予想修正が行われる可能性は高い
決算自体は、ほぼ予定通りの内容であり、数値自体が失望を呼んだわけではない(売上1312百万円、営業利益61百万円)。通期業績予想では、売上1770百万円、営業利益67百万円となっているため、今期の営業利益達成見込みはほぼ確実と思われる。
しかし、この通期見通しに対する上方修正などが発表されると思っていた個人投資家らの売却が、週末には出たものと思われるが、いずれは予想修正が行われる可能性は高いと言える。また、ラインとヤフーの経営統合のニュースにより、同社のライバルであるラインワークスの競争力が強化されるのではないか、という懸念もあっただろう。しかし、これはすぐになんらかの明確な影響が現れるものでもない。
ビジネスチャット自体は、社内の効率的なコミュニケーションツールとして、また働き方改革の一つのツールとして広まりつつあり、この分野を主力事業とする上場企業としては、同社は唯一の存在だ。ラインワークスなどの競合もあるが、セキュリティを含めたビジネスツールとしての安心度が、同社の持ち味だろう。ラインワークスがラインと繋がっていることで、よりライトなユーザーを志向しているのに対し、チャットワークはよりビジネス機能に注目したサービスを改良し、安定したビジネス指向のユーザーの指示を得ているようだ。
株価のバリュエーションとして、割安度は無いように見えるが、赤字が黒字に転換する局面での株価は、一定の成長率を評価する為、ある程度の割高感は受け入れられやすい。株価は中期的には、1000円と1600円の間を行き来しやすい状況だが、週初に下落すれば、仕込みどころになりそうだ。