中国側の報復措置には警戒
■また、米7-9月期GDPやPMIが予想を上回ったことも材料として作用しています。
しかし、トランプ大統領が先週、「香港人権民主法案」に署名したこと受けて、中国側でも報復措置を警告していることもあり、やや伸び悩む展開となりました。
■さて、今年も早いもので年末月となりました。
今年のドル円の変動幅は8円程度となっていることで取引通貨ペアとしては魅力が剥落してしまいました。
今年は米中通商協議がメインテーマに世界景気の行方、金融政策の変更と材料としては目白押しであったものの、リスクオンになるための決定打がなかったようにもみえます。
その意味では、引き続き米中通商交渉の行方には注目せざるを得ないと思います。
■そんな中、先週に香港人権民主法案に署名したことを受けて、米中関係悪化が囁かれています。
年内に第一弾合意を目論んでいたものの、この署名によってこれまでの中国側からの大量な農産物輸入ですら全てを白紙にしかねない状況です。
現状としては出ていないものの報復措置ですらあり得るのではないかとみています。
報道等では年内に第一弾合意をしたいことを理由に見て見ぬふりをするのではないかと言われております。
個人的にはこの問題は「内政干渉」「覇権」といった面子を維持するためにも再重要事項なのではないかとみています。
今週も引き続き中国側の報復措置には警戒したいところです。
そのほかの注目材料は以下の通りです。
2日(月)…IMS製造業景況指数
4日(水)…ISM非製造業景況指数
6日(金)…米雇用統計
■先週も感謝祭等で流動性が少なく、また、米株式指標においては史上最高値ラッシュとなっており、視界良好の展開となっております。
また、ドル円の移動平均200日線もクリアしていることで、110円突破は時間の問題と見方が大勢となっています。
少なくても株式市場においては第一弾合意を先取りしすぎているようにも見えます。
確かに現状の経済指標で判断するのであれば米GDPをみても下落する理由はないと思います。
しかし、少なくても米中通商問題が起きてからの米製造業には打撃を受けていることは確かです。
更にドル高とくれば二重苦となって追い打ちをかけていると思います。
その意味では、10-12月期の米GDPは大幅下方修正する可能性も否定できないとみています。
もし、そうなれば今までの視界良好シナリオはすべてリセット、大きな調整局面になる可能性もあるので、視界良好の際には是非、気を付けたいところです。
相場にはよく「下駄外し」があるだけに、しっかりとリスク管理もしておきたいです。
■最後にドル円のテクニカルです。
日足ベースでみるとターゲットは110円になりやすいと思うので、週間足でみたいと思います。
100日・200日移動平均線を利用すると、100日は先週末引値ベースで109.67円、200日は109.83となっています。
週足ベースでも移動平均は右肩下がり、更に移動平均線が抵抗となっているので、110円に乗せる前の最大抵抗になるのではないかとみています。