■要約
ピアラ<7044>は、ビューティ&ヘルス(以下、B&H)及び食品市場にフォーカスし、ECを運営するクライアントに対してマーケティング支援を行っている。新規顧客獲得から育成までのKPIを保証し、マーケティング効果を最大化する「マーケティングコミットカンパニー」を標榜し、成果報酬型のビジネスモデルで成長している。購買行動に影響する人の悩みに着目し、過去の成功モデルを体系化した悩み別データと分析システムを活用することでマーケティング効果の最大化を実現している。中国、台湾、ベトナム、タイにも進出し、日系企業のアジア進出支援なども行っている。
1. 2019年12月期業績
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比28.2%増の13,566百万円、営業利益で同25.6%増の408百万円となり、過去最高業績を更新した。成果報酬型のKPI保証サービスがヒット商品の創出もあって好調に推移したことが主因だ。特に化粧品が大ヒットした(株)アイム向けの売上高は前期比3.1倍増の2,778百万円と急拡大し、増収分の6割超の寄与となった。営業利益率が前期比で若干低下したが、これは広告媒体費等の増加に加えて、本社移転に伴う賃借料の増加や減価償却費の増加などが主因となっている。
2. 中期経営計画について
同社は2020年12月期からスタートする3ヶ年の中期経営計画を発表した。通販業界でのDX(デジタルトランスフォーメーション)が今後さらに進展する見通しであり、その中でもB&H及び食品業界にターゲットを絞って国内及びアジア市場で事業展開を進め、年率20%前後の売上成長を目指す。同領域は景気動向に左右されず安定した需要が見込めること、また、同社が強みとする「ユーザーの悩み」データをインターネット上で収集・分析してマーケティング施策を行うため費用対効果も高く、成長ポテンシャルは大きい。成長を加速するため、優良なパートナー事業者(広告代理店等)と組んで相互のナレッジを共有し、KPI保証の最適化を促進する新サービス「ナレシェア」も開始する。海外戦略については、中国、台湾、ベトナム、タイの4ヶ国で越境EC支援事業並びにB&H及び食品領域の卸運用代行事業を展開する。経営数値目標として、最終年度となる2022年12月期に連結売上高235億円以上、営業利益12億円、営業利益率5%以上の達成を目指している。
3. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比17.0%増の15,865百万円、営業利益で同30.1%増の531百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。現時点で新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、ほとんど出ていないもようだ。対面型のリアルプロモーションが中止になったり、越境EC関連の輸入許可手続きで一部遅延が生じているものの、全体の業績に与える影響は軽微。主力のB&H及び食品業界におけるECマーケティング需要は引き続き好調に推移しており、衛生用品などの引き合いも増えている。また、インターネット広告の媒体コストが需給軟化で低下するなどプラス面での影響もある。新たな取り組みとして、2019年12月に資本業務提携した(株)サラヴィオ化粧品に対するマーケティング支援をスタートし、2020年12月期中のヒット商品創出を目指している。また、ベトナムにおける日本商品のマーケティング支援サービスも現地企業と提携して開始しており、海外事業についても積極的に展開していく計画となっている。
4. 新型コロナウイルス対応として「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトを開始
新型コロナウイルス感染症拡大により衛生用品の不足や価格の高止まりが続くなか、同社は適切な価格でできるだけ多くの消費者や医療機関に衛生用品を届けるプロジェクトとして、「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトを立ち上げた。5月より不織布マスクを法人及び医療・介護・保育業者向けに、高機能マスク「KN95」を医療・介護・保育業者向けに専用ECサイトで販売開始している。同社がビューティ&ヘルス領域の支援企業として、商品開発や越境EC・貿易事業で培ったノウハウを生かした取り組みとなり、収益の一部は医療機関などに寄付する予定だ。
■Key Points
・ビューティ&ヘルス、食品業界に特化したマーケティング支援企業で、成果にコミットするKPI保証サービスが特徴
・中期経営計画で年率20%前後の売上成長、営業利益率で5%以上を目標として打ち出す
・新型コロナウイルス感染症の影響は軽微で、2020年12月期業績も2ケタ増収増益となる見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ピアラ<7044>は、ビューティ&ヘルス(以下、B&H)及び食品市場にフォーカスし、ECを運営するクライアントに対してマーケティング支援を行っている。新規顧客獲得から育成までのKPIを保証し、マーケティング効果を最大化する「マーケティングコミットカンパニー」を標榜し、成果報酬型のビジネスモデルで成長している。購買行動に影響する人の悩みに着目し、過去の成功モデルを体系化した悩み別データと分析システムを活用することでマーケティング効果の最大化を実現している。中国、台湾、ベトナム、タイにも進出し、日系企業のアジア進出支援なども行っている。
1. 2019年12月期業績
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比28.2%増の13,566百万円、営業利益で同25.6%増の408百万円となり、過去最高業績を更新した。成果報酬型のKPI保証サービスがヒット商品の創出もあって好調に推移したことが主因だ。特に化粧品が大ヒットした(株)アイム向けの売上高は前期比3.1倍増の2,778百万円と急拡大し、増収分の6割超の寄与となった。営業利益率が前期比で若干低下したが、これは広告媒体費等の増加に加えて、本社移転に伴う賃借料の増加や減価償却費の増加などが主因となっている。
2. 中期経営計画について
同社は2020年12月期からスタートする3ヶ年の中期経営計画を発表した。通販業界でのDX(デジタルトランスフォーメーション)が今後さらに進展する見通しであり、その中でもB&H及び食品業界にターゲットを絞って国内及びアジア市場で事業展開を進め、年率20%前後の売上成長を目指す。同領域は景気動向に左右されず安定した需要が見込めること、また、同社が強みとする「ユーザーの悩み」データをインターネット上で収集・分析してマーケティング施策を行うため費用対効果も高く、成長ポテンシャルは大きい。成長を加速するため、優良なパートナー事業者(広告代理店等)と組んで相互のナレッジを共有し、KPI保証の最適化を促進する新サービス「ナレシェア」も開始する。海外戦略については、中国、台湾、ベトナム、タイの4ヶ国で越境EC支援事業並びにB&H及び食品領域の卸運用代行事業を展開する。経営数値目標として、最終年度となる2022年12月期に連結売上高235億円以上、営業利益12億円、営業利益率5%以上の達成を目指している。
3. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比17.0%増の15,865百万円、営業利益で同30.1%増の531百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。現時点で新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、ほとんど出ていないもようだ。対面型のリアルプロモーションが中止になったり、越境EC関連の輸入許可手続きで一部遅延が生じているものの、全体の業績に与える影響は軽微。主力のB&H及び食品業界におけるECマーケティング需要は引き続き好調に推移しており、衛生用品などの引き合いも増えている。また、インターネット広告の媒体コストが需給軟化で低下するなどプラス面での影響もある。新たな取り組みとして、2019年12月に資本業務提携した(株)サラヴィオ化粧品に対するマーケティング支援をスタートし、2020年12月期中のヒット商品創出を目指している。また、ベトナムにおける日本商品のマーケティング支援サービスも現地企業と提携して開始しており、海外事業についても積極的に展開していく計画となっている。
4. 新型コロナウイルス対応として「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトを開始
新型コロナウイルス感染症拡大により衛生用品の不足や価格の高止まりが続くなか、同社は適切な価格でできるだけ多くの消費者や医療機関に衛生用品を届けるプロジェクトとして、「#SAVE YOUR LIFE」プロジェクトを立ち上げた。5月より不織布マスクを法人及び医療・介護・保育業者向けに、高機能マスク「KN95」を医療・介護・保育業者向けに専用ECサイトで販売開始している。同社がビューティ&ヘルス領域の支援企業として、商品開発や越境EC・貿易事業で培ったノウハウを生かした取り組みとなり、収益の一部は医療機関などに寄付する予定だ。
■Key Points
・ビューティ&ヘルス、食品業界に特化したマーケティング支援企業で、成果にコミットするKPI保証サービスが特徴
・中期経営計画で年率20%前後の売上成長、営業利益率で5%以上を目標として打ち出す
・新型コロナウイルス感染症の影響は軽微で、2020年12月期業績も2ケタ増収増益となる見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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