底値を付けるいくつかの要因
株式市場が最も下落するのは、当局に危機意識が無い中で起こる「政策催促相場」だ。そういった中で、先週から世界の政策当局が危機感を強めたことは、底値をつける一つの要因となる。
株式市場の急落に危機感を感じた米国では早くも景気維持の為の利下げ議論が始まった。日本でも緊急の予算などの必要性が論じられ、まずは学校休校の影響による親の欠勤対策への補償が発表されている。
一方で株式市場はまだ下げ続けており、NY市場も先週末はやはり大幅に下落を演じた。とはいえ、NYダウは金曜日、一旦25000ドルを割った後戻り、25409ドルまで戻している。東京市場も、先週一度21000円を割れたが、21142円まで戻した。したがって、ここで一度、相場にリバウンドが来る可能性はある。
しかし、楽観は早すぎる。今回の下落は、リバウンドの後、さらに2度にわたって売られる可能性がある。最初は、米国がより緊迫した対応を決めた場合のリスクだ。日韓からの入国を禁止する措置が取られた場合、その影響を東京市場がどうとるか。また、米国の施策によって円高となる場合、東京市場には下落圧力がかかる。
最後は、3月決算に対する業績予想下方修正ラッシュとなる4月だ。今回の混乱がどれだけ業績に影響するか、企業側はぎりぎりまで見極めるだろう。下方修正を二度行うのは格好が悪いので、恐らくは4月中旬が下方修正のピークになると思われる。投資家としては、そこを見極めたいのが心理だろう。
リバウンドのたびに再度売られる、という荒れた展開も考えられ、結局のところ、東京市場の底値は、昨年3度にわたって反発に入った20100円程度の水準になる可能性がある。ただし、この水準では絶好の買い場が出現するだろうと考えられる。