レンジor上抜けを見分けるポイントは?
4日の当コラムにおいて喫緊のポイントとして挙げた「BB(ボリンジャーバンド)・-2σライン(≒106.710円)サポート成否」ですが、11日時点では、同ラインでの下値サポートが機能する状況となっています。(別図黄色丸印)
上図チャートでは、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足のやや上方にあること、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方にあること、4) 各BBが21日MAに対してパラレルに推移していること、そして、5) DMI(方向性指数)でADX、+DI、-DIが収斂する状態となっている(別図青色丸印)ことから、米ドル/円は上下圧力が拮抗するレンジ相場を形成中であることが視認できます。
そんな中、別のテクニカル指標であるフィボナッチ・リトレースメント(以下、FR)を使って、当面のコアレンジ(=主戦場となり得る値位置帯)や上下メドを勘案してみたいと思います。
別図チャートからも分かる通り、9月以降の米ドル/円相場(上図黄色四角枠)を見てみると、直近高値H(112.360円、4/24)と同安値L(104.350円、8/26)を結んだFR・50.0%ライン、いわゆる「半値戻し」である「108.355円」の上抜けブレークを試みる動き(9/18と10/1、いずれも別図黒色矢印)となりましたが、二度とも同ラインによって上抜けブレークが遮られる相場展開となっていることが分かります。
これからの時間にかけて、仮に「三度目の正直」となった場合、つまり、ローソク足が同ラインを上抜けブレークした場合は、FR・61.8%である「109.300円」付近までの上値トライを想定すべきでしょう。
一方で、「二度あることは三度ある」となった場合、つまり、同ラインがローソク足の上抜けブレークを遮る相場展開となった場合は、ここもとの米ドル/円における“居心地のいい値位置帯”とも言える、FB・23.6%ラインと同・50.0%ラインの間のゾーンである「106.240~108.355円」をベースとするレンジワーク主体の相場展開となりそうです。
いずれにしても、当面の米ドル/円は、半値戻し水準である「108.355円」を強く意識する相場展開となりそうです。