ドル円の戦略は
■先週のドル円は、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、リスク回避の円買いが優勢で一時108円台前半まで下落する場面がありました。
しかし、その後は中国人民銀行の救済措置をはじめワクチン開発報道、そして制裁関税引き下げ発表をきっかけに大きく反発しました。一時110円台の突入する場面もありましたが、週末の株価の下落や利食い売りを浴び109円後半で終了しました。
■さて、先週末の米雇用統計は予想を大きく上回り、好調の目安とされる20慢人を2か月ぶりに超えました。また、平均賃金においては前月比+0.2%と予想には届かなかったものの比較的堅調な結果でした。
これもFRBの利下げ効果と言っていい内容であったことは確かだと思います。
そんな好調な結果にも懸念材料はありました。
それは、製造業の落ち込みは同様ですが、小売業での落ち込みが気になるところです。このことは今後の個人消費の持続力が不安であるのと同時に、コロナウィルス感染拡大で経済的にも影響は出ることは必至です。
■つまり、先週末の数値はあくまでこのコロナウィルスの影響が含まれておらず、来月以降の経済指標がポイントになりそうです。
いずれにしてもウィルス感染拡大は依然として増加傾向にあるため、パンデミックに陥る可能性はまだまだありそうです。
このことを横目にWHO(世界保健機関)は、ワクチン開発に向けて来週11日-12日にジュネーブで専門家会合が開催されるので注目になります。
■今週の経済指標のポイントは以下の通りになります。
・1月消費者物価指数…13日(木)
・1月小売売上高…14日(金)
先月発表の上記指標に関して言えば、低インフレ基調は若干、緩和方向になったこともあるので、今月も反転基調になるのかどうかに注目したいです。
■最後にドル円の戦略です。
日足に関して言えば、底値切り上げのきれいな上昇トレンドになっています。
昨年8月安値105.25円を起点に今年1月8日安値107.65円を線で結べばサポートラインが完成しています。
先週月曜の安値もしっかりとサポートされています。
下値としては108.50円を割り込まない限りは押し目買い。
上値に関しては先月17日の高値110.29円がターゲットになります。
これを超えるようであれば、昨年5月のギャップダウンで付けた窓埋め111円も視野に入る可能性はありそうです。
いずれにしてもコロナウィルスの影響は今後も継続するので、過度な期待には警戒したいです。