パニック相場から本来の相場へ
オリンピックが正式に延期となったことが大きかったですが、株価はそれによって下がるようなことはなかったことから、先週までの強烈な下げで16000円台を付けたときに、このあたりのことまで織り込みに行ってたのだと思います。
短期にあれだけ下げたのはこれから出てくるであろう、経済停滞、業績悪化、失業率悪化、などなどネガティブ材料をかなり織り込んでいると思います。
これからも下方修正のオンパレードだったり、中小企業が倒産したりと、いろいろな悪材料が出てくると思いますし、実体経済の悪化は目に見えて現れてくるでしょう。
そのため上がったところはいい売り場になる、と売り目線で見ている方が多いかもしれませんが、ここからの売りはこれまでのような下げを想定して売ると危険です。
すでに、実体経済の悪化は株価が織り込み、金融政策、財政出動による資金供給の効果がこれから顕著に出てきます。
実体経済が回復するまでにはまだそれなりの時間がかかりますが、市場には先に資金が入ってくるため、株価は先行してあげていきます。
そのため、実体経済は悪いのに株価が上がっていくということに違和感を感じるかもしれませんが、これが不景気の株高というものです。
リーマンショック後や東日本大震災の後の相場を経験していた方はよくわかると思います。
そして、これがよくわかる事実としては、オプション手口を見ると、国内、個人は下げを期待している売りポジションに傾いていますが、それとは対照的に、外人は買いポジションに傾いています。
マーケットの参加者を大きく分けると今の買い方は、中央銀行と外人、売り方は国内、個人という構図に分かれています。
市場は完全なゼロサムではありませんが、ほぼそれに近いと考えると、どちらかが勝ち、どちらかが負けることになりますが、この目線で今の状況を見てどちらが優位か考えればよく分かると思います。
まだボラティリティーが完全に下がっていないため、多少の乱高下はあるかもしれませんが、半年くらい先まで見たときは今がかなりの買い場だったと思えるようになるかと思います。
コロナウイルスが早く終息してほしいものですが、これが一過性のものとして終わった場合、止まっていた経済が一気に動き出し、市場には世界中の中央銀行が金融緩和しただぶついたマネーが行き場を失って各金融商品に流れ込んできます。
その時はこれまでに経験したことのないバブル相場がやってくるでしょう。もし、これが現実的になれば年末には日経もダウも最高値を更新してくる可能性も十分あると思います。
リーマンショックや東日本大震災など、大暴落が来ると、今までもこのような流れになって最終的には高値を更新してきています。
今の周囲の状況を見て、そんなことは考えもしないとは思いますが、半年後、年末の株価を見たときに今の株価を振り返ってみてください。
Yahooファイナンスの記事はこれで最後となるため、少し先のことまで想定した相場の流れを書いてみました。
長い間、毎週このコラムを読んでいただき本当にありがとうございました。
※また、noteなどにも記事は書いていくので(下のリンク)そちらも見ていただければと思います。