背景に、2040年までは年率2%程度の増加が続く安定成長市場であり、今後も葬儀を単なる「哀悼の儀式」としてだけではなく、「哀悼と感動を与える儀式」として顧客に感謝される「究極のサービス」を提供していくことで、他社との差別化は十分可能と見られる。2020年9月期は新型コロナウイルスの影響もあり減益が見込まれているが、中長期的に見れば業績は安定成長が続くものと弊社では予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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